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崖っぷち!!2ヶ月ヨーロッパオーディション【第4話】 〜就職できなかったらバレエを辞め、サンマルクカフェ店長の道しか残されていなかった僕。〜

こんにちは、みっちーです。

前回のお話、


崖っぷち!!2ヶ月ヨーロッパオーディション【第3話】


は楽しんでいただけたでしょうか?


最近、コロナの影響でずっと閉まっていた劇場も開き、少人数ですが広いスタジオでのびのびと踊っています。

自粛中の2ヶ月間、プログラミングの勉強や料理、楽器の練習に時間を使っていたため初クラス後はふくらはぎの筋肉痛が酷く、一週間ペンギン歩きになってしまいました。


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オーディション後半戦。


劇場の外をみるともう日が落ちかかっていた。

ここまでの審査で、既に3分の1ほどが通過出来ず、スタジオがとても広く感じた

男性ヴァリエーションの審査が始まる。



なんとイケメンディレクターが直々に踊って指導を始めたではないか!



普通はバレエマスターや、バレエ団のダンサーが踊って指導する事が多い、仮にディレクターが踊る事があってもハードな事はしない、白髪混じりで40代後半のように見える彼は飛んだり回ったり、難しいテクニックもキレッキレ!

すごい!!と見入ってしまう欲求を抑え、ディレクターの踊りを覚えながら必死についていく。

しっかりアイコンタクトもとってもらい順調。


やっぱりかっこいい//



審査が終わり結果発表へ、

無事通過。


オーディションで出会って仲良くなった友達が何人かは落とされてしまった。
こんな状況でも友情は育まれる。さみしい気持ちをおさえ、ハグを交わし、別れを告げた。また会おう!


そのまま最後の審査、パドドゥへ、
150人以上いた参加者は男女あわせて20人以下まで減っていた。

ここまできたからには

絶対に就職してやる!!


しかしこのパドドゥの審査、とても緊張していた。舞台に立っているときは笑顔で自信満々に女性と踊っているが、実は根っからのシャイ&ビビりボーイなのだ。

パドドゥの相手はディレクターが身長をみてランダムに組ませる。


そして一言。


「英語喋れない人いる?みんな大丈夫?」


一同「Yes!!



パートナーと互いに軽く会釈し、ニコッと笑って振り付けの指導に集中する、
ひと通り振り付けの指導が終えた後、ディレクターが思いもよらぬ一言。

「ここから先の振り付けは自分たちで考えるように、愛し合うカップルを表現して」


今まで、人並み程度の恋愛は経験してきた。
しかし、日本人としか交際経験のない僕は、ヨーロッパ人の愛情表現を知らない。

でも、ここまで来たからにはやるしかない。
心を決めパートナーに


「ど、ど、ど、どうしよっか???」


と聞いてみると


「・・・・」


謎の沈黙が続く、

あれ?発音おかしかったかな?もう一度聞いてみる



・・・ワタシ、イタリア人でイングリッシュ喋れない。



片言の英語でがんばって伝えてくれた。
何事も頑張って何かを伝えてくれる姿勢には心を打たれる。

しかし、このオーディションには僕のこれからがかかっているのだ!!



バレエダンサー
or
サンマルクカフェ店長。


ディレクターに話に行こうとしたが姿が見えない…
このまま待っていてもしょうがない。
そう思い、今まで時折耳に入ってきたすべてのイタリア語を思い出しながら意志疎通を図る。

ときには全身を使ってジェスチャーもする。

あの手この手つかってなんとか形にはなったが、どうしてもヨーロッパ風の愛情表現を踊ってあらわすのは難しい。

与えられていた時間が過ぎた。
一組ずつ、順番に踊っていく


みんなすごい!あんな表現の仕方、自分には到底思いつかない!それに、熱い接吻を交わし愛を表現するカップルもいた。

人前でチューも恥ずかしくてできないジャパニーズスモール猫背ボーイには刺激が強すぎた。


自分の番が来た、

泣いても笑ってもこの審査が最後


全身全霊の愛をスタジオいっぱいに表現し、踊り終える。


ディレクターの反応は…


【最終話】へ続く…

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