見出し画像

コロナの後遺症 ME/CFSで寝たきりになった優秀な生徒 音楽の力に希望と感謝     

もう5年ほどピアノのレッスンに来ているとても優秀な生徒がいます。
学校の成績も優秀で、ピアノ以外にもバレエと乗馬を習っており、また普段の生活では食べ物にも環境にも意識が高く健康で活発な子供でした。

ME/CFS
一年半ほど前 彼女はコロナに感染、すぐに元気になり再び学校へ通っていたのですが、それから2週間ほど経ったある日 突然道端で倒れてしまい、その日から動けなくなり今日まで自宅でベット生活をしています。
病名はME/CFSと診断。
現在の所、治療薬はないらしく新薬を試していくしかないとの事で、16歳の彼女は希望と絶望の中、毎日泣く日々で私の心も痛みます。
光も受け付けないので外に出ることも出来ず、一日中暗闇の部屋で過ごし、トイレなどに起きる時はごく僅かな光の中、車椅子を使い移動しています。

ピアノの生徒
音楽が大好きだった彼女は、いつも練習を充分にしてきたので上達がとても早く、私の大好きな生徒のひとりでした。
幸い身体の痛みは無い様で腕や指は動かせますが、ピアノの椅子に座る耐久力・持続力がないので真面に弾く事が出来ません。
電話などで話はできますが一日20〜30分が限度で、その後は体力的に疲れ果ててしまうそうです。

ただ声だけは今まで通りで問題ないので、彼女に歌の勉強を勧めてみました。専門的な歌の勉強ではなく、作品に出会い音楽を楽しむ事を趣旨としています。
嬉しい事に、歌の勉強に対する意欲を示してくれました 。

まずはドイツ歌曲
彼女は、ゲーテやミュラーなどの詩、シューベルトやブーラムスなどの作曲家も大好きなので、ひとつ目的や計画性ができたのも、音楽と触れ続けられるのも、大きな喜びとなった様です。
そして歌う事で、当然精神的にも、身体的にも少しでも元気になって欲しいと切望します。

無理はできないので一ヶ月に2〜3曲、具合の良い時に彼女宅に伺って一緒に奏でています(私は伴奏)。
今まで、彼女はシューベルト の菩提樹や野ばらなどを勉強したのですが、詩も音楽(メロディ)も2〜3回歌えば完全に暗記・暗譜してしまいます。

音楽の力に感謝
ベットに横たわりながら歌う彼女の歌声は喜びや希望に満ちた力強さがあります。
私自身も新たな心境の変化となりました。人生いつも音楽に助けて貰ってきましたが、改めて音楽の本当の価値や力を感じています。

   最後まで読んで下さりありがとうございます。






日本でのボランティア演奏活動に使わせていただきます。 宜しくお願い致します。