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異世界キャンプ 分冊 7-9話

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9話、サウエムサンドワーム(7)“料理パート”

“サウエムサンドワームの燻製”

①サンドワームを燻製にする

「じゃあ残りは燻製にしよっかなぁ」

 リリが焚き火に目を向けると、ラーナはまだサンドワームを焼いている。

「今回はなんの匂いを付けよっかなぁ? 前回と同じオレガノでもいいけど……燻製を本格的にするとなると煙が少ないのよねー」

(サンドワームは豆乳の風味だし、優しい匂いがいいわよねぇ、大豆や豆腐系を燻製にしたことはないし……想像が

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9話、サウエムサンドワーム(6)“料理パート”

[下ごしらえ]

①サンドワームを開き、肝を取ったあとに、食べやすいサイズに切り分ける

「まずはサンドワームを一口大にたくさん切って」
「オッケー、全部?」
「皿に乗るサイズの大きめなものも3枚以上用意して、あとは切っちゃっていいわ」
「わかった、任せて!」

 ラーナもいつも以上にやる気満々に見える。

「なになに? 味見だけじゃなくて本当にサンドワームを食べるのかいっ?」
「食べるわよ?」

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9話、サウエムサンドワーム(4)

「リリ!?」
「ラーナ久しぶりー!」

 ソフィアから逃げてきたリリは、ラーナに明るく声をかける。
 ビックリしたラーナはサンドワームを掴んだまま聞き返した。

「どうして来たの?」
「ソフィアがサンドワームは乾燥に弱いって言っていたから……来ちゃった!」

 テヘッと舌を出すリリ。
 ラーナは呆れてなにも言えないようだ。

「……ハァー」
「っあ、ラーナため息ついたー!! ひどーい!!」
「リリ

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9話、サウエムサンドワーム(5)

「リリー、ボクお腹すいたよー、ほらこれ、はいっ!」

(おっと、これは……)

 ラーナはリリのやり方に慣れてきたようだ。
 後ろに転がるサンドワームの生肉を切って、リリの元へと持ってきた。

「っじゃ、食べるかー」
「なんじゃ、お主等! モンスターを食べるのかや?」
「そうよ、イヴァあなたも食べます?」
「いい! 妾は野菜しか食べないのじゃ」

 イヴァは思いっきり否定をする。

(ベジタリアン

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9話、サウエムサンドワーム(3)

 ドドッ、ドドドッ、ドドッ……

 荷台をガタゴトッと大きく揺らし、大きな馬車が荒原を疾走する。

「もうすぐ?」

 リリは、ソフィアに目配せをし聞いた。
 ソフィアは直ぐに気づき、答える。

「この岩を回り込んだら、旋回して停止するよ、君たちの好きにすればいいさっ」
「わかりました……ラーナ?」
「……」

(あれっ? ラーナ、もしかして震えている?)

「どうしたの?」
「飛び出したいの、我

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9話、サウエムサンドワーム(2)

 リリやラーナがまったりと馬車に揺られていたその頃……。
 豪華な刺繍の入った真っ黒なローブに身を包み、身の丈ほどの杖を抱えた少女が荷馬車に揺られている。
 御者をする人族の商人ドミニクが、荷台の少女に声を掛けた。

「イヴァお嬢ちゃん、もうすぐカルラ・オアシスにつくから、荷物の準備をしておいてくれ」

 彼女はイヴァンナ、薄い黒褐色の肌、ダークグレイの髪、尖った耳をしたダークエルフの少女だ。

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9話、サウエムサンドワーム(1)

「あっちの大きな岩を超えた所! 急いだほうがいいと思う」
「オークちゃん、どうしてだいっ?」
「これと同じ匂いがする、普段は土の中にいるんでしょ?」
「じゃあ、すでに襲われている人がいるってこと!?」
「オークちゃん! それは本当かいっ!?」

