【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】母の日とカーネーションのヒミツ
千葉市内、千葉駅すぐ、女性と子ども専門鍼灸院『鍼灸 あやかざり』です。いつも【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】の記事をお読みいただき、ありがとうございます。
今日5月14日は「母の日」ですね。
街中にはカーネーションを中心にした花束があふれています。
では、母の日になぜカーネーションなのか?ご存知でしょうか??
今回は『母の日とカーネーションのヒミツ』として、東洋医学的にみた性質、効能などを含め、カーネーションにまつわる様々なお話をご紹介していきます。
それでは、どうぞ最後まで、お楽しみください!!
1.母の日のはじまり
5月の第2日曜日は母の日ですね。
子どもから母親に、カーネーションの花にプレゼントやメッセージを添えて感謝の気持ちを送る日として、すっかり定着しています。
母の日のはじまりには諸説ありますが、そのひとつに、1907年5月12日にアメリカのフィラデルフィアで、ひとりの女性が母親の追悼式に際し、母が好んだ白いカーネーションをひと箱捧げたことから始まった、というエピソードがあります。
このエピソードにもとづき、アメリカでは1914年にW.ウィルソン大統領が5月の第2日曜日を祝日として定めました。
母が存命の人は赤いカーネーションを,母を亡くした人は白いカーネーションを胸に飾るようになり、それがやがてカーネーションを贈る風習へと変化したそうです。
日本に伝わったのは明治末期の頃ですが、広く知られるようになったのは昭和初めの頃といわれています。
当時の皇后誕生日にあたる3月6日を母の日としたことに始まり、現在のような習慣となりました。
アメリカや日本だけでなく、海外の多くの国々にも、母の日を祝う習慣がいろいろあります。
カナダ、デンマーク、ベルギー、イタリア、オーストラリア、ドイツ、フィンランド、トルコ、中国なども、5月第2日曜日を母の日にしていますし、
イギリスはイースターの2週間前の日曜日が、母の日です。
国や文化が違っても、母への感謝の気持ちを大切にする、というのが共通していることがわかり、なんだか心がおだやかにホッとさせられます。
それぞれの国での母の日の風習に関しては、インターネット上に多くの情報が出ていますので、興味をお持ちになられたらぜひ調べてみて下さい。
2.カーネーションの歴史
カーネーションは春の花、母の日の花として広く知られていますが、実は、ナデシコ科に属する多年草のひとつであり、秋の七草の一つであるナデシコと同じ仲間とされています。
原種の和名はオランダナデシコまたはオランダセキチクといいます。
原産地は地中海沿岸で、17世紀にはすでに、イギリスやオランダで園芸愛好家達によって300種以上の品種が栽培されていたようです。
その後も品種改良が重ねられ、現在では約3,000種類になっています。
そのうち、日本で流通しているのは約1,000種類ともいわれています。
日本に伝わったのは江戸時代初期以前のようで、江戸時代の書物「地錦抄録」には徳川家康の時代にオランダからカーネーションが伝来したと書かれているそうです。
3.カーネーションの色と花言葉
カーネーションの原種は鮮赤色で、本来、カーネーションには青色色素がありません。
現在見かける青系のカーネーションは、品種改良の過程で、ペチュニアやビオラなどの花が持つ青色色素をつくる遺伝子を組み込んだものです。
真っ赤なカーネーションもきれいですが、色とりどりのカーネーションを組み合わせることで、イメージに合った花束が作れますね。
カーネーションには色ごとの花言葉がありますので、花束に込める思いに合わせて色を選んでみても楽しいと思います。
【カーネーションの花言葉】
●赤 : 母への愛、熱烈な愛、愛を信じる
●白色 : 純粋な愛、尊敬、私の愛は生きています
●ピンク : 上品・気品、温かい心、感謝、熱愛、美しい仕草
●オレンジ : 純粋な愛、清らかな慕情、あなたを愛します
●黄色 : 友情、美
●紫 : 誇り、気品
●緑 : 癒し、純粋な愛情
●青 : 永遠の幸福
品種によっては、花が複数の色を持つものもあります。
