arrows_gym

ARROWS GYMは、久保優太、木村“フィリップ”ミノルをチャンピオンに導き、K-1…

arrows_gym

ARROWS GYMは、久保優太、木村“フィリップ”ミノルをチャンピオンに導き、K-1 AWARDS 2020ベストトレーナー賞を受賞したトレーナー・ ​矢口哲雄による、完全直接指導少人数制のプロ専門キックボクシングジムです

最近の記事

常に念じる

私は、長野県の北アルプスの麓で生まれ育ちました。 湧き水と澄んだ空気、山に囲まれた安曇野というところが私の故郷です。 西側に北アルプスの山並みをみることができるのですが、 中でも「常念岳」(標高2857メートル)というピラミット形の山が, 安曇野の象徴的な存在になっています。 毎年ゴールデンウィーク前位になると、 山肌と残雪のコントラストが袈裟を着たお坊さんに見える雪形の「常念坊」が出現します。 小さいころの私は、その部分ではなく、 別の部分がお坊さんの横顔のように見えるのが

    • 負けに偶然の負け無し

      勝負は勝つこともあれば負けることもあります。 誰しも勝つつもりで勝負に挑むのですが、 なかなかそうはいきません。 しかし負けには必ず理由があります。 自分が教えた選手の負けた試合の後というのは、 なんとも言えない気持ちになります。 あれだけ練習したのに…。 勿論、負けた本人が一番悔しいと思いますが、 トレーナーも選手同様悔しいものです。 試合中に敗因がわかる場合もありますが、 その時解らなければ映像を何度もみて原因を追究します。 私の見方としては、必ず心・技・体の3方向の角

      • 何がベストだったのか?

        お陰様で今まで何度もトーナメントをセコンドとして経験させていただきました。 今回は過去のトーナメントでの出来事を回想していきたいと思います。 トーナメントというのは本当に過酷で、 1日に3試合するといのは、強さも勿論大切ですが運もなければ最後まで残れません。 トーナメントの2試合目以降は、自分の選手のダメージ、相手の選手のダメージによって戦略が大きく変わってきます。 できるだけダメージがないことがセコンドとしてはありがたいのですが、 都合よく物事は進みません。 ある選手が

        • 試合中のインターバルをどう使うか②

          前回に引き続き試合の時のインターバルでのお話をさせていただきたいと思います。 セコンドは、チーフセコンド1名、セコンド2名の3名体制が基本になります。 チーフセコンドの役割は、インターバル中にリングに入りアドバイスをするなどの中心的役割をします。 他の2名のセコンドは、リングに椅子を上げる、水、氷嚢、濡れタオル等を使ってエプロンサイドでチーフセコンドの補助を行います。 セコンドはチームなので、肝心なことは指揮命令系統がちゃんとしているかということです。 船の船頭が1名である

        常に念じる

          試合中のインターバルをどう使うか①

          今回は試合の時のインターバルについて考えていきたいと思います。 ボクシング・キックボクシングは1Rが3分で、インターバルが1分になっています。 所謂休憩時間のことなのですが、その1分間で以下7つのことをして次のラウンドに選手を送り出します。 1.呼吸を整えさせる 2.給水をする 3.マウスピースを外し洗う(外さない場合もある) 4.選手の汗を拭く 5.出血した場合は止血をする 6.ダメージの確認をする 7.アドバイスをする 私の場合、マウスピースを外しまずは呼吸を整えさせ

          試合中のインターバルをどう使うか①

          風林火山

          武田信玄の旗印として有名な「風林火山」 その疾きこと風の如く その徐かなること林の如く 侵略すること火の如く 動かざること山の如く この文章を初めて見たときに、 規律のある強い軍隊を連想し、 格好の良い雄々しい言葉だなと思いました。 ご存じの方もいらっしゃるかと思いますが、 これは孫子という兵法書に書かれているものの抜粋になります。 「戦いとは、機先を制し、敵の空虚を撃つことである」 が要約になるかと思いますが、 動く時は一気に動くことを連想させてくれます。 格闘技に例えれ

          選手との距離感

          「トレーナーと選手の距離感は、どんな感じがベストですか?」 私が駆け出しのトレーナーだった頃、師匠に質問したことがあります。 「父親と兄貴の中間がいいな」「父親の厳しさと威厳も必要だけど、それだと選手から煙たがられてしまうから、何でも話せる兄貴の部分も必要だ」 確かに私の師匠をみていると、正に父親と兄貴の中間で、選手と接していました。 年齢差を感じさせないような若者の感覚が理解できて、普段はなんでも話せるような距離感なのに、いざ練習になると、真剣な厳しい雰囲気になり、選手から

          選手との距離感

          少年野球での経験

          私の小学生時分の、少年野球をやっていた頃の話です。 私の父親は、野球が大好きな人でした。 父親も高校で野球をやっていて、母校の監督を務めたこともありました。 そんな父親の元、毎日約1時間、素振り(バットスイング)をすることが私の日課でした。 バットを振り続けると、手に豆ができで潰れ、皮がめくれ血が出て、やり続けていくと固くなってタコができます。 最初は、手が痛くて痛くてよく泣きながらバットを振っていました。 何でここまでしないといけないのか?と疑問を持ちながらやっていましたが

