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"エモいはもうエモくない"


まず、

タイトルが相当気持ち悪い字面に
なってしまいましたが、

本日はデザイナーとしての私が見る
emotionalにまつわるコラムです
言語表現から考える社会のデザインです

"エモさ"が浸透した2010年代〜今までについてと
新しい"エモさ"についてお話しします

自分で言うのもなんですが、
新しいモノやコトを創りたい!と思ってる方には
とても面白い感覚じゃないかなぁと思います


1. "エモい"の今

ちょっと前までteenだった私は

"エモい"中心に"イイ感じ"が決まる時代

に生きていた気がしました。


Instagramが普及しはじめた当初から今まで
学生時代として過ごしてきたわけですが
その頃から"エモさ"というものが生まれ浸透してきました

そもそも"エモい"とは、、

英語の「emotional(エモーショナル)」を由来とした、
「感情が動かされた状態」[1]、
「感情が高まって強く訴えかける心の動き」[2]
などを意味する日本のスラング(俗語)、
および若者言葉である。

Wikipediaより抜粋

日本語で言いますと、
『いとおかし』『いとあはれ』
といったところでしょうか、

若者的にいいますと、
感情が触れ動かされ、ストレートに言葉で表現できない良さがあるときに使います
それは嬉しくも切ないであったり、
寂しさはあるけれども前向きであったり、
複雑な心情である場合が多いです。

若者が友達と会話してる時に、

趣があるね〜
哀愁帯びているね〜
もののあはれだね〜

とは、やはりなかなか言いませんよね…

そんなときに、
それめっちゃエモい!
エモくない?

なんて使ってしまう若者言葉です。


もともと、1980年代から音楽シーンでは
音楽ジャンルの『イーモウ(emo)』として使われており、そこから派生してきたようです

メディアアーティストの落合陽一さんも
ロジカル(logical)の対極として
一見無駄なもの、もののあはれ、いとおかし
として使用しています。

日本やフランスでは、ほかの国よりも
言葉で表せない奥深さや感情の複雑さまで
表現する傾向がありますね

言葉や行動などが、情報化社会やIT社会によって
画一化され、単純かつ明快になりつつある今、
"エモい"のような類の言葉はそれに若干逆行しつつ、
それ故に新鮮であり流行し、浸透しました

ですからじつはとてもアーティスティックな言葉であります。

何がエモいだ?
エモいってなんだ?
そんなの若者言葉だ〜
軽すぎる

なんて言っている大人の方もいらっしゃるかもしれませんが

あながちアート目線で言うと、
情報化社会の中で育ち、アート的感覚や、視覚情報や言語表現に対する専門的知見や知識や経験の少ない若者たちからすれば、

なんとも言えない、
でも"イイ感じ"の感情を

現代語にしたと言うのは大きな立派な
感覚の表現の一歩であると思います。

それエモくねー?なんて軽く言っているチャラ男もいるかもしれませんが、
その軽い言葉を発しているときに心の中で起こっている感情や外部から取り入れた情報の複雑さは
じつは素晴らしいものを感じ取っているかもしれません。

ですから、もしかしたら"エモい"は義務教育課程までのアート教育や美術教育の一部として、うまく且つ面白く使うことができるのかもしれません


2. "エモい"はみんな一緒?

Instagramの普及と共に、日本中の若者などに
"エモい"という概念が広まりました

Instagramというのは視覚情報を主に扱った
SNSですので、とりわけ写真を撮る時に
エモい写真を撮ろうと意気込むようです

よく"アー写"なんて呼ばれるものは
エモく撮りたいなんておもったりするものです

そこで最近私が思うのは

"エモいの画一化"

です。

これは現代がとりわけ情報化社会で、
情報発信能力が高く、誰でも自由に好みの視覚情報が
得られるという
Instagramの利点がもたらしたものだと考えられます

若者(私も一応若者ですので…)の視点になるかもしれませんが、

たとえば、"エモい写真"と言われれば
ある程度何パターンか、
ああいう感じの写真だろうと想像つく感覚があります

それはSNSを見る現代の人々が
"エモさ"を理解し、
ある程度、どんな雰囲気の視覚情報を
『いとおかし』『いとあはれ』と感じるのかを
身体経験として感じ取っているからです

Instagramの場合、
あのインスタグラマーがあのエモい場所で撮っていたから、私もあそこで映えたい!行きたい!
なんて拡散していくことがほとんどですので、
自分の意思で情緒あふれるものを生み出そうとクリエイトしていく人は圧倒的に少ないでしょう

