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一日一首

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2022年6月の記事一覧

一日一首

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ある夏日行き交ふ車の横がほに映し出される還る家々

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魚焼きお味噌は溶いて豆を煮る八品揃え母は微笑む

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さくらんぼ甘酸っぱくてかなしくてあの房みたくあなたと二人で

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テーマ:祈りと勝利

茹だる一歩手前の風に思い出す面鉄(めんがね)の奥祈るような目

鳥居前駆け込み乗車の同輩を睨め付け踵を返せずもせず

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一日一首

画面越し熱中症で倒れた子 茶の間は早めに夏越の祓

[追記]
通っている大学は京都にあります。京都に通うようになって初めて知った和菓子が「水無月(みなづき)」です(みなさんはご存知でしょうか?)

本来なら6月30日に食べる縁起物なのですが...。すごい暑かったので気分だけでも涼しくなろうとフライング。ま、また月末に食べてもいいでしょう。

食い気が先行して真上から撮影してしまいましたが、もっと美

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夕どきのやらかい風が田を撫ぜて気持ち良さげに稲は伸びする

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テーマ:紫陽花と母

たんじょうび あおむらさきのはながさく なまえはなんというのだっけ

六月は花束抱え帰るのだ 紫陽花の咲く母の庭へと

「紫陽花を」ねだる声亡く今更に鉢植えなんかを指折り数え

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タイトル:山行

山駆けてゆく道先の険しさにふふふと笑い顔は引き攣る

右手(めて)に死を左手(ゆんで)に生を載せながら往く山みちの美しきこと

ザックには食べ物ヘッデンシュラフ水 いのち背負って一歩踏み出す 

【追記】
二つ目は、過去作を手直ししました。

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桔梗印神代と今をつなぐもの災禍祓えよ生を言祝げ

朝に抜き夕に納めた一刀に桔梗の花を一輪供え

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一日一首

目が醒めて一人だったと思い知る 夢での口づけ 初めてだった

田をおもう心を思うと言うのだと祖母の背中は静かに言った

線を引くそして生じる認識は多くのものを削るのだろう

【追記】
いつもいいねありがとうございます。短歌のフィードバックがあるとモチベ上がりますね。

短歌に興味をもち始めたきっかけは、中学校の古文の時間に和歌を学んだことでした。和歌が詠めるってめっちゃカッコイイ!!!!っていうの

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スタンドさえ明るく見えるの普段より明日はあなたと会えると言うから

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キエフをさキーウと言って、悦に入る 平和な国の平和な人々

【ややくどい蛇足】
ウクライナとロシアの紛争がなお続いています。日本でも報道機関が常にこの紛争について連日続いていますね。最近は報道が少し下火になってきたように思いますが、ウクライナの地ではなお、今も銃弾が飛び交って誰かが命を落とし、誰かが悼んでいるのだと思います。

戦争の是非というよりかは、ウクライナとロシアの戦争をめぐる報道の在り方

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片隅の花の名前は知らずともその花にこそ想い知る日々

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一日一首

早苗這う水面を揺らす風が吹き月が沈めば梅雨が来るらし