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カシミール旅行記⑦「イスラーム文化を楽しむ」

今年の3月にインドのカシミール地方に旅行に行った時の記録…

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カシミール旅6日目。

この日は友人と友人のインド人旦那Pさんと近郊の街Pahalgamに行く予定だったのだが、Pさんがまさかの発熱。

一人で行くかどうか迷ったのだが、今日はあいにく朝から雨が降っていて、雄大な自然を楽しむPahalgamに行くのにはあまり適した天候でないこと。
また、手配したドライバーが私が途中どうしても行きたい場所に寄ってほしいと要望を出したのだが、そこに行くのをどうやら拒否しているということで、Pahalgamに行くのは天気の良い明日に延期&違うドライバーを再度探してみることにした。

今日でハウスボートの宿泊は終わりのため、チェックアウトまでゆっくりボートを堪能することに。

朝の静かなナギン湖と朝食のカシミールブレッド。

ハウスボートのリビング全体はこんな感じ。
ここでご飯を食べたり、ゆっくりしたりしていた。
この時期のハウスボートはまだ寒く、左奥のストーブ近くが一番暖かいのでだいたいその近くにずっと座っていた。

ここが船のバルコニー。
寒いけれどこの場所が何より心地よく、カシミールティーのカワを飲みながらゆっくり湖を眺めている時間は最高だった。


予定がキャンセルになったことで、最後のハウスボート滞在をこれでもかというほど堪能できた。

旅には臨機応変さが大事だ。
私は基本、日本の国内旅行も海外旅行も自由旅行だ。
もうプランが決められている団体ツアーには参加できないなぁ…と思う。


午後にハウスボートをチェックアウトした後は、市内のホテルへ。
旅の2日目にみつけたBunsというパンが最高に美味しいカフェから徒歩5分のところにあるホテル"COMRADE INN"に宿泊することにした。

この旅でハウスボートを含めて3つのホテルに宿泊したが、このホテルがフロントの対応が一番良かった。立地も中心街まで徒歩で行けて便利!

ただすべてのホテルに共通して、なんだか少し水が臭かった…。
これはホテルではなくスリナガルの問題なのか…。
長らく観光客がいなかったからパイプ管の水が腐っているとか…?謎である…。


荷物を置いたら早速大好きなBunsのカフェ”Papparoti”に行きランチ。
やはり何度食べても旨い!!

ちなみにこのPapparoti、スリナガル限定のカフェかと思いきや、マレーシア発の全世界展開をするコーヒーチェーンだった!!

世界ではマレーシアをはじめ、中国、ベトナム、クウェート、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、オマーン、インド、インドネシア、パキスタン、ベルギー、アメリカ、カナダ、ドイツ、リトアニア、タンザニア、オーストラリアなどに展開しているらしい!!

残念ながら日本には進出していない…。
日本でも十分ヒットするクオリティなのでどなたか是非日本出店を支援してほしい…(←他人任せ)

インスタ映えもするおしゃれカフェだ🙌


腹ごしらえも済んだところで、今日は昨日に続きスリナガル市内を見て回ることにした。

前回の記事でも少し書いたが、ここカシミールはイスラム教徒が多い地域だ。
そのため今日は観光地としても有名なモスクを訪れてみることにした。

雨が降る中オートリキシャを捕まえ、Shah E Hamdanと呼ばれるモスクへ。


モスクは場所によっては入れないところがあるが、このShah E Hamdanはイスラム教徒でなくても入ることができる。

ただし女性は必ず髪の毛をスカーフや布などで覆うこと。
私は街歩きをする時もそのまま布をまとったまま観光していた。

このモスク、壁の装飾が何とも美しくて見とれる。

色々なところを旅して思うのだが、イスラームの建築物は非常に美しいものが多い。

とても細かい細工が施されていたり、また布製品の刺繍なども非常に細やかで美しいものが多かったり…
ムスリムの人たちはみんな手先が器用な方が多いのかなーなんて思ったりする。

無事お参りさせていただいた後、モスク周辺を歩いてみることにした。

実はモスクに向かう際、オートリキシャから外を眺めていたら、ローカルな素敵なお店がたくさん並んでおり、特に沢山の美味しそうなパン屋さんが目についたのだ。

全部美味しそうだし、カワイイ❤

私は誰がこんなに食べるんだ!!というくらい色々なパン屋さんで様々なパンたちを買いまくった。

こちらのパンは魚の形らしい🐟めちゃカワ😍

このパン屋さんでも爆買いしていると、店主のおじさんが、私に興味を持ってくれ、どこ出身だ?チャイ飲むか?と尋ねてきてくれた。

お言葉に甘えてチャイをいただくことに!!
わざわざ椅子まで出してくれ、さらにお茶のお供にカシミールブレッドまでくれた。

このチャイがとてもおもしろい味で、飲むとしょっぱいのである。
色も少しピンク色だ。
昔チベットタウンで飲んだバター茶みたいな味!!

