Entue

音楽サークル Aula Fonsで活動しています。 DTM歴は15年ほど(ガチり始めて…

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音楽サークル Aula Fonsで活動しています。 DTM歴は15年ほど(ガチり始めてからは10年くらい)。 もっぱらゲーム音楽のインストアレンジを制作してます。 自由な編曲スタイルに定評があったりなかったり。 “Entueにしか出せない音”をモットーに邁進中。

最近の記事

ミックスってどうやったらいいの⑥

今回はスネアに絞ってTIPSを書いていきます。 この楽器、私はミックスにおいて最難関だと思っています。 様々な処理が必要なので、如何せん長い道のりになりますが…… 今回も張り切ってまいりましょう。 ※大前提として、スネアは音源(ジャンル)ごとに  音に含まれる主要成分がてんでバラバラです。  ゆえにこの記事では“汎用処理”についての  見解を述べますので、あらかじめご了承ください。 ―――――――――――――――――――――――――――――――― 最初にやるべきはバスド

    • アレンジの話⑥

      前回の「アレンジの話⑤」までの間に メロディ   (パン:Center) ベース    (パン:Center) オブリガート1(パン:L80) オブリガート2(パン:R80) 上記4パートができました。ここで重要となるのは、 オブリガート1と2の立ち位置。 彼らは左右で“独立した声部”として機能し、 楽曲の幅を広げる役割を持ったパートです。 よって実をいいますと、メロディとの掛け合いを意識した “相互作用を意識した声部”とは違う枠だったりします。 以下のようなイメージを

      • ミックスってどうやったらいいの⑤

        前回の記事でキック・ベース・メロディ楽器の パラミックスおよび2MIXが終わりました。 ちなみにメロディ楽器に対する補足ですが リバーブに関しては、パラミックス完了後 「音量が適切なのに浮いている」場合のみ 一番最後にショートタイプを差すようにしてください。 ――――――――――――――――――――――――― ■ピアノ どの程度の量を打ち込んでいるかにもよりますが ここでは伴奏と呼べるくらい、1トラック内で 低~高音域までカバーしていると想定します。 現在、パラの段

        • ミックスってどうやったらいいの①~②の補足(パンニングとEQの話)

          直近で作業を進めている最中に 過去記事の内容が不十分だなと感じる機会が多かったので 本稿にて加筆させていただきたいと思います。 まず①で扱った音源のパン問題ですが、元記事では Boz Digital LabsのPan Knobを使用することで 特定の周波数にフォーカスして解決するのがオススメです! ……といった趣旨の結論を書きました。 これについて、ちょっとややこしい補足をします。 ドレミファソラシド ↑ ↑ ↑ たとえば上

        ミックスってどうやったらいいの⑥

          フラットな音とは何か

          唐突ですが、私は貧乏人なので 家に防音設備なんかありませんし もちろんスタジオを借りる余裕もありません。 加えて近隣住民の皆様にご迷惑を おかけするわけにもまいりませんから、 もっぱら“スピーカーを使用できない環境”で DTMをやってきた所存です。 これは今も昔も、ずっと変わっていません。 ※一応、モニタースピーカーは買ったことがあります。  でも結局、それを活かせるような部屋(広さ・配置)に  住んでいないということで、現在はTV用のスピーカーとして  持ち腐れています

          フラットな音とは何か

          ミックスってどうやったらいいの④

          最初に、現在のDAW状況を整理しておきましょう。 ◇マスタートラックに仮の音圧上げプラグインがささっている →平均音量-3db~0db以内で編曲・ミックスを同時進行中です  なおこのプラグインは後ほどバイパスするため  便宜上さしているだけの状態です ◇各トラック(バウンス前)にEQとコンプがささっている →EQは“削り方向”のみ処理済み、コンプレッサーは  音色ごとに値を調整して波形の凹凸を減らしています ◇音源内、またはプラグイン内で音色の音量を適正化している

          ミックスってどうやったらいいの④

          アレンジの話⑤

          前回までの記事でメロディとベースが確定しました。 普通はここからコード(和音)を決めていくと思います。 しかし、本技法ではその手順を踏みません。理由は 「対旋律・オブリガートが動きづらくなるから」です。 確かにコードが決まれば楽曲の雰囲気と流れが明確化し、 その後の作業が楽になるのは間違いありません。 が、その代償として主旋律以外の“印象的なフレーズ”を 随所に散りばめるのが難しくなるのです。 なぜなら“印象的なフレーズ”というのは 制約の少ない、自由な状態でこそ生まれや

          アレンジの話⑤

          ミックスってどうやったらいいの③

          現在、音源ごとのパン問題が解決したうえで マスタートラックに仮の音圧上げプラグイン、 個々のトラックにはコンプとEQがささっている状態です。 次に考えるべきは、楽器の配置。 すなわちパンニング作業の第二ステージですね、 何か特別なこだわりがない限り、 各種楽器の配置は以下が基本となります。 ※よく使われる楽器以外は役割で表記。 ◇MID (中央寄り) ベース バスドラム・スネア アンサンブル・コーラス・PAD系 メインメロディ(ユニゾン・ハモ) ◇SIDE (左右寄