          少年野球での経験

          漢字の書き取り

          そういえば、昔良く漢字の書き取りを白文帳にしていたなあ、なんて思い出したのですが、白文帳って、長野県だけで使われていたものだとは知りませんでした。(笑) まあ所謂、漢字の書き取りをする練習帳のことです。 そんな白文帳のことを思い出したら、ふと格闘技の基礎練習と、漢字の書き取りは共通する部分があるなあと思いました。 ただ何となくやるのではなく、どこに注意をはらうのかを意識して繰り返す。 漢字の書き取りで言えば、はねるのか、とめるのか、力の入れ具合、全体のバランスをどうとるのか等

          漢字の書き取り

          ノートに書かれていた言葉

          以前、私が指導していたA君が、ある団体のチャンピオンになりました。 結果を知り嬉しくなって電話をかけました。 話を聞いてみるとA君は、試合中に骨折を負う様な状況であったにもかかわらず見事に勝利。そんな中よくがんばったなあと労うと、 「数年前、試合で負けた後ホテルの部屋に3人でいた時に、先生が言ってくれた言葉を自分の先輩がノートにとっていて、それから僕は、そのノートの言葉をみて頑張ってきました!」 「あの時の自分には目を背けたい内容で、そのノートに書いてあることを受け入れるのに

          ノートに書かれていた言葉

          不思議なこと

          たしか私が小学2年生の時のことになりますが、東京六大学リーグで法政大学が優勝しました。どういうご縁かはわかりませんが、その法政大学野球部が、私の地元の高校に練習しに来た時に、父親に連れられて観に行った時の話です。 当時小2だった私ですが、何度か高校野球は観たことはありました。 大学生の野球を観るのは初めてでしたが、度肝を抜かれました。 なにせスピードが違うんです。投げるボールの速さ、打つ打球の速さ。 高校生は金属バットでしたが、大学生は木製バットなのに、 明らかに打球のスピ

          不思議なこと

          悔しい気持ち

          たしか私の小学生の高学年から中学生位にかけて、日本のボクシング選手が世界戦で何十連敗もしていた時期がありました。 その頃良く耳にした言葉が、「今の選手はハングリー精神がない、昔の選手はハングリー精神があった!日本が経済発展しているから、ハングリー精神がみんなない」でした。 その後、平成から令和とチャンピオンは多数輩出されていくのですが、そうなるとハングリー精神論は成り立たないことになるのは?と思います。 別の原因があったと思っておりますが、ここではハングリー精神や、気持ちの部

          悔しい気持ち

          口先で話すな!ハートで話せ!

          私の師匠である積田進の師匠は、日系アメリカ人のレジ・一ノ瀬というハワイの方で、白井義男さんが世界タイトルマッチで戦ったダド・マリノのマネージャーだった方です。 戦後から昭和50年代ごろまで日本で活動されていたようですが、残念ながら私はお会いしたことはありません。 積田先生からそのレジさんのお話を伺ったことがあるのですが、特に印象に残っていることが、「口先で話すな!ハートで話せ!」という言葉です。 上っ面の耳障りの良い言葉ではなく、選手に真剣に向き合って本音で話す。 そうでない

          口先で話すな!ハートで話せ!

          言葉の力

          少し時間が経ってしまいましたが、今年の箱根駅伝は青学が優勝しました。 懸命に襷を繋いでいく選手の姿は、観ている人の心を揺さぶります。 だから長きにわたって続いているのでしょうね。 私は、選手の走りは勿論、特に監督の掛け声に注目して観戦しております。 各校の監督さんの、熱意の伝わる掛け声が要所で飛び交いましたが、なかでも青学の原監督の掛け声は、選手を落ち着かせ、ここぞと言う時に気持ちを鼓舞する素晴らしいものでした。 普通だったら、前の走者とのタイム差を言ってペースを上げていけと

          言葉の力

          練習は本番のように!本番は練習のように!

          イメージトレーニングのお話で、高校時代の野球部の恩師、久保村監督の話をさせていただきましたが、久保村監督からは、イメージトレーニング・競技に取り組む姿勢・効率的なトレーニングなど色々なことを教わりました。 私が高校2年生の時に、久保村監督は新任で赴任され、野球部の監督に就任されました。 年の差は7歳程度の兄貴みたいな若い監督さんでした。 そんな久保村監督の野球は、私がそれまでやってきた野球とは少し違うものでした。 「高校3年生の夏の大会は、負けたら終わりだから3年生はプレッシ

          練習は本番のように!本番は練習のように!

          イメージトレーニング

          私は小学生の時にリトルリーグで野球をやっていました。 毎日の日課として素振りをしていました。 正確に言いますと、父親にやらされていたのですが…。(笑) インコース・真ん中・アウトコースの3コースを、高め・真ん中・低めと合計9ヶ所を30回ずつ振って、最後の30球は、実際の試合でピッチャーと対戦することを想像してバットを振っていました。 これが今思えば、イメージトレーニングのようなものだったのかなあと思います。 その後、高校でも私は野球をやりました。 高校時代の恩師、久保村監督が

          イメージトレーニング