Ayakawa_Suzuka

毎週の月曜、木曜に更新予定! 『異世界キャンプ ~チートはなくても美味しいものがあれば…

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毎週の月曜、木曜に更新予定! 『異世界キャンプ ~チートはなくても美味しいものがあれば充分です~』 こちらを書いている【綾川 鈴鹿】です。 初めてのライトノベル投稿なので緊張してますが優しい目で見ていただけると嬉しいです。

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  • 異世界キャンプ チートはなくても美味しいものがあれば充分です

    「モンスターしか食べるものがないんだけど!」  ピクシーのリリは叫ぶ! 川雲百合、リリが人だった頃の名前だ。 ある日の仕事終わり、急に目の前がフッと真っ暗になると、魔道士に目的も世界観も何一つ説明さされずに、転移させられた 飛ばされた場所は、水も食料もない砂漠!? しかも体の小さな、ピクシーになってるじゃない!!  絶望的な状況のなか百合は空腹に倒れ死にかけている少女を見つけた。 少女の名は[ラーナ]ハイ・オークの旅人だ、亡くなった母の日記を元に旅をしているらしい、運命を感じた百合はラーナと共に旅をする 目的はラーナのお手伝い、そして楽しい旅! 美味しい物を食べ、ファンタジーの綺麗な景色を見てみたい!  凸凹コンビはモンスターを狩り、理不尽なファンタジーの世界を、楽しく明るく旅をする。 ※この作品は、異世界ファンタジーシェアワールド『テラドラコニス』の世界観を元に書かれています※

  • 異世界キャンプ 分冊 16-18話

  • 異世界キャンプ 分冊 13-15話

  • 異世界キャンプ 10-12話

  • 異世界キャンプ 分冊 7-9話

最近の記事

18話、サウエム荒原(8)

「どうしたのラーナ?」 「ん? おはよう、リリ」 「朝に体を動かすでもなく、食べるわけでもないラーナを見るのは珍しいわね」 「酷いなぁ、ボクでもトレーニングをサボったり、食欲のない日はあるってことだよ」 静かに表情を変えずに答えるラーナ。  リリはその横顔を見て、何か心配事があるのかと不安に思った。 「それは本格的に珍しいわ、雪でも降るのかしら?」 そう笑いながら、からかうリリ。 「リリがこんな朝早く起きるよりは、珍しくないと思うけどね」 ラーナは悪い笑顔を浮かべ、

    • 18話、サウエム荒原(7)

      巨大ナマズが砂漠から飛び出るという、びっくりな出来事から一昼夜。  その朝は珍しいことに、リリは朝早くに目を覚ました。 「ふぁぁーー!」 両手を伸ばし、身体と羽根のコリを取っていく。  羽根が凝り固まるのかは分からないが、リリは凝っていると勝手に感じている。  寝静まった馬車の荷台を眺めていると、少しづつ意識が夢から戻ってきた。 ザ――――――。 (……相変わらず雨は降ってるみたいね、というか) 「クリスタって普通に寝るの?」 ここまでの道中で分かったことだが、メ

      • 18話、サウエム荒原(6)

        そこには二匹のサンドワーム、そしてデザートフィッシュの大群。  デザートフィッシュは逃げ場をなくした魚のように中心へと集まっている。 「うわー、もう入れ食いじゃない、二匹もいると凄いわね」 「しかも、あれは珍しく番じゃあないか!」 「サンドワームって雌雄の区別付くの?」 「もちろんさっ」 「この距離でわかるようなが特徴あるの!?」 「まぁね、歯の並びが違うんのさっ」 (……まったくわからんわ!) リリには区別が付かない。  そこは、ソフィアは流石に錬金術師、研究者といっ

        • 18話、サウエム荒原(5)

          「く、腐る……クリスタは腐るのですか」 「あーなるほどねぇ、それで私に聞いてきたのか」 イヴァの話しを聞いたクリスタは青ざめ、ソフィアは納得したような反応をした。 「魔法で腐りにくくなっとるとはいえ、所詮ほ死人じゃからなぁ、長期間持たせるなら、なにかせんといかん」 「イヴァ! そんな重要な事、早く言いなさいよ! 急いで対処しないといけないことじゃないの?」 アワアワと飛び回りながら、リリが叫ぶ。 「そんなことを言ってものぉ、ここに来るまで、そんな空気じゃなかっただろう

