野菜の詩｜あさり

はくさいばたけの　
はくさいたち

ねえ　ねえ　さむくないのかい？

へいき　へいき
うわぎを　かさねているからね
みんなで　いっしょにいるからね

はくさいばけの　
はくさいたち

ゆきのぼうしも　おそろいで
おしゃべりしたり　わらったり

あたまのなかが　からっぽなのは
かんがえるため

どうして？っておもうこと
へぇ〜っておもうこと
ちがうでしょっておもうこと

みつけたら
あたまのなかにいれて

ぐるぐる　かんがえる
ずっと　かんがえる
とことん　かんがえる

かんがえるのがすき
だから
だれよりあたまがいい

おはだのおていれ　
がんばるの

つやつや　ぴかぴか
みため　かんぺき

だって　なかみがないんだもん

ひとりに　なったことがない
ひとりで　なにができるかな

かんがえて　かんがえて
あたまも　からだも　
こんがらがる

なくのを　がまんして
なみだを　ためこんで

ふくらんで
みうごきとれない

ざくっ　ざくっ　ざくっ

きょうも　かわりに
だれかが　なくのです

どうしてないているのか
わけもわからず

ざく　ざく　ざく
きったら　ででくる
おほしさま

かみさまに　
とじこめられた
おほしさま

まないたのうえで
そらみあげ

もういちど
ひかりたいと
おほしさま

ぜんぶ　かお？
ぜんぶ　あたま？
ぜんぶ　おなか？
ぜんぶ　おしり？

ずっしり　おもたい
なかにすんでいるのは　だれ？

そんなに　まっかに　なってるのは

もしかして　おこってる？
それとも　てれてる？

ほっぺ　まんまる　かわいいねって　
いったから？　

ちょっと　おさないで
ぎゅうぎゅうだよ
ちっちゃいこも　いるんだよ

野菜の詩