悔しい気持ち

たしか私の小学生の高学年から中学生位にかけて、日本のボクシング選手が世界戦で何十連敗もしていた時期がありました。
その頃良く耳にした言葉が、「今の選手はハングリー精神がない、昔の選手はハングリー精神があった!日本が経済発展しているから、ハングリー精神がみんなない」でした。
その後、平成から令和とチャンピオンは多数輩出されていくのですが、そうなるとハングリー精神論は成り立たないことになるのは?と思います。
別の原因があったと思っておりますが、ここではハングリー精神や、気持ちの部分について考えていきたいと思います。

会社の新人教育などでも、良く褒めて伸ばすということを聞きします。
褒めて伸ばすはそのとおりだと思います。
しかし、やはり駄目なものは、駄目だと思いますし、それを相手に伝える必要があると思います。
相手の受け止め方もあるので、相手の気持ちも考えながら叱らないといけません。
ところで格闘技は、生きるか死ぬかの世界で戦っているのに、褒めて伸ばすことだけで教えていく事は可能なのでしょうか?
やはり、駄目なものは駄目だと伝えなければ、取返しがつかないことになってしまいます。
ぬるい訓練で、本番を生き残れるはずはありません。
ですから選手は、できないことから逃げずに、絶対に克服していくんだという気持ちで向かっていくことが大切だと思います。
良く私の師匠は「火事場のバカ力」という言い方をしていました。
悔しい気持ちを、見返してやりたい気持ちへもっていき、選手を怒らせて眠っていた潜在能力を引き出す。そして合格ラインのパフォーマンスができるようになって、選手の気持ちを更に乗せて高いパフォーマンスを引き出す。
人間追い込まれると、信じられない力を発揮することがあります。
一度そうやってしっかりとアクセルが踏めることを覚えれば、自然とできるようになるのです。
ですから分岐点は、「なにくそ」「今に見ていろよ」といった気持ちが持てるかどうかだと思っています。
傾向としては、明確な目標があるかどうか、負けず嫌いであるかが、かなり重要だと思います。
少なくともプロ選手は、「なにくそ!」「今に見ていろよ!」の精神がある人でないと大成できないと思います。
センスというと、どうしても運動神経的な方ばかりを見てしまいがちですが、気持ちこそセンスであると私は思っております。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?