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読書会の場所

教室、図書館の多目的室、ビルのイノベーションスペース。

読書会の魅力は、どこでもできることです。
その中でも、現在の主な開催場所は製図室です。

製図室? もはや製図しない

実はこの読書会プロジェクト「COLUB」は建築学生の手で始まりました。
製図室は彼らが日々活動をする場なのですが、これを他の学科の図書館と比較して考えると、その特徴がわかりやすいです。

多くの学生は図書館で勉強しますよね。それは資料が豊富な静かな空間で、ひとりで集中できる場だからです。そこでレポートや問題に取り組むはずです。

建築学生は製図室で、建物の模型をつくったり、スケッチを描いたりします。なぜなら机が普通より大きく他の学生と話し合って作業しやすい環境だからです。

なぜこのような場が用意されているのかというと、
建築学生が取り組む「設計」は自由にデザインできるので、明確な答えがなく他の学生との議論の中で、自分の方向性を見つける必要があるからです。

つまり製図室とは、もはや図面を描くための場ではなく、
学生どうしのコミュニケーションを促し発展させる場なのです。

大きい机とホワイトボード

もうおわかりのように、こうした製図室の性格は、
人のコミュニケーションを鍵として成立する読書会にはピッタリです。

そして大きい机を4、5人で囲んで、
参加者の発言をわかりやすくするためのホワイトボードを用意すれば、
読書会の場づくりは完了です。

つまり「製図室」という空間のエッセンスは、
個人化されていない机にあると思います。

他方、僕たちが小学校から慣れ親しんできたあの机と椅子は、「個人」での取り組みを強要するミクロの権力装置だったと考えることもできます。

そして先生だけのものだった黒板を、
参加者が誰でも書き込めるホワイトボードにしてしまえば、「自由な学び」はすぐに実現できるのです。


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