珍しいものとしては、虹色の花びらを持つレインボーカーネーションと呼ばれるものもあります。
その花言葉は「感謝」。
個性的なカーネーションで日ごろの気持ちを伝えてみるのもいいですね。
4.ナデシコと東洋医学
カーネーションの原種オランダナデシコは、ヨーロッパでは古くからブドウ酒や料理、香水の原料や薬草として用いられてきました。
現代では観賞用が主ですが、一部では、食用花やお茶やアロマオイルなどの香りの原料として、使用されているものもあります。
一方、東洋医学では、カワラナデシコが漢方として使われています。
カワラナデシコは秋の七草として知られているナデシコのことです。
平安時代に中国原産のセキチクが日本に伝来しました。
それをカラナデシコと呼ぶのに対して、在来種のカワラナデシコを「ヤマトナデシコ」と呼ぶようになりました。
「ヤマトナデシコ」といえば、日本人女性の美しさをたたえる表現として使われます。
カワラナデシコの花と日本人女性、清楚な美しさがどこか似ているのかもしれませんね。
カワラナデシコは、中国名を瞿麦(くばく)と言いますが、同じナデシコ科のセキチクのことも指しています。
瞿麦の東洋医学的な性質、効能は次のとおりです。
【性質と味】 苦、寒(辛、無毒)
【関連する臓腑経絡】 心・肝・小腸・膀胱経(心・小腸)
①清熱利湿:排尿困難、排尿痛、むくみを改善します。
②活血通経:月経不順に効果があります。
また、外用の効能として、できものやはれもの、ジュクジュクした化膿を伴う炎症など、各種の皮膚の病気に効果があるとされています。
5.千葉とカーネーション
筆者の鍼灸院『鍼灸 あやかざり』は千葉市内千葉駅近くに所在しています。
千葉県は農業が盛んな土地であるということは他の記事でもご紹介をしてきましたが、千葉市の周辺地域では、花々の生育と生産も盛んに行われています。
カーネーションの栽培は、南房総市、鋸南町、鴨川市、香取市などが中心で、1990年(平成2年)には出荷量が全国第3位となっています。
また、成田空港に近い芝山町の「サントリーフラワーズ」作業場では、母の日に向けた青いカーネーション ムーンダストの出荷作業が行われます。
ムーンダストはサントリーフラワーズが開発した品種で、南米のコロンビアやエクアドルで栽培されたものを空輸して、日本で販売しているそうです。
これが、ムーンダストです、本当にきれいな青色をしていますね!!
青いカーネーションの花言葉は「永遠の幸福」。
メーテルリンクの代表作『青い鳥』では、青い鳥が幸せを呼ぶ鳥として描かれているように、青いカーネーションも幸福を呼ぶ花になるかもしれませんね💛
6.おまけ
最後に、カーネーションを長持ちさせる、とっておきのヒミツをひとつ!
それは、『水切り』を行うことです。
花束をもらったら、花瓶に生ける前に、たっぷりの水をはったバケツやボールに、ラッピングをはずしてからザブンと入れておきます。
しばらく放置したら、水に浸した状態のままで、切れ味のよいハサミ(できれば花バサミがよい)を使用して、茎の根本を斜めにサクッときって下さい。
こうすることで、一気に水が吸い上げられるため、カーネーションがみずみずしく、生き生きとして、つぼみも開花しやすくなります。花瓶にいけた後も、数日に1回は水を入れ替えて、この作業を行うことで、より長持ちさせることができます。
ぜひ、花束を贈った際は、こういった情報をあわせて伝えてあげてくださいね。
最後までお読みいただきありがとうございました。
『母の日とカーネーションのヒミツ』は、お楽しみいただけましたでしょうか?
一年に一度の『母の日』、ぜひ、母への感謝を様々なかたちで伝えてみてはいかがでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
千葉駅5分 完全予約制 女性と子ども専門の鍼灸治療院
千葉県 千葉市中央区新町1−6 ラポール千葉新町202
TEL:070-8525-6132
画像の出典:https://www.photo-ac.com/
参考文献:『東方薬草新書』、『薬用植物辞典』、『ブリタニカ国際大百科事典』、『実用日本語表現辞典』
参考資料:千葉県ホームページ
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?