          ミックスってどうやったらいいの③

          ミックスってどうやったらいいの②

          ※今回は前に書いた“音源のパン問題”が解決済みの前提で  お話が進んでいきますので、予めご了承ください。 ―――――――――――――――――――――――――――― ミックスと一口に言いましても、以下の3段階があります。 1段階目:トラックの個別処理(パラミックス) 2段階目:全体の処理(2MIX) 3段階目:マスタリング これからそれぞれの段階について、 特にオーディオインターフェースや モニタースピーカーなどを使わずに (そこにお金かけなくてもDTMは成立します)

          ミックスってどうやったらいいの②

          アレンジの話④

          前回は“良い方向に進んでいけるような技法”というのを 最後に仄めかして締めくくりましたので、 さっそく言及していこうと思います。 まず、最初に原曲のメロディを書きます。 次にベースを足します(コード進行に合わせルートのみ)。 ここまでは『アレンジの話②』と同じ内容ですね。 が、この後の手順が異なります。 今回は第1段階として、次の内容をご紹介いたします。 ■ベースを歌わせる まだ楽曲に2音だけしかないこの段階で、ベースアレンジを始めます。 あらかじめ打っておいた各小節の

          アレンジの話④

          音源のこと②

          無料音源につきましては、少し調べれば 有益な情報がたくさん出てくると思うので割愛します。 まあ、本当は現役で使ってるサウンドフォントとか 紹介したいのですけれど、どれも10年前くらい入手したもので リネームもしちゃってるので……正直出処を覚えていません(謝罪) というわけで有料音源の話題でいきます。 例によって音源は“加工前提”であり、 演奏方法が多彩か、入力がしやすいか、表情が豊かか の三点が選ぶ際のポイントになります。 そこを踏まえ、楽器ごとのオススメ、というよりも 私

          音源のこと②

          アレンジの話③

          前回、編曲を始める際にピアノから着手する場合の 手順やメリットついて言及しました。 その途中で“大きな短所”があると書きましたので、 今回はそこから切り込んでまいります。 まず、同じピアノロール内で全ての音が俯瞰できると より音楽的なアプローチが可能になると説明しましたが、 これは裏を返せば、声部を意識した クラシカルな編曲には不向きということです。 とりわけオーケストラみたく、横の流れ、 全体の響きを重んじる和声的なアレンジにおいては かなり不利に働くので、避けた方が無

          アレンジの話③

          アレンジの話②

          イラストでいうところの“線画”のような感じで、 私はアレンジをする際に 最初ピアノで下書きをつくる場合が多いです。 なぜピアノなのかといいますと ・楽器の中で最も音域が広く、これ単体で低~高音域まで書ける ・↑ゆえに曲の雰囲気・方向性を決定しやすい ・書いてる最中は他のことを考えなくていい(集中できる) 上記三点が大きい理由ですね。 楽器やトラックを分けて、それぞれを行ったり来たりしながら ああでもない、こうでもないと声部を意識して書くよりも 同じピアノロール内ですべ

          アレンジの話②

          メロディについて②

          優れたメロディとは何か。 私なりの見解を示しますと、以下の3点があるかがポイントです。 1.印象に残る(ふとした時に鼻歌になる)フレーズ 2.起承転結 3.他の音に引き立ててもらうための余白 1については、誰もが目指しているところだと思います。 ではそのようなフレーズを書くために 作曲家は何をするべきでしょうか? これ、意外と難しく考える必要はありません。 答えはずばり、“実際に口ずさんでみること”です。 ハミングでも母音でもいいので、とにかく歌ってみる。 そうすると、

          メロディについて②

          インストにおけるメロディ楽器の選定

          ※今回はいつも以上にふわっとした内容です。  オカルト話だと思って適当にお読みください。 歌モノはそのアーティストの音域によって メロディの最低音と最高音が決定されます。 最高音は表情が出やすいので、サビで用いて インパクトを強くするのが定石ですね。 これは基本的にインストでも同じで、 主旋律を担当する楽器の音域に合わせて曲を書きます。 一方、歌とインストで明確に違う部分もあります。 それは“音色としてのエネルギー量”。 人間の声って非常にパワーがあるんですよ。 なぜなら

          インストにおけるメロディ楽器の選定

          リズムへのアプローチ①

          すごく基本的なところから始めますと リズム楽器のなかにも音程が存在します。 ティンパニなんかわかりやすいですね。 ちゃんとチューニングしてあげないと 全体の響きが台無しになってしまうため ここは最初に考慮すべき点でしょう。 まあドラム音源なんかはプリセットで使う人が多いでしょうし 直で使用しても実際問題そこまで悪影響はないのですが それでもやっぱり、あらかじめベストの音程を探っておく方が 最終的な仕上がりの説得力が増すと思います。 さて、音程をクリアしましたら次は帯域別の

          リズムへのアプローチ①