雪の中、懐かしんでたこと
久しぶりに連泊で宿巡る。最終日の朝、雪が降っていた。
日本の最寒記録を持つ町で育った私にとって雪はどうにも原風景に繋がる。特に山岳の植生も相まってか、針葉樹の中に少しだけ広葉樹が混じる景観がどうにも故郷を思い起こさせた。雪の景色を見る度に、そこに懐かしさを感じる事実が何処か寂しかった。懐かしいとは離れて知る感情だから、自分の中で大切にしている領域が少しずつ少しずつ失われてゆくのがただ悲しいと思っていた。けれどもこの日は色々と思い出す中で、懐かしさが消えゆくことに対しての愛おし