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子どもの幸せ③(ポジティブ思考)長所も短所も認める

ウサギ仙人(ウ仙)から我が子のいいところを見るトレーニングを出された亀子であったが、

ウ仙「どうじゃ?おぬしの子どものいいいところは、30分で100個書けたか?」

亀子「いやー。いいところを書くってなかなか難しいですね」

ウ仙「ちなみにいくつ書けたんじゃ?」

亀子「そうですね・・・10個です」

亀子の書いた内容
1.我が子のいいところは(     走るのが速いこと     )です。
2.我が子のいいところは(     ピアノが弾けること    )です。
3.我が子のいいところは(     計算が得意なこと    )です。
4.我が子のいいところは(     折り紙が折れること   )です。
5.我が子のいいところは(     けん玉が好きなこと    )です。
6.我が子のいいところは(     大人しいこと       )です。
7.我が子のいいところは(    遊んでいる時に静かなこと  )です。
8.我が子のいいところは(    高い跳び箱を跳べる     )です。
9.我が子のいいところは(    踊りが上手なこと     )です。
10.我が子のいいところは(    寝顔がかわいいこと    )です。

ウ仙「ほう、よく書けとるじゃないか」

亀子「そうですか?これって平均どれくらい書けるもんなんですかね?」

ウ仙「まぁ平均値をとったことはないがな。このトレーニングをやると、子育て中の親は4種類の傾向が出てくるの」

①   20個以下だった親
「誰もがいいところと認めること」だけを書いておるな。例えば「運動ができる」「ピアノが弾ける」「高い跳び箱を跳べる」「走るのが速い」など、能力に関する内容が多く、しかも「寝顔がかわいいこと」のように万人が納得するようなことや誰もが反論できないことのみを挙げておるのが特徴じゃな。

②   20個~50個程度の親
「一般論として聞こえのいいこと」を中心に書いているおる。例えば「素直」「優しい」「親切」など、性格や資質に関する内容が多く、他人から非の打ちどころがないことばかりを挙げておる。ただし「性格がいい」のように何を以てそれを言えるのかという具体性がなく、抽象的な内容が多いのが特徴じゃ。

③   50個~80個の親
「他人から見れば短所に思えること」も含めて書いておる。例えば「マイペースである」「食べるのが早い」「不器用」「寝相が悪い」など、ジャンルは多岐に亘るのですが、一見「それっていいところなの?」と思えるようなことがたくさん書いておるのぅ。短所もいいところに入れておるのじゃ。

④   80個以上の親
「我が子が為したエピソード」を中心に書いていることおるな。例えば「洗濯物をたたんでくれた」「玄関の靴を並べてくれた」「笑顔で写真を撮った」など、生まれてからこれまでの間に起きたエピソードがたくさん並んでおる。おそらく子供に対して「ありがとう」という言葉もよく多用していることじゃろうな。

亀子「私は典型的な①のタイプですね・・・」 

ウ仙「そうじゃが、これもトレーニングなんじゃ。わしの解説を聞けば、『そういうことだったのか』と思うじゃろ?」

亀子「そうですね」

ウ仙「問題は、このトレーニングで出してきた答えのところだけ、子どもを評価しているというところじゃな」

亀子「どういうことですか?」

ウ仙「おぬしのような①のタイプは、他の子と比べて、何か特別な能力がないとほめたり喜んだりしないじゃろ?」

亀子「図星ですね・・・」

ウ仙「しかもいくつ書けたかによって、普段どれくらいの頻度でほめられているかということもわかるのぅ。数が多いほど、ほめる頻度も多いのじゃ」

亀子「私はあんまりほめないタイプですね」

ウ仙「そこはトレーニングで、③や④の親を参考にしてほしいのじゃ」

亀子「わかりました」

ウ仙「とくに③のタイプの親は、子どもの短所もいいところと認めることができておるのじゃ」

亀子「なるほど」

ウ仙「ちなみに運の良さの話をした松下幸之助じゃがな、部下の育て方は天才的だったんじゃ。
 ある時、松下電器に暗くて無口な営業マンがいたそうじゃ。暗くて無口な営業マンじゃから、『こんな人から物を買おう』なんて人は少ないと思った当時の営業部長がある時、松下幸之助に直訴に行ったのじゃ。
『社長、うちは営業部なのに暗くて無口な社員がおります。こいつを配置転換するか辞めさせるか、どっちかしてください』と言うと、松下幸之助は『そうか、暗くて無口か、ええなそいつは』と言ったそうじゃ。『暗いのは落ち着きがあるということや、無口なのは物静かなだけや、ええやないか、そいつ』と答えたそうじゃ」

亀子「すごい。ポジティブにとらえますね」

ウ仙「さらに松下幸之助は『ところでな、君んとこ営業やろ、得意先に不幸があったらどうするねん。誰か葬儀に行かなあかんやろ。そいつに行かしたら、ええやないか。弔辞でも読んだら天下一品やで」と言ったそうじゃ」

亀子「天下一品の弔辞は聞いてみたいですね(笑)」

ウ仙「こうやって、人の短所もポジティブにとらえておったようじゃの。子どもには長所も短所もある。長所だけを認めるのではなく、短所をいかにポジティブにとらえるかで、子どもの幸せは決まってくるのじゃ」

亀子「そういうことなんですね」

ウ仙「それと④のタイプの親は日頃から何か子どもが行動する度にほめることができているということじゃな」

亀子「これも参考にします」

ウ仙「子どもは行動する度にほめられておったら、『ポジティブな考え方』になっていくのじゃ」

亀子「わかりました」

こうして亀子はレベルが上がった。
「子どもの長所も短所も認める」「子どもの行動の度にほめる」というスキルを身に付けた。(つづく)


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