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映画「PERFECT DAYS」

昨日の投稿を最後に、しばらくnoteは読むだけにしようと思っていたのに、こんなにいい映画を観てしまったら、書かないわけにはいかなくなった。


映画館に出向いて作品を観ることは、年間通してそんなに多くない私が「あ、この映画は今の私に必要だろうな」と、なんとなく、勘が働く時がある。

「PERFECT DAYS」

交流あるnoter様の中にも、この映画を観た感想を記事にされている方が何名かおられた。興味が湧いて、予告を観る限り、これは「観ない」という選択肢が存在しないのではないかというくらい、好みだった。

予告から流れる音楽、光、全体の色調。何気ない日常と、何かが語られているのであろう、役者の表情。
観たい。絶対に観る。

そして今日、やっと観に行ってきた。
感想として、まずは、映画館で上映中に鑑賞できて、本当に良かったということ。
この映画自体が持っている、なにか『情緒』のようなものの中に沈み込んだ。



それぞれの世界がある。
愛しい日常と、その中に起こる小さな変化を慈しむ。
同じように見えて、決して同じ一日はない。

木の梢
木漏れ日
葉の先端と
スカイツリー

守られた自分だけの日常と
自分以外のものに起こる変化との共存。

自分だけの世界は、いつも誰かの世界のすぐ隣にあって、
それを許す、許さないではなく
それによって一つの世界。

喜びを噛みしめる
悲しみを抱きしめる
怒りを受け止める

日々が続いていく。

変わらない時間は愛おしくて
それでも、変わらないことは
とても残酷。

そんな変わりゆく世界の中にある
PERFECT DAYS

この映画のタイトルが『PERFECT DAYS』であることが、嬉しい。


映画館は、隣との間に空席を作れないくらい盛況だった。
二時間を超える内容なのに、あっという間に感じた。

エンドロールが終わって、徐々に観客が席を立つ中、後ろに座っていた(声から推測するに)50、60代の男性が、「なんのことかわからねえ」と言った。
私はその感想が面白くて、そのあと、たびたび思い出しては笑っている。
そういえば、多くを語らないこの映画の主人公もそんな感じで、よく一人になった空間でにやついているのだった。

映画を観たからといって、突然大きく価値観が変化したりなんて、そうそうないかもしれないけど、おじさん、それでも大丈夫。私はそんなあなたの言葉で笑わせてもらったし、なんだかとても良い日になった。


現在、日常を遠くに感じてしまう状況にある方がたくさんいることを、考えずにはいられない。
毎日がつらくて苦しくてどうしようもない人もたくさんいる。
そんなことを考えながら「PERFECT DAYS」を観ていた。




#映画感想

※かなり個人的な感想を書いています。


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