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21.06.16 恋しい東南アジア ベトナム⑩

恋しい東南アジア ベトナム全編

流石に遠出するのを諦め、
ルームメイトには他のツアー仲間と観光をしてもらいました。彼女の社交能力にこれまた感謝するばかりです。

外に出るには体力がないけれど、部屋にいてもやることがなくて、椅子に座って天井を見ていました。

このところ、ほとんどベトナムのセブンイレブンにあるミックスナッツとポカリスエットばかりを摂取しているせいか、座っているだけでも頭がクラクラとしていました。

なんとなくベトナムに来る前から半年ほど不調でした。明確な原因もわからずあまり考えないようにはしていたけれど、知らない土地で久しぶりに一人になったら、ここにきて不安になっていました。

そいえば、念のため海外保険に入っていたことを思い出しました。
胃袋の強い僕が、東南アジアでその胃袋もまともに使えないまま、こんなよくわからない体調不良でそれを使うことになるとは思いませんでした。

ツアーコンダクターに保険のことと最近の僕の不甲斐ない調子を伝え、病院に行けないかと連絡したけれど、彼女からの返信は、海外の医療は多額な費用がかかるかもしれないから難しいという趣旨のないようでした。

何往復かやりとりを交わしても、彼女の意見は変わらず、海外保険という安心材料が玉砕し、そのまま僕はやる気がなくなってベットに倒れ込んでいました。

気がつくと外が暗くなり始めていて、iPhoneを見るとルームメイトから夜ご飯を一緒に食べないかと連絡がきていました。

眠ったら頭のクラつきが少しマシになっていて、調子に乗って僕は一人でバスに乗って目的地に向かっていました。

とりあえず指定された時間に指定された場所に立っていたけれど、彼女たちが来る気配がなくて、いろいろ自信がなくなってきました。

ベトナムは日本よりも街中にWi-Fiが通っていると聞き、ポケットWi-Fiなどは持ち合わせていなかったのです。
確かにこれまであまり困らなかったけれど、今いるような普通の住宅街には流石にWi-Fiがなくて、何かを信じて待っているしかありませんでした。

生まれた時からどこでも誰かと連絡を取れる生活をしてきた僕は、文明の脆さを目の当たりにしました。

真っ暗のベトナムの街角で、まともな体力もないまま調子に乗って部屋を出てきた事を今さら後悔していました。


待ち合わせ時刻から15分ほど経った頃、目の前に高そうなスポーツカーが止まりました。

少し身構えて見ていると、中からルームメイトとツアー仲間が降りてきました。

予想外の登場と安心感で拍子抜けしてしまいました。ウーバー的サービスを使って来たようです。

目当ての食堂に入りました。
フォーだけを売るフォー専門店です。
ここに来るのは2回目で、最近ポカリとアーモンドばかりの僕だったけれどここのフォーだけは夢中で食べれてしまうほどおいしいのです。(最近、日本にもできた「Pho Thin 」というお店です。ベトナム国外には日本にしか出店していないのです!日本でももちろん行きました。)

僕が最近の顔面の蒼白さはなんだったのかと思われるほどにフォーにガッツいている中、可愛い顔からは想像もつかない無敵さを持つルームメイトの箸が進んでおらず、どうしたのかといつもとは逆に心配すると、「朝ご飯とか食べないまま、ベトナムコーヒー飲みまくって、そのままさっきの車乗ったら胃がやられた。」と言っていました。

彼女はここに来て1番の険しい表情をしていて心配だったけれど、そういう所も好きだなと思いました。


外に出たら雨が降っていました。
スコールです。都合の良いことに夜にばかり降るのです。

能天気な僕たちは帰りのバスがよくわからなくなって、少しパニックになりながら、既に「closed」と看板を下げている靴屋の扉をこじ開けて、店員さんに帰りのバスを聞きました。

靴を買うわけでもなく乗り込んできた僕たちに、お姉さんはとても丁寧に説明してくれました。


クラクラしようが、ベトナムが好きです。




P.S.
あの素晴らしきフォーです。





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