真似した''エモさ" :オリジナルの "エモさ"
8:2 か 9:1 ほどでしょう(推測ですが…)

そうなるとどうアレンジを加えたところで、
根本は同じですので、"エモいの画一化"が発生します

しかしそれは情報化社会のなかで、
観光広告の利益をもたらしていたり、
魅力を発信する利点がたくさん詰まっています

ですから、悪いものではありませんし
むしろ情報の受け取り手としては、真っ当な役割をこなしているので、必然といっても過言ではありません

しかしその自身で"エモさ"を創造していく人たちが
クリエイター(創造者)として
アーティストになるのです。

3. 新・emotional時代

最近わたしは先程申したような

『最近のエモさはみんな一緒だなぁ、飽きてきたな』
と感じていました

それがこの記事を書くきっかけになったわけです。

写真家やアーティストには
この作品エモいね!なんていったら憤慨するでしょうが当たり前で、

やはりエモいというのはアート的感覚のさわりのさわりのさわりのさわりといったところでしょうか、、

日常でアートや視覚情報に興味がなかったり
美術館に行かなかったりする方が
エモいなんていう感覚をしつこく深く掘り下げていくだけで自分なりのアート感覚を養う第一歩には
かなりなると思います

ですからさわりのさわりのさわりのさわりで
いいのです

写真家やアーティストはエモくしようと作品を生み出す人はいませんし、
(場合によりますが、もっと高度で洗練された技術や感情表現、視覚表現、構成、頭脳などをロジカルにつかい、精密な時計を作るように、且つパッションや気力あふれるものを本能的に生み出しますし、そもそもコンセプトがあります)
なので本日の論点はそこではありません

わたしはそろそろ、
"エモさの画一化"によって均一なイメージになった"エモい"を革新する時がやってきたと思っています

そうです、

新・emotional時代

が、やってきてもいいと思っています

そして、自分自身もその新しさ・新鮮さを模索しながら作品を作っていったりしています。

新・エモいとはなに??
と言われても、わたしもまだわかりませんし、
その答えはひとつではないでしょう

ですが、エモいがエモくなくなってきた今、

一体なにが新しい『いとおかし』『いとあはれ』なのか、考えるという行為をし、皆がクリエイター(創造者)になるべき時なのです

先程"エモさ"を真似する人とクリエイトする人の割合は8:2〜9:1程だと言いましたが、

革新期(画一化されてきたな…と感じ始めた時)は、
何かの刺激で、その割合が6:4〜7:3になると、
ポッと"いい感じ"のものが世の中に出回ったりするのです

しかしそれは操作できるものではありませんし、
操作するようなことでもありません、
しかし、たとえば
時代がめぐり、1980年代リバイバルファッションが再流行するとなると、現代という要素に刺激が起き、新しいファッションが生まれたりします
そのように何かの刺激が起こったり、
何十年に一度のアート感を持った人が現れたりすると、新しいものや価値観が生まれたりするのです

それだけでなく、デザイナーが意図を持って革新を起こしに行ったりすることもあります
何かの広告戦略であったり、文化の再アピールであったり、目的はそれぞれですが、クリエイターが革新を起こすこともあります
雑誌や広告、動画配信や映画などさまざまな媒体によって知らない間に"いい感じ"が刷り込まれていることもあります
それが戦略かもしれませんね

革新が起こると、何より楽しいです
ただワクワクするだけのための革新かもしれません
でもそれでいいのです
そしてそれこそが身近なアート感覚であります

時代が変わるように、流行りもかわりますし
感覚も変わります
おばあちゃんの好みと中学生の好みが違うのも
当たり前のことです

もし、新しいものや新鮮なもの、新しいコトを
生み出したいという人は刺激を自分から求めにいったり自分自身の中にあるものをよく見つめ返すことが大事になってきます

新しいものを求めている人同士で触発され合うのもいいコトですね

私は世の中のクリエイター(創造者)の割合を少しでも増やせる手助けができたらいいなぁと思っています

自分が新しいものを作るのもいいですが、
私の場合、新しいものやコトが溢れ、ワクワクに満ち溢れるようなユニークな世の中をデザインするためにみなさんの個性をサポートしたいと思います

100円均一のアイデア商品も、主婦のアイデアお掃除も、ちっちゃい子が作るアイデア貯金箱も面白いですよね?

そんな身近なことからでいいのです
その規模が大きくなりみんながユニークを創造する意識を持つことが世の中をより豊かにします

新emotional時代は来ても来なくてもいいのです
ただ、これからも世の中が豊かになり続けるために
新〇〇時代は来なければならないでしょう。



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