試合中のインターバルをどう使うか①

今回は試合の時のインターバルについて考えていきたいと思います。
ボクシング・キックボクシングは1Rが3分で、インターバルが1分になっています。
所謂休憩時間のことなのですが、その1分間で以下7つのことをして次のラウンドに選手を送り出します。

1.呼吸を整えさせる
2.給水をする
3.マウスピースを外し洗う(外さない場合もある)
4.選手の汗を拭く
5.出血した場合は止血をする
6.ダメージの確認をする
7.アドバイスをする

私の場合、マウスピースを外しまずは呼吸を整えさせます。
呼吸法を使って呼吸を回復させるとともに、精神面を少し落ち着かせます。
最近のマウスピースは昔と違い入れっぱなしでも大丈夫なほど、
違和感のないものがほとんどですので、その場合ははずしません。
外した場合は、マウスピースを軽くすすぎます。
その後、給水し汗を拭いたり、傷口が切れていれば止血します。
止血は乾いたタオルで傷口を強く圧迫します。(ここままで20秒~30秒位経過しています。)
ダメージの確認は、体のダメージと心のダメージのすり合わせを選手と話しながらしていきます。
眼は見えているか?足は動くか?等
そして最後のアドバイスは、10秒以内位にまとめた内容で伝えます。

試合を相手に支配されている場合→何かをすることで状況を変えていく事を伝える

試合を自分が支配している場合→前のラウンドの延長戦上でやっていくか?それとも戦術を変えるのか?次のラウンドは、相手はきっとこうやってくる等。

ですから実際にアドバイスに使える時間は、10秒~15秒程度になります。
普段の練習中から短い時間で伝える訓練と、試合展開を読んだ事前準備の大切さが鍵になってきます。
いくらセコンドがこうすれば良いと思っても、練習したこともないことをいきなり選手はできないですし、その時のダメージでできないこともあります。
相手がさせてくれない場合もありますから、その時の状況下で最適な判断をくださなければなりません。
選手の持っている材料で勝ち筋へ導いていくアドバイスが必要になってきます。
ですからセコンドとしての力量は、このアドバイス部分にあると思いますが、私は「簡潔に!明確に!」を心掛けております。
極限状態で選手が受け入れられる内容というのが大切で、
「過ぎたるは猶及ばざるが如し」であるという事を、最後に付け加えさせていただきたいと思います。

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