口先で話すな!ハートで話せ!

私の師匠である積田進の師匠は、日系アメリカ人のレジ・一ノ瀬というハワイの方で、白井義男さんが世界タイトルマッチで戦ったダド・マリノのマネージャーだった方です。
戦後から昭和50年代ごろまで日本で活動されていたようですが、残念ながら私はお会いしたことはありません。
積田先生からそのレジさんのお話を伺ったことがあるのですが、特に印象に残っていることが、「口先で話すな!ハートで話せ!」という言葉です。
上っ面の耳障りの良い言葉ではなく、選手に真剣に向き合って本音で話す。
そうでないと信頼関係なんて築けない。
本当にそうだと思います。
社会に出ると、本音を直接言ってくれる人は年齢と共にいなくなっていきます。
トレーナーは、最終的にその選手にとって、何が一番良いことなのかを考えてアウトプットしていかなくてはなりません。
欠点を今言うべきなのか?長所を伸ばす為に今は言うべきでは無いのか?そこは今見なくても良い部分なのか?今は気持ちをのせる為にだまっているべきか?等々。
言い過ぎても良くない。言わなくても良くない。本当に匙加減が難しいところです。
また、一日の終わりは、叱ってマイナスで終わるのはなく、選手の気持ちをフラット、もしくはプラスにして終わる必要があります。
そうしないと次の日の練習へのモチベーションが低下してしまいます。
気持ちを前向きにするために、フォローすることも大切です。
今でも、以前教えていた選手と連絡をとったりすることがありますが、「あの時こう言ってくれました。だから今でも、常に自分の中で忘れないようにしています。」と言ってくれることがあります。
例えば…「チャンピオンがヒーヒー言いながらぶっ倒れるまで頑張ってるのに、お前が一番楽な練習してどうやってチャンピオンに追いつけるんだ?」と私が言ったことを覚えていてくれて、「僕は格闘技以外でも、この気持ちが大切だと思って忘れないようにしています」と言ってくれた元選手もいました。
言葉って、相手の心に残るのです。
だから適当なことは言えません。
言葉は最高の贈り物なのかなと勝手に思っています。


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