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Kimitaka/小川室長
2021年7月25日 18:26
そういやさ、おまえ持っていたよな、スキットルを。そいつを西部劇のクリント・イーストウッドみたいにジーンズの尻ポケットに突っ込んで、ふと喉が乾くと、真っ昼間からそいつの金属製の口を慣れた手つきで回し開け、中に入っているウイスキーを美味そうに一口、二口煽ってから、ぷはあ、と息を漏らし、最後に必ずこう言ってたよな。「俺ってさ、これがないと生きてけないんだよね」と。ところがだ。久しぶりに会った
2021年7月15日 22:09
このごろ物忘れがひどい。三秒前まで覚えていたタスクを思い出せず、意識の中に手を突っ込んでかき混ぜてみても、「ハズレ」と書かれた紙切ればかり掴んでしまって結局何も思い出せない。モヤモヤだけが残る。それでふと、脳裏をよぎった。子どもの頃、近所の友だちとよく「脳細胞の殺し合い」をやっていたことを。この遊びって全国区なのだろうか。そこはよくわからないが、とにかくこれは二人で対戦するゲー
2021年7月8日 22:19
エレベーターの前に立って、ふと思う。これからマンションの一階まで下り、チャリを駅まで駆って高速バスで羽田に向かい、飛行機に飛び乗ってタラップを降りたら、そこは雄大なグリーンランドかもしれない。それってすごく素敵なことだ。仕事と生活に追われる日々の中ではふと、自分が籠の中の鳥になったように思える瞬間があるが、決してそんなことはない。実際のところ、目の前のエレベーターからグリーンランドまで
2021年7月5日 00:12
風になりたい。そういうお前(おれ)は手足に車輪をつけ、四つん這いになって崖から飛び立て。そしたらすぐさま風になれるし、ついでに塵にもなれるだろう。どういう導入部なのかさっぱりわからないと思うが、今からするのは自転車の話だ。かれこれ四十年以上自転車に乗っていて、いまだに不思議だなあと思うのは、ぼくの心と対向チャリの乗り手の心がシンクロし、互いが譲り合おうとするがばかりに正面衝突してしまう