 ラーナの言葉に二人が反応する。

「たぶん」
「あーなんてことだ、肝の匂いがするってことは、そのサンドワームは傷を負わされている、急がないと、せっかくの

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SS、ラーナ髪を切る

「髪を切りましょ!」

 ピクシーのリリが声を上げた。

「急にどうしたの? せっかく長くてきれいな金髪なのに、邪魔になっちゃった?」
「そうじゃないわ!」
「違うの?」
「ラーナの髪よ!」
「ボクの?」

 ラーナは自分の腰まである髪を、手で触る。
 確かに手入れは、ここ暫くしていなかったので、ボサボサに感じる。

「んー、確かに邪魔だねー」

 ラーナは一言そう言うと、おもむろに髪を束ねた。

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8話、クエスト受注(8)

 やり取りを静かに黙って見ていたラーナが、ソフィアに答える。

「1つ目は普通に無理! 2つ目の保証はしない! とりあえず、知ってることを教えて」
「オークちゃんが聞きたいのは、どんな内容だいっ? 私が答えられることかなっ?」
「サンドワームの狩り方と弱点」
「ほーう、前向きだねっ!」
「早く教えて!」

 ラーナの言葉に、ソフィアは目を輝かせて答える。

「弱点はあえて言えば頭だねっ、狩り方は音

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8話、クエスト受注(7)

 野次馬の奥から人を掻き分けて、リリ達の知らない女性が声をかけて来た。
 それはもう、十年来の友人であるかのように馴れ馴れしく。

「オークちゃん、本当かい? それは、ほんっとーに助かるなぁ! わざわざ真っ昼間に、うるさいギルドに来た甲斐があったってもんだよ、いやー私はホントーに運がいい! っな、そう思うだろ君たちも」

 近づくだけでエールの匂いと薬草の匂いを漂わせている、馴れ馴れしい女性。

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8話、クエスト受注(6)

「おぉい! お前、ハイ・オークだってぇ?」
「「……」」

(面倒なことになってきたなぁ、無視しよ無視)

「なぁんで、この街にいるんだよぉ?」

(マジでだる絡みしてくるじゃん、誰か止めて……)

 リリが気づかれないように周りをチラリと見る。
 ニヤニヤと笑う数人の酔っぱらいの仲間。
 興味なさげな冒険者達。
 頼みの受付嬢も、黙ったままこちらをジッと見つめている。

「ここは天下のドラーテム

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8話、クエスト受注(5)

 リリは、異様な雰囲気に周りを見渡した。
 震えながら隠れる者、睨みつける者、武器を手に取る者までいる。

「お、鬼……」
「まぁ、そうなるよね」

 ラーナは大きくハァーッとため息を吐くと、そう呟いた。
 リリも覚悟はしていたが、想像以上の反応だ。
 

「このっ、バケ……」

 武器を構えた冒険者の一人が、口を開いた瞬間。
 受付からぶっきらぼうに呼びかける声が響く。

「嬢ちゃん!! 用件を

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8話、クエスト受注(4)

「ほえー、ここが冒険者ギルド! 頑丈そうな建物、おっきな扉!」

 リリ達の目の前には重厚な石で出来た無骨と言い方が褒め言葉に思えるような建物。
 三階建てなのだが、一階だけ天井が物凄く高くなっている。
 まるで教会のような、特殊な作りの建物。

「ねぇラーナ、入り口大きすぎない? 行き来している人の4、5倍はあるわよ?」
「巨人族が来るかもしれないからって、大きな扉にしてるみたいだよ? ボクは巨

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8話、クエスト受注(2)

 門の入り口で、恐らく犬人族であろう衛兵に質問をされた。

「観光か? 商売か? 通行か?」

(本物の獣人さんじゃん! ゴールデンレトリーバーみたいー、大きいしモッフモフ!)

 リリは心の中で勝手にこの衛兵をゴールデンさんと呼ぶことにした。
 ラーナの1.5倍ぐらいはあるであろう体躯、整えられたモフモフ。
 触りたい気持ちをぐっと抑え、リリは慣れた旅人を装い、なるべく元気に話しだした。

「観

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