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13.細胞が喜んだスパイスカレー屋さん

楽しい、美味しいカレー屋さんのお話しと、アーユルヴェーダ目線の食事レポートです。



某日曜日早朝、アーユルヴェーダ受講のため東京へ向かう。旅は消化不良を回避するためにも何を食べるかは重要だ。「舌(味覚)が満足するもので選ぶのではなく、細胞が喜ぶものは何なのか」というアーユルヴェーダ理論を取り入れて、一人客ウェルカムな飲食店をネット検索。

アーユルヴェーダでは、1月は乾燥が強く、冷たい風が吹くヴァータ優勢の季節、といっている。また、旅などの移動もヴァータドーシャが増悪すると言われている。私のプラクリティ(体質)もヴァータ。ヴァータが乱れると関節痛や便秘、肌の乾燥、動悸、不眠、不安、うつ、筋肉硬直を招きやすい。

ヴァータの性質は「粗い、乾き、軽い、動きやすい、冷たい、微細」。この反対の性質の食べ物、「暖かい、しっとりしている、適度な油分と水分を含む」食事を積極的に取り入れたい。そのため、冷たい生野菜、空洞があるパサパサした千キャベツ、ハンバーガーなどのファーストフード、アイス、刺身はできるだけ避けたい。アーユルヴェーダは人間の細胞レベルで10時~14時が火と水のピッタドーシャが活発な時間である為、胃や小腸の消化の火であるアグニが活発。肉や魚などのタンパク質などのパワフル食材も食べて良しと考える。
さて、何を食べるか…。



スパイスカレー店のインスタグラムを発見。インドを旅してきた日本人男性がオーナー。基本のキーマカレーと日替わりカレーのワンプレート。そして目を引いたのが、日替わりのスパイスポエムがある。
「・・・面白!!」
スパイスカレーということは、消化促進剤であるクミンを使い、体を温めるしょうがやシナモン、カルダモンも使っているだろう。アーユルヴェーダ的昼食として合格フラグだ。ただし、その日の店主の体調によって、オープン時間の変更があるようだが、もう気持ちが行くことしか考えられない。



スマホに道案内してもらい、11:30、お店到着。
店は開店していた。店頭スタンドボードの今日のスパイスポエムを発見。

「夢が叶うことを一度でも体感すると叶う夢が増えてくる」

今、こうしてアーユルヴェーダの勉強のため、家族の理解を得て、自由に上京することができている。そうそう、その通り。

私が1番客。店主も1人。「腰が痛いので、あまり動けないから」と言い、カウンター席勧められる。辛さはオススメを選択、トッピングは無しとする。本日のカレーはトムヤンクン風カレー。現金のみの取り扱い説明があり、先払い。待っている間、店内を観察。棚には瓶入のカルダモンやコリアンダーシードなどが置かれている。しばらくすると、次々お客さんが入る。常連2人組、中年カップル、私のほか、女性一人客も来た。待っている間、店主が店を始めたきっかけが書かれた挨拶文を読む。(インドで拉致されたって書いている…Σ(・□・;))

10分程で平たい皿に乗ったスパイスカレーが届く。店主の腰が痛そうであり、手を伸ばして皿を受け取る。皿の真ん中にはバスマティライスが縦に仕切りのように盛られており、人参や昆布などのアチャールなどが乗っている。その両側に2種のサラッとした液状のカレー。一皿に多様な色の食材が乗り、見た目が華やかだ。そして、スパイスの香りが嗅覚を刺激。このワクワクを一人で噛みしめる。軽く手を合わせ、心の中で「いただきます」を唱える。

キーマカレーは、コリアンダーやクミン等のスパイスの粒が舌に残り、スパイスの配合が絶妙に混ぜ合って美味しい。出汁も優しい味だ。トムヤムクン風カレーは、ナンプラー(カピ?)とレモン?のような柑橘系の酸味がとても美味。

ヴァータドーシャを抑えるためのラサ(味)は甘味、酸味、塩味を多めに摂るのがベスト。このカレーはこの3味が多く、ヴァータ増悪を避けたい私が求めていたランチ基準の合格点をクリアした。いや、突き抜けた。アーユルヴェーダの先生が言っていた「細胞が喜ぶ味」だ。

店主曰く、混ぜて食べてほしいというため、それぞれのカレーを半分ほど食べてから混ぜてみる。キーマカレーのスパイスとトムヤムクン風カレーの酸味が混ぜ合わって新しい味に変化した。同じものを食べているはずだが、混ぜることで第三の味が登場した。不思議な体験だが、これこそスパイスカレーの醍醐味。味覚のエンターテイメント体験だ。(※彦摩呂さん…ではない。笑)

このカレーは、スパイスポエムにもあるように店主から食を通したメッセージと想いがあふれたクリエイティブ作品だった。スパイス一つ一つに計算された技量や主張が表現されている。人が人に手をかけたい想いというのは食べ物を通して伝わるのだなぁ〜と勝手に考察。店主が俳優であったという情報もあり、表現の世界で活躍された方は、食を通しても人に感動を与えることができるのだろうと思った。もちろん、その裏の努力は計り知れない。



私は、その場で店主へ気の利いた言葉掛けが浮かばず、ふつうに「おいしかった」と「ご馳走様」という事しか言えなかった。外食で感動したのは久々だった。アーユルヴェーダ的に、この一皿のカレーはヴァータ増悪をしっかり鎮静してくれた。本当に美味しかった。

noteを通して、店主の方へ。
五感がワクワク、スパイスカレーをありがとうございました。美味しかったです♪



※店主は数日後にヘルニア手術を控えていること、店をしばらく休業するという話を常連客としてました。(きっと鎮痛剤使いながら根気で立っているのだろうと想像する…。)
店主の痛みからの解放と復帰を遠くから祈ります。




《お店情報》インスタグラムhttps://www.instagram.com/nobu_curry?igsh=MWFtNmV3cno0dmR3dQ==

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