持続可能性高める『BOPIS(ボピス)』の躍進
日経電子版の記事【月額制弁当テークアウト 客にも店にもメリットで拡大】に登場する「月額制弁当テークアウト」は、「月額制」という特殊性はあるものの、「ネットで購入して店舗で受け取る」サービス=『BOPIS(Buy Online Pick-up In Store)』の一形態に違いありません。
まず、記事などから、この「月額制弁当テークアウト」のメリットを整理してみると――
▶「月額制弁当テークアウト」のメリット
(1)ユーザーのメリット
① 受取日時を指定できる。
② 事前に食べたいメニューをキープできる。
③ 入店待ちによって、昼休みを浪費せずに済む。
④ 消費増税後、テークアウトは軽減税率が適用。
⑤ 前払い制なので、店舗での決済プロセスがない。
⑥ 食べ放題プランなど、フルに使えば食費節約。
(2)飲食店のメリット
① 混雑によるチャンスロス(機会損失)を回避できる。
② 事前に作り置きできるので、ストアオペレーションに過大な負担が
かからない。
③ ②により、テークアウト分の売り上げ上乗せ効果。
④ 新規顧客の獲得。
⑤ テークアウトの来店時は貴重な顧客接点となり、単なる商品の受け
渡しから踏み込んで、顧客との会話、手書きメッセージの挿入などを
通して、ファンの獲得、フィードバックの収集へと繋がる。
⑥ レジ精算などの業務が軽減され、人件費が削減される。
⑦ 実際に顧客に店舗に来てもらう事で、店舗での新しい体験価値を
アピールできる(今度このお店で会合を持とうか、など)。
⑧ 「月額制弁当テークアウト」のサービスを通して会員が増えれば、
キャッシュレス化への対応にもなる。
⑨ 配達のコスト・環境負荷がない。
⑩ 軽減税率が適用されるテークアウトには商機がある。
(3)サービス運営企業のメリット
① エリア拡大⇨登録飲食店拡大⇨ユーザー拡大⇨口コミ(レビュー)
増大⇨ネットワーク効果。
② 開業支援(「軒先レストラン」など)・「テイクアウト保険」・
法人プラン(企業が自社の社員の料金を補助できる)・オフィスビル
を運営する不動産会社とのアライアンスなど、事業拡大のための様々
なオプションがある。
こうしてみると、『BOPIS(ボピス)』のサービスは、物販店のみならず、飲食店においても有効な『ネットとリアルの融合』施策であり、ユーザー・飲食店・サービス運営企業の3者がWin-Win‐Winの関係を築ける、持続可能性のポテンシャルを秘めたシステムである、と言えそうです。
(付記:『BOPIS(ボピス)』については、下記の拙稿で考察しています。)
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