世界遺産に名前を残したい
皆様こんにちは。
本田拓郎(Takuro Honda)と申します。
この記事へお越しくださいまして、ありがとうございます。
このnoteでは、今現在観光業に就いている私が、私の目線で、「観光・旅行・歴史・文化・教育」について、知識や新たな発見の提供、その他自論を展開し、「勉強になった!」や、「こんな考え方もできるなぁ」という、古代ギリシャでいう「アゴラ」のような場所を目指します。私が勉強していることを皆様とも一緒に学ぶというスタイルで、記事を創っていきます。
世界遺産を勉強していると、一般的に知られていることとはまた別の知識が増えて、とても興味深いですし、もっと知りたいと思って勉強を止めることができなくなります。今回はそんな世界遺産と、それに関わる人物についてのお話をいくつかご紹介します。
拙い文章力と乏しい考察力ではありますが、
最後までお付き合い、お願いいたします。
1.ウルル・カタジュタ国立公園
この名前だけ聞いて何のことかわかる人はそんなに多くないと思います。俗に言う「エアーズ・ロック」を含む、オーストラリア先住民族アボリジニの聖地です。
「ウルル」が、「エアーズ・ロック」を指し、アボリジニの言葉での呼称です。2019年10月25日より、聖地を守り保護する目的で観光客の登頂が禁止されたことでも知られています。世界で2番目に大きな一枚岩としても有名です。
では、「エアーズ・ロック」という名前はどのような由来で付けられたのでしょうか。
エアーズ・ロックを英語で表記すると、"Ayers Rock"となります。「空気」を意味する"air"でないことがわかりますね。これは、エアーズ・ロックが発見された時のサウスオーストラリア植民地総督だったHenry Ayers(ヘンリー・エアーズ)の名前を表しています。
1873年にイギリスの探検家であるWilliam Gosse(ウィリアム・ゴス)がウルルを発見した際に、当時の総督であったエアーズの名前をこの一枚岩に付けたと言われています。
このウルル・カタジュタ国立公園は、オーストラリア政府とアボリジニのアナング族との間で領有対立が続いていましたが、現在はアナング族から政府が借り入れているという状況なのはあまり知られていないと思います。それも2084年まで。観光客制限された今、その土地の意味をしっかりと理解し、正しい保全方法を考える機会にすべきではないでしょうか。
2.サガルマータ国立公園
これもまた、この名前だけ聞いて何のことかわかる人はそんなに多くないと思います。世界最高峰の「エヴェレスト」を含む国立公園を指します。
「サガルマータ」というのは、ネパール語で「世界の頂上」を意味しています。世界遺産もネパール政府が申請したため、この名前でリストに登録されることになりました。もう1つの別名として「チョモランマ」というのもありますね。こちらは、ネパールと反対の麓にあるチベットの言葉で「世界の母神」を意味しています。
では、一般的な英語名である「エヴェレスト」という名前はどのような由来で付けられたのでしょうか。
この名前は、エヴェレストを世界最高峰であると発見した、George Everest(ジョージ・エヴェレスト)という人物の名前が由来となっています。彼はイギリス出身で、当時植民地支配していたインドの測量局長官を務めた人物です。
しかし、彼の在任中に名前が付けられたわけではありませんでした。彼が世界最高峰を発見した当時は、"PeakXV"という仮称が付けられていました。現地での呼称等の調査を行っていましたが、結局わからず仕舞いでした。そして1852年に、後任の測量局長官のAndrew Scott Waugh(アンドリュー・スコット・ウォー)が、エヴェレストの功績を称え、彼の名前を命名しました。
エヴェレストが世界遺産になっている理由は、世界最高峰だからではなく、大陸移動説を証明できる地形だからです。山頂付近からは、アンモナイトやウミユリといった、海洋生物の化石も発見されています。
3.タージ・マハル
タージ・マハルは超有名な世界遺産ですね。「インドの世界遺産といえば?」って聞かれると、いの一番に出てくるものではないでしょうか。
タージ・マハルを宮殿と思っている方が多いようですが、実は違います。まぁ、建物の形が圧倒的宮殿感ありますからね。でも、タージ・マハルはお墓です。
では、誰のお墓なのでしょうか。
かつてインドは、イスラム教系のムガル帝国という王朝が支配していた時代がありました。その5代皇帝のシャー・ジャハンの妃であった、ムムターズ・マハルのお墓なのです。
この皇帝夫婦は非常に愛し合っていたことで知られています。マハルが亡くなった時、シャー・ジャハンは深く悲しみ、帝国民へ2年間喪に服すように命じるほど。そして、タージ・マハルの建設を始めるのです。
しかし、息子たちの間で、皇位継承争いが起こると、後継者に指名していた長男ではなく、三男のアウラングゼーブが皇位を継承することになります。このアウラングゼーブ、とんでもない奴で、兄弟を皆殺しにし、父であるシャー・ジャハンを捕らえ、幽閉します。しかし、シャー・ジャハンは幽閉について承諾しましたが、1つだけ条件を付けました。
「タージ・マハルが見える場所にしてほしい」
シャー・ジャハンは幽閉先で生涯を終えますが、きっと、彼の最期も、妻のムムターズ・マハルがそっとそばに寄り添っていたのでしょう。
4.何気ない学びの大切さ
普段何気なく使っているものや、住んでいる場所には、色々な物語や歴史が詰め込まれています。
私は10月から12月の3か月間、大阪府四條畷市の営業所に勤務していました。JRの駅から営業所までバスで通勤していたのですが、その間に四條畷神社や、楠公という地名があり、「この神社は何という神様を祀っているのだろうか」と疑問を持ち調べてみると、楠木正行という人物を祀っていることがわかりました。
この人物、楠木正成の息子で、父とともに南朝の将として戦っていた、室町時代初期の武将でした。彼が戦死した四條畷の戦いがこの地で起こり、彼を祀るために神社が建てられ、その周辺には、彼の名が付けられた地名が存在するんだと、1つの疑問の答えがいくつもの知識に繋がって、とても快感だったなと覚えています。
まぁ、私が結構変な奴なので、そういう現象を楽しいと思えるんですが、実際、学びってそういうことだと思うんですよね。 1つわかれば、付随して色んなことがわかってくるものなんですよ。
だから、普段ボヤっと生きてても良いですけど、「何でこうなるの?」とか、「これって本当かな?」ってアンテナ張り巡らせて、色んなことを勉強して吸収していけば、自ずと力は付くと思いますよ。学生においても、社会人においても。
それが人類初の気付きとか、発見かもしれないじゃないですか。そうすると、それに自分の名前が付いて、将来的に世界遺産として名前が残るかもしれませんよ。エアーズやエヴェレストやマハルみたいに。
今回も最後まで読んでくださいまして、誠にありがとうございます。
また次回お会いしましょう。
Ciao...
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