メディア・企業・広報 サステナブル狂想曲 VOL.1 プロローグ
日本はESGにおいて、世界に大きな遅れをとっている
ESGに興味がある方なら、一度は耳にしたことがある言葉ではないでしょうか?
責任投資原則(PRI: Principles for Responsible Investment)は、2006年に当時のアナン国連事務総長が提唱したイニシアティブで、投資家が財産を運用する際に、社会的・環境的な側面や持続可能性に焦点を当てる考え方です。
ただ、実際にESGという言葉に触れるようになったのは、2006年頃ではなくつい数年前のような気がしています。おそらく日本にいる多くの人が、私と同じような感覚を持っていると思いますが、その間に欧米が色々と率先して行ったため、日本は遅れていることは事実だと思います。
そして、持続可能な社会を作るという意味で、似たような文脈で使われやすかったり、たまに混乱している人がいるのがSDGs(Sustainable Development Goals)です。
SDGsは、国連が2015年に採択した持続可能な開発目標のことで、2030年までに達成すべき17の具体的な目標と169のターゲットからなる枠組みです。SDGsは、貧困の撲滅、地球環境の保護、社会的な不平等の解消など、持続可能な未来を実現するための包括的なアジェンダを提供しています。
近年は、どちらのワードもよく見かけるようになりました。ただ急激に増えた話題ゆえ、ESGやSDGsに関わる多くのメディアや広報、関連部門で働く人々が創成期の混乱の中で生きている、そんなふうに見えるのです。
本当に日本におけるESGブームは最近からなのか?ということを確認するため、手始めに日本経済新聞で、"ESG"という文字を検索してみました。
同様に日本経済新聞で、"SDGs"という文字を検索してみました。この言葉は2015年に生まれた言葉なので、ESGと比べると歴史が浅いですが、結果はどうでしょう?
ESGは2019年から2020年に急激に増え、SDGsは2020年から2021にかけて急激に増えているのがわかりますね。
ちょうどこの時は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックへ向かう上昇気流の中で、Covid-19(コロナ)によるパンデミックが起こり、これまで通り人々が生活を営むことが難しくなった時でもありました。
そしてちょうど同じくらいの頃より、「環境に優しい製品を開発したからメディアに取り上げられたい」、「社長命令でESG経営を取材してもらわなければいけないんだけど相談に乗ってくれないか」、と言ったような話を多く聞くようになりました。
今回から、「メディア・企業・広報 サステナブル狂想曲」と題して連載していきますが、ESGやSDGsとは何かという話ではなく、あくまでそれに関わるメディアや広報やPR、企業側担当者のリアルな話にしていきたいと思います。
では次回、メディアがどういう状況、構造なのかを、つづっていきます。また見にきてくださいね。
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