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創業以来、壁を超えさせてくれた7冊の本

⚠️こちらはAntway Advent Calendar 2023に寄せて書かれた、2023/12/7分の社内向け記事を転載したものです。なお、記事の内容は個人の見解に基づくものであり、所属組織を代表するものではありません。


こんにちは!株式会社Antway CEOの前島です。
この記事はAntwayアドベントカレンダー2023・7日目の記事です。
スタートアップの経営をしていると、日々いろんな壁にぶち当たります。
創業からこれまでの5年間、その度にもがきながらなんとか壁を超えてきました。今回の記事ではAntwayの創業以来、壁を超えるのに役立った本を紹介したいと思います。

「この本が無ければ壁を超えられなかったかもしれない」と思えるくらい、重要な本です。いずれも複数回読み返して今の自分の”血肉”になっています。また、知的好奇心などは置いておいて、とにかく実利的な観点で「壁を超えるのに役立った」本を取り上げています。

※本記事の書籍リンクはAmazonアソシエイトリンクになっています。本記事で発生した収益はすべてNPO法人グッドネイバーズジャパンに寄付します。

アイデンティティの壁

まず最初に紹介するのは、『あなたが世界のためにできる たったひとつのこと〈効果的な利他主義〉のすすめ』です。

あなたが世界のためにできる たったひとつのこと 〈効果的な利他主義〉のすすめ

Antwayは実は何の事業も無いまま創業しました。つくりおき.jpは創業後に作ったサービスで、サービスのリリースは創業から約1.5年経過した時点になります。

この本はほぼ創業期に、「自分が人生をかけてやるべきことは何なのか」と迷った時に読んだ本で、「効果的な利他主義」という考え方を教えてくれた本でした。

「効果的な利他主義」を簡単に説明すると、社会へのアクションにおいて「良いこと」をするだけではだめで、自分の才能や境遇、人生に残された時間を用いて”最大限たくさん”の「良いこと」をする必要がある考え方です。
特に特定の事業領域に強いこだわりがあるわけではなかった僕にとって、とてもしっくりくる考え方でした。

この本で学んだ哲学をベースに、自分がなるべく”最大限たくさん”の「良いこと」ができる領域を探し続けた結果つくりおき.jpにたどり着いたのでした。詳細はこちらのインタビュー記事にも載っていますので、興味がある方はご覧ください。

強く拘りのある領域があるわけではないけど、何らかの「指針」が欲しい方にとってはおすすめの本です。

行動規範の壁

当社でも一般的なスタートアップの例に漏れず、メンバーが増加する前に”Antwayにとっての良い振る舞い”とは何かを定義しようということで「バリュー=行動規範」の定義を行いました。

その際に考え方の基礎にしたのが『Who You Are』です。

正直なところ、僕自身は社会人としてはあまり優れた方ではないと思います。細かい数値処理は苦手ですし、約束も忘れるので前職のリクルートでは、よく「ポンコツ」と言われました。

そうした自分の欠点を埋めるような、ある種「社会人としての模範」を示すようなバリューにすべきではないか?と考えた時期もありました。しかし、結論としてはこの本にあるように「創業者が心から信じられる、自然体のまま振る舞える行動規範を掲げるべし」という結論に至りました。

結果として、ここで定めたOPEN,TRY,HEALTHYという行動規範は僕自身が率先して実現できていると感じますし、そのおかげて絵に描いた持ちにならずに社内の隅々に浸透しつつあると感じます。

「自分をありのままに貫いて良いのだ」ということの背中を押してくれた本です。

戦略の壁

次にご紹介するのが戦略系の2冊です。
これらの本の重要性を感じたのは、つくりおき.jpの事業開始から1.5年ほど開始した頃です。

売上は数十億円規模に達することが見えてきて、従業員数も数十人規模に拡大してきた頃です。

経営者としての自分の仕事の抽象度がどんどん上がってきて、なるべく中長期で事業を最大限に成長させる戦略を練ることが自分の重要な仕事の一つになってきました。

3〜10年という時間スコープや、数十〜数千億円という規模の事業について考えるというのは自分の普段の生活からは視点がかけ離れており、どのように考え始めるかすらわからない暗中模索の状態が続いていました。その中で、大変参考にさせていただいたのが以下の2冊の本です。

