マガジンのカバー画像

Qualunque cosa farai, amala.

51
日々の雑感をまとめているマガジンです。 マガジン名はとある映画のセリフ。
運営しているクリエイター

#障害者

【雑感】「普通の人びと」と優生思想

【雑感】「普通の人びと」と優生思想

「殺されても仕方がない人間なんていない」
こんなにも当たり前のことを声高に主張しなければならないほど、いまこの国には、ナチス式の「優生思想」が蔓延しているように思います。

かつて、ヒトラー率いるナチスドイツが行なった「ホロコースト」政策によって罪のないユダヤ人や障害者をはじめ、多くの人が「ドイツ民族を優れた民族にする」ために殺されていきました。

現代の視点で考えれば、このような行為は倫理的に考

もっとみる
【雑感】分かった気にはならないほうがいい

【雑感】分かった気にはならないほうがいい

白い巨塔昨夜は『白い巨塔』というドラマを観ました。

ドラマの中で最も印象的だったのは、主人公の財前が自らのガンの存在を知ってから、「病で苦しむ」とはいかなるものか、「死」とはいかなるものか、を知っていく様子が描かれる最終話の後半シーンです。最後に「これが、死か……」と言って旅立っていく描写からも、これまでとは違う「死」を体験していることがうかがえました。

医者である以上、これまでも「病の苦しみ

もっとみる
【雑感】ラベリング社会

【雑感】ラベリング社会

社会学者のH・S・ベッカーという人は「ラベリング理論」を提唱しました。

ラベリング理論は、「逸脱行動」(平たく言えば「犯罪」や「非行」)に関する理論です。逸脱は、内的な属性からではなく、他者からのラベリング(レッテル貼り)によって生み出されるものであると考えます。

しかし、こうしたラベリング行為そのものは、日常生活のあらゆる場面に見られます。ラベリング行為は、社会生活を送る上で情報処理の観点か

もっとみる
【雑感】旧優生保護法救済法のニュースのこと

【雑感】旧優生保護法救済法のニュースのこと

このようなニュースが飛び込んできました。昨年の秋に「優生思想」について調べていたこともあり、非常に印象的でした。

旧優生保護法下で不妊手術を強いられた障害者らに「一時金」を支給する議員立法の救済法が24日、参院本会議で可決、成立した。終戦直後の1948年に施行され、強制不妊などの条文を削除した96年の母体保護法への改定も経て、70年余。「歴史的な一歩だ」「もっと改善して」「一人も取り残さない救済

もっとみる
【雑感】「時間稼ぎ」という言葉にあらわれるもの(後)

【雑感】「時間稼ぎ」という言葉にあらわれるもの(後)

昨日のnoteの続きとなります。

今回の件については、「『時間稼ぎ』という言葉のもつ意味」、「課長の言い訳の稚拙さ」、「謝罪がないという事実」の3点から書いています。今回は、2点目から3点目について書いていきます。

課長の言い訳の稚拙さまず、担当課長は「効率的な調査という観点から弁護士に対する抗議の意味であの言葉(『時間稼ぎですか?』)を言ったようだ」と話しています。ここでの「効率」という観点

もっとみる
【雑感】「時間稼ぎ」という言葉にあらわれるもの(前)

【雑感】「時間稼ぎ」という言葉にあらわれるもの(前)

またも、衝撃的な記事が舞い込んできました。

埼玉県吉川市に住むALSの患者、高田泰洋さん(43)が、訪問調査をした市役所職員に対し文字盤を使って回答しようとしたところ、この職員から「時間稼ぎですか?」などと言われていたことがわかった。  同席していた弁護士がその場ですぐ抗議したが、職員から反省の言葉は未だない。

BuzzFeed Japan Medicalの取材に対して、吉川市の加藤利明障がい

もっとみる