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バトルシップ手筋集第3部

この稿では上級手筋と呼ぶに値するであろう手筋を紹介していきます。 第1部(初級手筋)はこちら 第2部(中級手筋)はこちらです。 この部は上級とある通り、ここまでの手筋を理解している人向けの内容になります。強烈な理詰め問を解きたい、作りたいという人向けです。 上級手筋 余裕のある20マス手筋 中級編の20マス手筋はヒントをうまく足してちょうど20になれば、という話でしたが、20に僅かに及ばない状態ならばそれはヒントがない列にあまり無駄に艦を置けないことになるので制約とな

    • バトルシップ手筋集第2部

      この稿は3部構成の中編にあたるものになります。 第1部(初級手筋編)はこちらです。 バトルシップってそもそもどんなパズルなんだ、という方はこちらを先にお読みください。 中級手筋 艦の品切れ(難しめのもの) 1種の艦が明確に品切れになっている状態は分かりやすいですが、何かしらの仮定を置いた際に一気に使用艦数が増えて矛盾が生じるようなものは見つけるのが難しくなります。 例1:まだ1隻も艦は確定しておらず、品切れを考慮するには早いように思えますが、ここが品切れ論法の使いどこ

      • バトルシップ手筋集第1部

        この記事はペンシルパズルアドベントカレンダー2023の12月20日の記事です。 バトルシップは手筋が潤沢なパズルなので、アドベントカレンダーの記事だというのにまさかの3部構成です。 このページに載せるのは第1部の初級編となります。 この部は「ペンシルパズルを解いた経験はあるがバトルシップは初めて。手筋を一から知りたい。」くらいの人を対象にしています。わざわざこんな記事を読みに来る人にそのレベルの需要があるのかという話は気にしないことにします。 バトルシップに興味のある素敵なパ

        • Wizardry外伝五つの試練 自作シナリオ「新米冒険者の訓練場」制作指針

          なぜこのシナリオを作ったか? 初プレイ者向けのチュートリアルに徹したシナリオが私の知る限りなかったからです。 折に触れて仕掛けを説明してくれる親切シナリオや意図的に難度を下げているシナリオはありますが、根本のシステムを解説してくれるシナリオは私が知る限り公式の「偽りの代償」が初めてのように思えました。 その後「隠密を追う冒険者たち」も同様の設計を目指して作られたようですが、こちらはまだプレイできていないので言及は避けます。 そして「偽りの代償」は、システムのチュートリアルを

        バトルシップ手筋集第3部

          Wizardryと世界樹の迷宮

          ゲームの紹介 Wizardryと世界樹の迷宮。この2つはともに私が好きなゲームのタイトルです。この後の話はこれらのゲームに関する語りが大部分ですので、まずはこれらを紹介しておきましょう。 Wizardry Sir-Tech社から発売されたダンジョン探索RPG。第1作は1981年。主観視点でダンジョンを探索し、ボスの打倒などを目指します。 TRPGをコンピュータゲームに移した作という色が強く、ゲーム内にもその面影が見られます。また、コンピュータゲームにおけるRPGの原型の

          Wizardryと世界樹の迷宮

          パズルの自動生成はありやなしや?

          この記事はペンシルパズルI Advent Calendar 2022の12月15日の記事となります。 本稿は自動生成によってパズルを生成する行為についての話です。 昨今イラストの自動生成が注目され、人間のイラストレーターの仕事は失われるか、自動生成によって描いた絵に人間と同じ価値を認めるべきか、イラストレーターは自分の絵が自動生成の学習データとなることを拒否できるかなど、なんやかんやと話題になっていました。 パズルの世界も割と近い状況にあると感じたので、そのあたりのことを書

          パズルの自動生成はありやなしや?

          好きなゲームを語る(最終日 リカーーーリング)

          基本データ リカーーーリング 作者: 賽苑(個人名でなく、サークル名です。個人名は出ていないようです) 適正プレイ人数: 4人 プレイ時間: 4人4ラウンドで50分程度 ゲームの概要 nのカードがn枚含まれているセットで行うゴーアウト風ゲーム。複数枚のカードを出すには数字が揃っていなければならず、かつ出せるのはその時点での場札に対し「同じ枚数でカードの数字が小さい組」か「1枚多い組」のみとなっています(例えば7の3枚組に対しては4の3枚組、9の4枚組、4の4枚組などが出

          好きなゲームを語る(最終日 リカーーーリング)

          好きなゲームを語る(9日目 The CREW)

          基本データ 作者: Thomas Sing 適正プレイ人数:4人 プレイ時間:1ゲームは10分ほどですが、クリアごとにノルマを更新してストーリーを進めていく形式なので少なくとも60分、できれば120分くらいはプレイ時間を取っておいたほうが良いと思います。 ゲーム概要 協力型のトリックテイキングです。説明書に記載された50のノルマを次々にクリアしていきます。ノルマには特殊なものもありますが、多くは以下の手順により決定されます。 1)プレイヤーに配られる手札とは別に目標を決

          好きなゲームを語る(9日目 The CREW)

          好きなゲームを語る(8日目 チームプレイ)

