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【心理カウンセリングの現場から】 まったく話さなかった子が、受験面接に挑戦

カウンセリングの現場でのある親子のお話。

高校受験を控えたA君。

彼は、場面緘黙(かんもく)症といって、極度の緊張から人前では全くお話ができないという症状を持っています。

慣れている家族という場面では普通に話せるのにも関わらず、それ意外では、まったくできなくなってしまうのです。

ですからコミュニケーションは筆談か、「はい」「いいえ」で答えられる質問にしてもらい、それにうなずくなどの簡単なもののみでしかコミュニケーションができませんでした。

幼稚園からのその症状を持ち、中学3年生の今まで、どんなに頑張ってもできなかったのです。

しかし高校受験を控え、希望校を受験するには「面接」があることが判明。

「面接」では、10年間全くできなかった会話を、実際に声を出して行わなければならないのです。

そこで、A君とお母さまが相談にやってこられました。

お母さまは以前、私のインナーチャイルドセッションを受けたことがあり、息子さんにも受けさせたいと思っていました。

面接のためにお話することが必要だということもありますが、それ以上に、高校になったらみんなとお話ししてみたいという彼の希望を叶えさせてあげたいという思いからです。

しかし、話しをしない彼でもセッションは可能なのでしょうか?????

実はなんと、初回で私とお話しすることができたんです!!!

すごっ。彼の潜在能力(^_^)

そして、面接本番。


緊張状態の中、全く知らない面接官の前で、彼は堂々と大きな声で的確に受け答えされたそうです。

面接後(面接はA君とお父さま)、

お父さまからお母さまに送られた Lineのメッセージです。

「無事終了。
 十分聴こえる声で、完璧な受け答えしててビックリ。
 グッジョブ!」

そして、昨日の合格発表。

「合格」です!!!!!!!!!!

私は号泣ですよ。

では、お母様から感動のメールをご紹介したいと思います。



石川先生、こんにちは。

さきほど速達で 合格通知が届きました。
本当にありがとうございました!

Aと主人から聞いた面接の様子は 次の通りです。

もちろん緊張はしていたようですが、いつものポーカーフェイスなAです。

「第一印象が大事だから名前と挨拶は出来る限り大きな声を出そう」

と夫が声をかけ、まっすぐよく響くAの声に 

夫は「こんな声が出るんだ!」と驚いたそうです。

(中略)

帰宅したAは、

「面接官が明るくて答えやすかった。落とす気がない面接だった」

と言っていました。


夫はこの面接が、

「Aを育てていて、五本の指に入るぐらい感動した」そうです。

緘黙児ではありましたが、小さな頃から感動をたくさんくれる自慢の息子です。

4歳で場面緘黙になり、今14歳、なかなか先の見えない十年間でしたが こんな日がやってくるなんて本当にうれしいです。
ありがとうございました。


私がインナーチャイルドセッションを受け、これをAも受けられたらどんなにいいだろうと思いました。

その時は無理だろうと、セッションの話はまったくしませんでした。

進学を機に変わりたいAを導いてくださってありがとうございました。

この時期にインナーチャイルドセッションを受けることができて本当によかったです。


他人との会話に慣れていないので、これから先、多少戸惑うこともあるかもしれませんが、「しゃべれない自分」という蓋がはずれ、より一層自分らしく生きられるだろうと思います。

石川先生、本当にありがとうございました!

Aの母より


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私は悔しい時はよく泣くのですが、嬉しいときはテンションが高くなるだけで、あまり涙を流さないんですね。

しかし、このメールを受け取ったとには大泣きでした。


A君は、障害を克服しただけでなく、障害は乗りこえられるんだ!!と、勇気を分けることができる人になったのです。

10年間という長い道ではありましたが、
人って、絶対に変われるんです。

絶対に(^_^)


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