カシミール通の友人に聞くとこれはカシミール独自の塩チャイ、ヌンチャイというものらしい!

確かに寒い地域は塩分を欲するのかも!!
岩手県にある祖母の家ではなにかとしょっぱい味付けの料理が多いしな。

ちなみにこのヌンチャイ、けっこうな塩味のミルクティーなので好き嫌いは分かれる味だ。
せっかくいただいたのでこの時は美味しくいただいたが、1杯でもう十分かなという感じだった(笑)

でもこういう文化交流が何よりも嬉しくて楽しい!!
お供でいただいたカシミールブレッドはプレッツェルのような食感でとても美味しかった。

ちなみにこのヌンチャイ、スリナガルのスーパーにも普通に売っていた!!
それくらい本当にポピュラーな飲み物なんだな。
その土地独自の食文化って本当におもしろい!



さて、食べてばかりではあるが、この日の夜ご飯はカシミールでしか食べられないという料理を食べに行くことにした。

ヌンチャイについても教えてくれた廣瀬さんがオススメしてくれた🙌
なんとデリーでも食べられないというカシミールケバブ「ツッジー」!!

期待に胸が膨らむ…。
オートリキシャに乗って教えてもらった場所に行くと、だんだんとめちゃくちゃいい匂いが漂ってきた…

それもそのはず、道の両脇には煙をもくもくとさせたたくさんのケバブ屋さんがあったのだ!!

(煙を伝えたくてGIFにした。)


実はこの素敵な髭のおじさんが焼いているものこそがまさしくツッジーらい!!

写真を見ているだけであの時の香ばしくジューシーな美味しい匂いがよみがえってくる…。

私がおじさんに「ツッジーを食べたい」と伝えると、上の階にイートインのスペースがあるようで案内してくれた。

ちなみにここも結構なローカルエリアで、上のイートインスペースに上がるとムスリムの渋イケメンのおじさま客達が沢山いて、東アジア人女性の私が1人で入ってきたことに少しびっくりした顔でいた。

しかしこちらがニッコリとし「ツッジーが食べたくて…」と伝えると、みな一様に嬉しそうにニコリとしてくれ、どこから来たのか?と尋ねてくれたり、ツッジーの食べ方などを教えてくれたりした。

さて、注文してほどなくしてやってきた…
こちらが焼きたて!出来立てのツッジーだ。

薄いパンとチャトニが付く。

ちょっと見た目ではわからないかもしれないが、これめちゃくちゃ最高にうまかった!!
まるで牛肉のステーキを食べているようにジューシーなお肉!!
羊肉なのだが肉の臭みは全くなく、そしてインド料理にありがちな辛さやマサラ感も全くない。
脂の甘みもあり、本当に美味しいステーキなのだ!!

この時は昼からパンやらなにやらを食べまくりすぎて2本しか食べれなかったのだが、そのうまさに感動し、私はプラス2本を持ち帰り用で注文した。
お腹が減ったらまた食べる用だ。
お腹がイケるなら無限に食べたい!!
それくらいうまかった。


この旅で食べたカシミール料理は全部とても美味しかったのだが、ナンバーワンを決めるのであれば間違いなくこのツッジーだ!!

デリーで食べられないなんて悲しすぎる…。


ちなみにここの注文係の兄ちゃんが日本人の私に興味津々で、途中から日本語教えてくれ!!と言ってメモ帳とペンを持ち出し、仕事そっちのけで色々質問してきた。笑

昼にチャイをごちそうしてくれたおじさんもそうだが、ここの店員のおじさんも、お客さんもみんな優しかった。

私はこれまでイスラム教の国や地域も他にも旅行をしてきた。
マレーシア、インドネシア、バングラデシュ、インド国内だとハイデラバード、そしてここカシミール。

そのすべての国で出会うムスリムの人たちは皆とてもやさしくてとても親切だった。

もちろん他の宗教の人たちも基本的には会う人皆親切な人が多かったけれど、なんだろう…ムスリムの人たちは本当に温かくて、包み込むような優しさを持った方が多い気がする。

少し調べたら、ムスリムの人たちは巡礼で旅に出る人が多く、そのためコーランに“旅行者に親切にせよ“という教えが書かれているらしい。

ここインドはヒンドゥー教徒が多い国で、隣国パキスタンとの争いがあるため人によってはイスラム教徒を毛嫌いする人も実は沢山いる。
私は日本人だから立場が違うという部分もあるけれど、こうやってカシミールのムスリムの人たちのたくさんの優しさや温かさに触れ、たくさんの素敵な文化に触れることができ本当に幸せな気持ちになった。


この日はお腹も心もいっぱいで眠りについた。

雨上がりの夕焼けも美しい。


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