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日々のかけらから考えたこと

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普通の毎日を切り取って、見えた景色をお届けします。モノより思い出。
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#人生

アドバイス上手になろうとしたら、気付いてしまったこと

アドバイス上手になろうとしたら、気付いてしまったこと

「もっとこうしたらいいよ」って、上手に伝えられる人に憧れる。

先日、楽器の練習中にアドバイスを求められる場面があった。それなのに自分は、正直「よかった!」しか出てこなくて、何も有益なことを伝えられなかった。

せっかくの上達の機会を(お互いに)ふいにしてしまった気がして悔しくて、アドバイス上手な友人に、何かコツはないかと聞いてみた。

①自分がいっぱいアドバイスを受けて、引き出しを増やす

「そ

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生きる意味なんてなくても、生きたい理由はあった

生きる意味なんてなくても、生きたい理由はあった

『100日後に死ぬワニ』が、死んでしまった。寂しいなぁ。

こんな機会に改めて「終わり」を意識してみると、「死にたくない」とは思わないけれど、「生きていたい」とは思う自分を発見して、なんだか少し嬉しくなってしまった。「生きたい」と思えることは、当たり前ではない。

会社勤め時代、仕事は面白かったし、一緒に働いている人はいい人ばかりだったし、飲みに行く時間は至福だったし、たまの音楽の本番はぞくっとす

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春のにおいと縁

春のにおいと縁

春のにおいがする。

朝外を歩いていると身体がうずうずしてきて、ついついマスクを外してしまう。思いっきり吸い込むと、ふんわりとあたたかなにおいがした。春だ。花粉やウイルスの脅威もこのいいにおいで帳消しにしてしまいたくて、深呼吸を繰り返す。

においの感覚が一致する人とは、相性がいい気がする。

先日友人と歩いていたときのこと。「春のにおいがするね」と言ったら彼女は、「小学校の、桜が満開な入学式、み

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その価値観、本当に必要?

その価値観、本当に必要?

旦那とは学生の頃から付き合い始めてもう10年以上経つので、何か長続きするコツでも書こうかなぁ。

と思って書いてみたら、意外と旦那関係ない内容になってしまった。まぁいいか。

旦那は昔から、靴下を裏返したまま洗濯カゴに入れる人だった。それにイライラして、見つけるたびに散々怒り散らしたが、改善される気配はゼロ。

それもそのはず、彼に問題意識はないのだ。彼は靴下を履くときに裏返っていたら自分で直すし

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10年続けて見えてくるもの

10年続けて見えてくるもの

10年続けて見えてくる景色。

楽団でお互いトータル10年以上打楽器をやっている子と、10年続けて見えてくるものってあるよね、と盛り上がった。

話の始まりは、ある奏法が難しくてなかなか出来るようにならないんだよね、なんていう雑談。でも、結局、「魔法のような解決策はなくて、出来るまでやる(一番確からしい方法で練習を積み重ねる)のが一番近道」って、お互い同じ結論に至ったのが、興味深かった。

失敗せ

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宝箱を開ける人

宝箱を開ける人

「宝箱を開ける人」は、かっこいいなぁと思う。
ズラリと並ぶ宝箱を次々と開けて、「これもこれも面白そうじゃない?」って言えるような人。

不動産の営業をしていた頃、私の周りには素敵な営業マンがたくさんいた。営業スタイルは様々あれど、みんな、「宝箱を開ける人」だった。

初めての宝箱をみせてくれたのは、当時の部長。

入社して2年目の春、1つ下の新人が珍しく大量に配属された。その新人研修の一環として、

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休みのたびに熱を出してしまう、頑張りやのあなたへ

休みのたびに熱を出してしまう、頑張りやのあなたへ

仕事や家事育児や勉強、毎日それぞれの持ち場でおつかれさまです。

今日は春の嵐のせいかどんよりした体調なので、もっとどんよりした体調だった頃のことと、そこからの脱出劇を書いてみようと思う。

社会人になって何年かは、長期休暇のたびに高熱を出していた。

盆と正月にもらえる5日間程の貴重な連続休暇。休暇初日に新幹線で実家に帰り、久々に誰かの手料理を食べて、美味しい嬉しいと思うのも束の間、食事後すぐ気

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旅の歌

旅の歌

記憶と音楽は、密接な結びつきがあるらしい。

ある曲を聴くと、自分でも忘れていた思い出がぱぁぁっとよみがえる、ということもあるし、何度も聴いていた曲はもはや思い出の一部として、記憶を強化してくれている気もする。

思い出と深く結びついた音楽の中で、一番古いもの。

それは、「旅の歌」と(幼少期の私に)命名された歌で、名前の通り、どこかに出掛ける時によく聴いていた音楽たちだ。

私の両親はアウトドア

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「おかえりなさい」と言われて、考えたこと

「おかえりなさい」と言われて、考えたこと

「おかえりなさい」は、いい言葉だ。

仕事から帰り、マンションのエントランスを抜け、郵便受けをチェックして、エレベータホールでボタンを押して待った。到着したエレベータの扉が開くと、中から出てきたのは小さなゴミ袋を持ったおばあちゃん。おばあちゃんは自分が降りたあとの扉を片手で押さえながら、「おかえりなさい」と声を掛けてくれた。

「こんばんは」を言う口になっていた私は、とっさのことで「ただいま」が出

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部屋との別れと、ピンクのバラ

部屋との別れと、ピンクのバラ

3月は、別れの季節。引越の多い季節だ。

不動産屋に勤めていた頃、たくさんの引っ越しを見送ってきた。人が引っ越してゆく様子は、人それぞれだ。部屋をピカピカに掃除してくれる人もいれば、鍵の引き渡し直前まで荷出ししていて部屋はほこりだらけのまま、という人も多い。

様々な別れの中で、印象に残っている人がいる。

約束の時間に部屋を訪れると、その女性も彼氏と共に部屋に戻ってきたところだった。友人達が、送

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