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2、 DessinateurからIngénieurへ:18世紀における建築家の変貌
政治的、文化的に大きく変貌を遂げた18世紀のフランスにおいて、もちろん建築家という職業もその影響を免れることはなかった。事の始まりは1747年、王立土木学校(l’École royale des ponts et chausées)の設立である。このことは道路や橋の建設といった土木事業、国土整備が国主体で進められる、すなわち国土行政が始まったことを示しているが、以降土木専門教育によってテクノクラ
もっとみる3、 国家装置の自己表現:古代文明への志向を示す歴史的事実たち
18世紀のフランス建築では新古典主義と呼ばれる様式が流行し、それ以前のロココ調の芸術とは一線を画していた。ルクーも新古典主義時代の建築家として知られているわけだが、エミル・カウフマンによればその理念は「高貴な単純さ」にあり、誇張しない壮大さを表現するためにギリシャやローマの建築に取材することにあり、素材の内面的な特性を重視することにあり、建物の機能を形態に物語らせることにある。しかしその(ルクー
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