        18話、サウエム荒原(8)

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        • 異世界キャンプ 分冊 16-18話
          17本
        • 異世界キャンプ チートはなくても美味しいものがあれば充分です
          114本
        • 異世界キャンプ 分冊 13-15話
          21本
        • 異世界キャンプ 10-12話
          18本
        • 異世界キャンプ 分冊 7-9話
          24本
        • 異世界キャンプ 分冊 4-6話
          18本

        記事

          18話、サウエム荒原(4)

          「クリスタは知っています、城の誰よりも早く起きては剣の稽古をし、夜は誰よりも遅くまで帝王学に励む努力家であることを」 「努力なんてしてないわ、わたくしは天才なのよ!」 クラウディアの言葉をクリスタは無視して言う。 「どんなに辛いことがあっても、領民や私たち平民の前では笑顔で市政に立つ我慢強い一面をもっていることを知っています」 「そ、そんなことないですわ」 その言葉を聞き、クラウディアは恥ずかしそうに俯く。 「クリスタはずーっとクラウディアお嬢様の後ろから見てきました

          18話、サウエム荒原(4)

          18話、サウエム荒原(2)

          「おーっと、そこに見えるのはアンじゃあないか!」 「ソフィーか?」 「まさか本当に生きて帰ってきたとは驚きだねっ、リリちゃんは無事に助けられたのかいっ?」 手を振り一行に近づいてくるソフィア。  遠目にも大きな鞄を背負い、左手にはアタッシュケースのような鞄を持っている。 「ソフィー……その言い草はないだろう、全くアンタってやつは」 「もちろん生きて帰るって、信じていたさー」 軽薄な口調で言うソフィアに、アンは慣れた様子で返答を続けた。 「まぁいい、アンタは昔からずっと

          18話、サウエム荒原(2)

          18話、サウエム荒原(3)

          「王都ですか、となると……」 クリスタはラーナとイヴァと一緒に馬車の奥にいる。  人目につかないよう顔までローブに包み、聞き耳を立てている。 「とりあえず確認なんだけど、わたし達はもう入れないってことでいいの?」 リリが諦めたように聞くと、ソフィアもさらっと答えた。 「だろうねぇ、それどころかラーナちゃんについては王都に向かうのも厳しい、むしろやめるべきだと私は思うねっ」 「行くのもダメなの?」 「戦争は終結したのだとしても、戦禍の癒えていない対戦国の王都に一人で行く

          18話、サウエム荒原(3)

          18話、サウエム荒原(1)

          ザーーーーー バケツをひっくり返したような雨がとめどなく降り、滝の下にいるかのように真っ白になった荒原。  その様をカルラ・オアシスから南にそれた岩の上、街並みがギリキリ見えるかどうかという郊外で、キャンプを張り益体のない話をしていた。 「ひゃー雨と水蒸気で真っ白!」 「すっごいねぇ」 「それにしても本当にここって枯れた土地ね、この大量の雨水はどこに行ってるの?」 流石は死の荒原、水の足りない大地は、全てを吸収し水溜りの一つも出来ていない。  みるみる水を吸い込む大地を

          18話、サウエム荒原(1)

          17話、激闘とその先(5)

          「まぁ妾はダークエルフの中では若いほうじゃ、人族じゃったらクラウディアと同じ頃のイメージじゃな」 「じゃあ、寿命は1000歳ぐらいってことよね?」 「そんな長生きをする妖精族は、死という概念が薄い、正直妾は生き返って何が悪いのか分からんのじゃ」 「え? どういうこと?」 リリ達には、イヴァの言っている意味が全くもって分からなかった。  しかしイヴァの話しは続く。 「クラウディアよ、人族の一生は80年程度じゃろ?」 「誤差はありますが、80年生きていたら、長生きしている方で

          17話、激闘とその先(5)

          17話、激闘とその先(4)

          「……っ! クリ、スタ? クリスターーーーー!!」 顔をクリスタの体に埋めて、泣き崩れているクラウディア。 (なんて声を掛けたら……) 駆け寄った皆もリリと同様に、何も声をかけられない。  皆が俯き、泣き続けるクラウディア。  しかし直ぐに顔を上げると、その顔は涙をこぼしながらも、貴族然としたクラウディアに戻っていた。 「貴女に命を救われるのは、7歳の頃に暗殺者から救われて以来の二度目ですわね」 優しく小さく呟いたクラウディアは、動かなくなったクリスタへ語りかけた。

