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変曲点を見極めろ! 三井E&Sの真の変化とは。 全力解説。

  • 三井E&Sってどんな会社?

  • ホワイトハウス砲ってどういうこと!?

  • 隠された三井E&Sの真の変化とは!?

こんにちは、雨不足の場合です。現役東大生です。あり余った時間を使って、今日も最近よく耳にする企業の解像度を上げていきます!


本日取り上げるのは、"三井E&S"です。
2月から株価は急上昇、わずか1ヶ月でトリプルバガーを達成しました。
一時は、売買代金がレザーテックを超えたほど。

巷ではホワイトハウス砲と呼ばれた、今回の急騰。
しかし、その裏には三井E&Sの真の変化が隠されていました。

なんでこんなに株価は上がっているの?三井E&Sの本当の変化とは?
そんな経済のギモンを今日も紐解いていく!!!



NEWS

ー2024年3月6日
三井E&Sがストップ高をつけ、売買代金は東証プライム市場1位に躍り出た。
米政権が港湾施設などのサイバーセキュリティー対策を強化する方針を受けて、三井E&Sの子会社が手掛ける貨物の積み下ろしなどに使うクレーンの引き合いが高まるとの思惑から買いが続いているようだ。(日本経済新聞)

トリプルバガーを達成した三井E&S【7003】




三井E&Sってどんな会社?

−海洋コングロマリッド企業。

三井E&Sの主力事業は、「船用エンジン(舶用主機)」と「港湾クレーン」です。同社はこの2製品で強いシェアを誇っています。

船用エンジン
港湾クレーン

他にも、同社は「脱炭素ビジネス(水素サプライチェーン用装置)」「産業機械(化学プラント用装置)」「周辺サービス(ITサービス)」「海洋開発」なども手がけています。

三井E&Sはグループ会社を多数持っており、海洋・港湾関係のさまざまなビジネスを手掛けているのです。どうでしょう。ここまでで、三井E&Sがどんな企業なのか、大枠は理解できましたでしょうか。

企業分析に欠かせないのは、まずはその企業が主に何を手掛けているのか、を見極めることです。日常生活に結びついたサービスや、実際の写真などで確認するとわかりやすいと思います。

特に、三井E&Sのようなコングロマリッド企業(多様な事業を手掛けている企業)を理解する上で大事なのは、主力事業を見極めることです。同社の場合だと、「船用エンジン」と「港湾クレーン」になるわけです。実際に企業の説明資料からも、この2事業が柱だということが伝わってきます。

2022年決算説明資料より



ホワイトハウス砲ってどういうこと??

ー米国政府の発言にみえた"棚からぼた餅"。

米国土安全保障委員会は、米国内の港湾に導入されている中国製の荷役クレーンの一部に、用途が把握できない通信装置が見つかったとの調査結果を明らかにした。

CNN

米湾岸警備隊によると、米港湾で稼働中のクレーンの約8割が中国製(ZPMC社製)。およそ200基あるといいます。

クレーンには遠隔通信が可能なセルラーモデルが搭載されており、乗っ取ろうと思えば中国側が港湾インフラを遠隔操作できると判明しました。米国と中国の地政学的な対立が深まる中、米国はこのような状況をサイバーセキュリティ上の問題から危険だと判断したのです。

そして、クレーンを米国製にすることが言い渡されました。
米国がクレーンを作るよう名指した企業と、その投資金額が驚愕なのです。

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