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【有料記事】ブラックホールの新仮説に理系人間も驚いた話

今月の有料記事。テーマはブラックホールについて。

先日の参加したイベント「新聞の会」でブラックホールに関する新しい仮説が記事として載っていて、それを機にブラックホールについて知ろうという気持ちになりました。

ブラックホールは名前だけ聞いたことがあるという人が大半ではないでしょうか。今回は基本的ならことから解説して、ここ最近に生まれた新しい仮説にアプローチできたらと思います。

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ブラックホールとは

端的に説明すると、重力が非常に強いために、光すらも吸い込んでしまうような天体のことです。もちろん、人間なんかは吸い込まれたら最後、二度とそこから出ることはできません。

そんな恐怖のブラックホールですが、元々は他の天体と同じ恒星です。恒星にも私たちと同じく寿命(数千万~数百億年と言われている)があり、寿命を迎えると、より小さく密度の高い天体に生まれ変わります。

このとき、とてつもない密度の天体(1cm角の体積で質量が200億トン以上)が生まれることがあります。これこそが、ブラックホールの始まりになるのです。

時空は天体の重力によって歪むことが、アインシュタインによって既に提唱されていました。質量(密度)が大きければ、それだけ歪みが酷くなるということ。

その後の研究で、恒星の最期に引き起こされる超新星爆発の際に、あまりに密度が高くなった天体は自分自身の重力を支えきれず、中心に向かって収縮し続けることで時空を大きく歪めることが分かりました。

この時空の歪みに起因して、時空に穴を開けてしまうのです。これがブラックホールの最たる特徴です。

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ブラックホールの研究の歴史

ブラックホールという存在は、1916年にドイツの天体物理学者のカール・シュバルツシルトがアインシュタインの一般相対性理論の方程式を解くことにより、初めて提唱されました。

この段階では、まだ机上の空論に近いものでした。しかし、その後の観測技術の進歩により、非常に強い重力であらゆるものを吸い込みながら成長するブラックホールの存在が示されました。

ブラックホールは直に観測することができません。ブラックホールの周囲にある物質を観測することで、間接的に観測が可能になります。

ブラックホールの近くにある天体は、それぞれ角運動量を持ちます。そのため、直進的にブラックホールに吸い込まれるわけではなく、ブラックホールの周囲を渦巻きながら、徐々に落ちていきます。

この渦巻きのことを「降着円盤」と呼びます。下の写真を参考にしてみてください。

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ブラックホールのエネルギー

ブラックホールに落ち切らなかった物質の一部は「ジェット」となって、降着円盤の面に垂直に、勢いよく噴出します。ジェットとは、細く絞られた高温のガスの流れのことで、その速度は光の速度にほぼ近いそうです。

この事象は、実際には莫大なエネルギーが必要となります。そのエネルギーの元になっているのが、ブラックホールの重力エネルギーです。重力エネルギーを降着円盤を介して熱などのエネルギーに変換しています。

例えば、降着円盤の内側と外側では、物質の速度が異なります。重力は内側へ行くほど強いので、内側が速くなり、その速度差によって円盤内に摩擦熱が生じます。この熱が光として出てくるわけです。

下の写真で、ブラックホールから吹き出ている光のようなものが、ジェットになります。

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