好きなゲームを語る(4日目 Die Burgen von Burgund)

ゲーム情報


Die Burgen von Burgund(ブルゴーニュ)
作者: Stefan Felt
適正プレイ人数: 3人ないし4人
プレイ時間: 120分


ゲームの概要


タイルを取っては個人ボードのマップに配置していき、豪華な領地を作りましょう。
まず全員がダイスを2個ずつ振り、順番にそれを消費して行動していきます、全員がダイスを使い切ったらあらためて全員がダイスを2個振り、以降同様の動きを繰り返すことでゲームが進んでいきます。
各プレイヤーは手番に、自分が振ったダイスを用いて共用ボードからタイルを取ったり取ったタイルを自分の個人ボードのマップに配置したりします。
その際に使用するダイスの目によって、取れるタイルやタイルを配置できるマスが変わってきます。ダイスに対して大きく「タイルを取るために使う」「タイルをマップに置くために使う」の2通りの用途があり(他の用途もありますが省略します)、目の割り振りが問われることになります。
マップはいくつかの区画に分かれており、タイルを置いてその区画が全て埋まると区画の面積及び完成の早さに応じた勝利点を得ることができます。また、マップの各マスは置けるタイルの属性が決まっており、例えば黄緑のマスには牧場しか置けない、茶色のマスには市街しか置けない、といった配置制限となっているのですが、地図上の一色、黄緑なら黄緑のマス全て、茶色なら茶色のマス全てを埋め切るとさらにボーナス点が入ります。これは色ごとの早取りとなっています。
勝利点すべてを合算し、その総和で勝敗を競います。

このゲームを写真無しで説明するの難しすぎるな!とりあえず買って!


このゲームの特長


1. 軽い重ゲー

撞着語法だなあ。プレイ時間は2時間、長考する面子なら3時間かかってもおかしくないゲームですが、このゲームのプレイ感は重ゲーにしては相当軽いと感じます。各ラウンドではダイスの使い道を決めるだけですし、ダイスを乱数発生装置としているために先読みが困難になっているのも大きいです。先読みしたところで次のラウンドで自分が望む目を出せなければ画餅ですし、他の人が出した出目によってもその場その場で行動の優先順位は変わるので未来のことは分かりません。今日その日の花を摘め。これによって1手番の重みが軽くなり、手番制の重ゲーにしてはダウンタイムが相当に短くなっています。
プレイ感の重さは重いプレイ感の方を好む人もいるので一概に長所とは言えませんが、ダウンタイムの短さは明確に長所と言えるでしょう。


2.序盤で資源、後半で勝利点、への明確な対抗

ゲームのテーマ、メカニクスを問わず「序盤は資源確保や能力値上昇などで地盤を作り、中盤以降で勝利点に変換する」ことを大きな流れとするゲームは多く存在しています。この機構は、序盤と終盤とで重要となる要素を変えることでゲーム進行に伴う変化を持たせられる面では有効です。しかし、毎回序盤の手が似たり寄ったりになりやすい、全体のプレイ感がどのゲームでも似たような感じになる、といった問題がたびたび指摘されているところでもあります。
そこでこのゲーム、「ブルゴーニュ」に学びましょう。このゲームでは、まずは地盤固めなどと言う間もなく最序盤のフェイズからどんどん勝利点が入っていきます。区画完成のボーナスは完成が早いほど高いので早々に勝利点行動をとる動機がありますし、そもそもの話として取ったタイルの一時保管場所が3マスしかないので順次置いて勝利点に変えていかないと渋滞します。ここまで序盤から目先の勝利点を取っていく重ゲーはなかなかありません。
こうなると、最初から最後まで勝利点を稼ぐ一本でゲーム通しての動きが単調になるのではないかという懸念が湧いてくるところですが、序盤は受けの広さ、中終盤は一色埋め切りボーナスの早取り、最終盤は決まった残りターンの中で現実的な確率で出せる最大得点の模索と、勝利点稼ぎ主体の思考の中できっちり考えることは変わっているのです。「序盤は資源、終盤は勝利点」の考え方に頼らないどころかずっと勝利点レースであるにもかかわらず変化がある。何と素晴らしいことか!


こんな人にお勧め

いくらプレイ感が重ゲーの中では軽いといってもルールが多いゲームには違いないので、それに耐えられることは求められます。
ダイスの扱いに特徴がある以外は典型的な箱庭系ゲームなので、他の箱庭系ゲームに面白さを感じた人であればこのゲームも当たりとなる確率は高いと思います。

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