          17話、激闘とその先(4)

          17話、激闘とその先(3)

           リリの視線の先で戦う、ラーナ、クリスタ、アン。  皆が攻め手にかけているのか、まだお互いが睨みあっていた。 「嫌になりますね……わりと強めに傷をつけたと思うのですが……」 クリスタが付けた傷も数十か所はあるのだが、擦り傷程度で血の一滴もでていない。 「あたしの大剣を特に警戒してるみたいだな」 「そうですね、弱る気配が見えません」 「軽いダメージは気にしないくせに、致命傷になりそうな物だけは確実に避けやがる」 隙きを見て、アンも斬りかかってはいるが、歯や足で止められる

          17話、激闘とその先(3)

          17話、激闘とその先(2)

          【魔力満点サムゲタン】 「イヴァ!」 「なんじゃ?」 「燻製肉、ジンジャー、クルミ、大麦、ネギ、マンドラゴラを出してちょうだい」 「ほれ、ほれ、ほれ」 リリの言葉に合わせて、アイテムボックスから次々と食材を出すイヴァ。 「あと、なにか魔力が戻りそうなものは入ってる?」 「魔力のある食材……んーそうじゃのぉ、ファイヤーリーフならどうじゃ?」 「ファイヤーリーフ?」 「ほれ、ラーナが持っておったであろう?」 「あールベンダでよくとれるってやつよね」 (地球では聞いたことな

          17話、激闘とその先(2)

          17話、激闘とその先(1)

          デザートプレデターと出会ってから半日ほど経っただろうか?  馬車で逃げ、死闘を尽くし、ギルドの討伐隊までが手助けをしてくれた。  それでも残りの一体は、まだリリたちの目の前で、ウロウロとしている。 「流石に、この一体はあたし達でやるしかないか」 アンが大盾を置きロングソードを両手で構える 「ごめんなさい、わたしがもう少し人を呼べたら良かったんだけど……」 申し訳無さそうに俯くリリ。  クリスタはナイフを改めて握り直すと淡々と話し出した。 「いえっリリ様は充分に仕事を

          17話、激闘とその先(1)

          16話、デザートプレデター(4)

          「嬢ちゃん達、投げナイフは残ってるか?」 アンがラーナとクリスタに大声で問いかけた 「ボクはあと3本!」 「私は2本です」 二人の切迫した声色から、先程よりもジリジリと追い詰められてるのを感じる。  散々攻撃をしているにも関わらず、デザートプレデターの頭数が減っていないからだ。 「そろそろ手詰まりか……」 「投げナイフだけじゃ厳しそう、上手いこと入れ替わって突撃してくるし」 アンの呟きにラーナが答えた。 「ラーナの嬢ちゃんがいるし、一体ぐらいはやれるかと思ってたん

          16話、デザートプレデター(4)

          16話、デザートプレデター(3)

          (急げ急げ急げ急げ) リリは空を飛び回り、キョロキョロと空から周りを見下ろしていた。  焦れば焦るほど視界が狭くなるのを感じる。 「まだ、まだみんなは大丈夫よね……」 人どころか動物すら見当たらない、広大な荒野で探しものなど無茶であることは分かっていた。  時間感覚もとっくに狂っている、リリにとって永遠かとも思えるほどの時間を飛び回りながら荒野をくまなく探す 「……っあ!! いたー!!」 現在進行系でデザートプレデターと、亜人が十人ほどのパーティーが戦っていた。  

          16話、デザートプレデター(3)

          16話、デザートプレデター(2)

          「くそっジジィ達、しくじりやがったな」 ギルドでのやり取りを思い出し、アンはボヤくと馬車に飛びついてきたデザートプレデターをけん制し、オリャ! っと声を上げ大盾を大きく振り回す。  ガゴンッと鈍い大きな音を立て、デザートプレデターは後方へと弾き飛ばされた。 「アン様、見事です」 横に控えていたクリスタはすぐさまナイフを投げる、それは見事に首元へと刺さる。  しかしデザートプレデターは何事もなかったかのように着地をし、また馬車を追いかけ出した。 「アレ……刺さってるわよ

          16話、デザートプレデター(2)