2024年3月の記事一覧
澄んだ夜空、しかし星は見えない。
実家に帰ってきた。
半年ぶりに。
こっちでやらないといけない用事があった。
10日ほど滞在した。
仕事道具を持って帰ってきた。
家には誰もいなかったので勝手に入った。
"勝手に"入ろうと思った自分がなんだかおかしかった。
かつての自分の部屋は殺風景。
換気のために開けられた小窓。
白いカーテンレースが風に揺られている。
隅には落書きだらけの学習机。
パソコンとノートを広げた。
メガネと
午前二時、キッチン、キミ。
あおはさー、とキミが言った。
午前二時だった。
つまらない意味で優しいんだよ。
そう言いながらキミはゴソゴソと冷蔵庫を物色していた。
キッチンのテーブルで文章を書いていた。仕事が忙しいのでこの時間にひっそり書くのだ。賞に応募するための小説だった。受賞できるとは思っていない。他に上手い人はごまんといるから。
どういうこと?と聞いた。気になったので。
キミは言った。
誰も傷つけない奴は誰