          基本データ 作者:Johannes Schmidauer König 適正プレイ人数:4人(箱にはなんと3~6人とある。6はともかく3、5はゲームの趣旨的におかしい) プレイ時間:30分ほど ゲーム概略 向かい合う2人でチームを組み、各人に配られる個人の目標カードや場の中央に出ている共有の目標カードに書かれている条件を手札で達成することを目指します。 カードは1~8のカードが赤青各4枚の計64枚からなっており、目標カードにはそれらの組み合わせが書かれています(同じ数字の

          好きなゲームを語る(8日目 チームプレイ)

          好きなゲームを語る(7日目 バトルライン)

          基本データ 作者: Reiner Knizia 適正プレイ人数: 2人 プレイ時間: 20分 ゲームの概要 9つ横に並んだ戦場のそれぞれに兵士のカードを配置していき、各戦場での勝利を奪い合います。 各ターンは基本的に1枚のカードをいずれかの戦場に出しては山札から1枚補充する流れで進行していきます。それぞれの戦場には3枚までカードを置くことができ、両プレイヤーが3枚のカードを出した時点でそれらの強さを比較し、より強い役を作っていた方が勝利となり、その戦場のフラッグを獲得す

          好きなゲームを語る(7日目 バトルライン)

          好きなゲームを語る(6日目 28355!)

          基本データ ※「つばさごーごー!」と読みます。 作者: yas 適正プレイ人数: 3人ないし4人(2人用ルールも面白いが、立ち位置は拡張) プレイ時間:約15分 ※アイドルマスターシャイニーカラーズの二次創作ゲームです。 ゲームの概要 アイドルのプロデューサーとなって輝き溢れるアイドル達を生み出し、オーディションを勝ち抜くゲームです。とはいってもアイドル育成系の要素はなく、プレイヤーにできるのはアイドルの組み合わせによる「編成」をカードドラフトによって作ることだけです。

          好きなゲームを語る(6日目 28355!)

          好きなゲームを語る(5日目 El Dorado)

          基本データ El Dorado(エルドラドを探して) 作者:Reiner Knizia 適正プレイ人数: 3人ないし4人 プレイ時間: 90分 ゲームの概要 黄金の都エルドラドを目指してマップ上の探検隊を進めていきます。勝利条件はエルドラドに真っ先に到達することですが、それまでの道中には険路が待ち構えており、それを乗り越えるためには探検隊を強化する必要があります。「エルドラド」の基本はデッキ構築であり、デッキ内のコインを使って新しいカードを買うことで、一度に進めるマス数

          好きなゲームを語る(5日目 El Dorado)

          好きなゲームを語る(4日目 Die Burgen von Burgund)

          ゲーム情報 Die Burgen von Burgund(ブルゴーニュ) 作者: Stefan Felt 適正プレイ人数: 3人ないし4人 プレイ時間: 120分 ゲームの概要 タイルを取っては個人ボードのマップに配置していき、豪華な領地を作りましょう。 まず全員がダイスを2個ずつ振り、順番にそれを消費して行動していきます、全員がダイスを使い切ったらあらためて全員がダイスを2個振り、以降同様の動きを繰り返すことでゲームが進んでいきます。 各プレイヤーは手番に、自分が振っ

          好きなゲームを語る(4日目 Die Burgen von Burgund)

          好きなゲームを語る(3日目 Latria)

          ゲーム情報 Latria 作者:Y.Ohashi 適正人数: 4人(箱には3~7とありますが、3人でも5人でもかなりゲーム性が失われます。) プレイ時間:20分程度、ただし割と複数回プレイ前提。 現在絶版 以降の文章では、4人プレイを前提とした数値の記述があります。手札に使われるカードが90枚中40枚など。 ゲームの概要 占星術師として天体の巡りを予測する、みたいなストーリーだった気がします。ゲームのルールには特に絡んでこないのでほぼノーテーマです。 ドラフトで10枚

          好きなゲームを語る(3日目 Latria)

          好きなゲームを語る(2日目 Galaxy Trucker)

          基本データ Galaxy Trucker 作者: Vlaada Chvátil 最適プレイ人数: 4人 プレイ時間: 90分程度(初回はインストに30分ほどかかります。また、インスト後に一度1回目の航行まで程度のデモンストレーションを行うとよいかと思われますので、時間に余裕を持つことをお勧めします) ゲームの概要 宇宙船を造り、それに乗って宇宙に旅立ち、価値の高い鉱物を手に入れて帰ってきましょう。ゲームは建造フェイズと航行フェイズとを3回繰り返し、3回の航行の合計点で勝

          好きなゲームを語る(2日目 Galaxy Trucker)

          好きなゲームを語る(1日目 Onirim 最初の旅と七つの書)

          基本データ Onirim 最初の旅と七つの書 作者: Shadi Torbey 最適プレイ人数: 1人 プレイ時間: 15分程度(拡張を乗せるとその分長くなり、最長30分程度) ちょっと補足 ゲーム「Onirim」ははじめ、入っている拡張ルールが少ない初代版が出版されており、その後拡張の数を増やした同作者のリメイクとして「Onirim 最初の旅と七つの書」が出たようです。なのでこれは初代版の拡張ともとらえられます。私が持っていてOnirimだと認識しているものは正確にはこ

          好きなゲームを語る(1日目 Onirim 最初の旅と七つの書)