まず『ストーリーとしての競争戦略』ですが、当社の事業モデルにぴったりとはまる思考のフレームワークを提供してくれました。

当社の事業やプロモーション、プロダクトマネジメント、製造、配送、データ分析など自社で取り扱っているバリューチェーンが多岐にわたります。そうしたバリューチェーンを過度に単純化することなく、ある意味で”複雑なものを複雑なままに”事業戦略を描けるフレームワークとして非常にしっくりきました。バリューチェーンが眺めの事業を扱っていらっしゃる方には特におすすめです。

また、『マイケル・ポーターの競争戦略』ですが、「競争戦略とは競争しない戦略である」ということをおそらく一番初めに言いだしたのがポーター先生だと思います。

「戦略」という曖昧模糊としてものを、バシッと明確に定義してくれた本でした。

組織づくりの壁

組織が拡大し、権限委譲が進むとどのような組織にどのような役割・権限を渡すか、という組織図のデザインが必要になってきます。

その際に多くの示唆を与えてくれたのがこちらの『組織デザイン』です。

会社というのはただ何の観点も無く眺めているとただ多数の業務と多数の人の集合にしか見えないのですが、全体集合をどのような軸で切り分けていくと良いかという観点での「軸』を提供してくれる本です。

本書で紹介されている組織デザインの基本要素である、「分業」と「調整」はシンプルでありながら組織図を考える上で非常に強力なツールだと思います。

この機能は切り離すと調整コストがかかるので同じ箱(部署)に入れた方が良さそうだ、この機能は専門性が高いので分業して共通言語を持った人を集めた方が会社としての強みが生み出せそうだ、という形で「分業」と「調整」という2つの視点だけで大まかな組織図は決まってきます。

組織設計について、何から始めようかという状態の方には非常におすすめの一冊です。

チームワークの壁

同じ志のもとに集まったメンバーのはずなんだけど、何故かギスギスしている、うまくワークしない…、組織がそのような状況になった経験は誰にでもあると思います。

そんな時におすすめなのが、『チームワーキング ケースとデータで学ぶ「最強チーム」のつくり方』です。

当社も最初は少数の創業メンバーが事業をひっぱっていたのですが、組織規模の拡大に伴い部門長などの任用を開始し、権限の移譲を始めました。そのタイミングで指揮系統が混乱するということが起こりました。

本来、組織としてのスピードアップ・機動性アップのために行った権限委譲でしたが、部署ごと・人ごとの意見の衝突が起こりかえってスピードが落ちてしまうリスクが発生しました。そのタイミングでこの本をみんなで読み、改めて会社のゴールや普段のコミュニケーションの仕方について確認し合いました。

この本で主張されているのは頻繁にゴールを確認し、頻繁にフィードバックをし合うという当たり前のことなのですが、データと研究に基づいた主張ということで大変説得力があります。組織規模が拡大し、ミドルマネジメントの任用を開始したタイミングで是非一読をおすすめしたい一冊です。

人と向き合う壁

組織において、どんなに事業が拡大しても最終的には事業は「人」で出来ています。

それぞれの人がありたい姿、会社や事業から得たいもの、実現したいことといった様々な欲求の集合体として組織が出来上がっています。

そのような中で、僕自身が「本当は事業と向き合いたいのに、こんなに人と向き合って意味はあるのだろうか?自分は何をしているのか…」と虚無感にさいなまれることがありました。

その時に出会ったのがこちらの本です。

端的に言うと、「人と向き合うことの意味」を強く見出すことができ、虚無感が一気に無くなりました。

もちろん経営者は過度に人に向き合いすぎるべきではありませんが、どこまで言っても会社は人で出来ていますので、そこから逃れることはできません。自ら意味を見出し、真摯に向き合っていく必要があります。人と向き合うことに疲れた方は是非ご一読ください。

というわけで、前島の約5年の経営者人生の中で出会った、壁を超えさせてくれた珠玉の7冊を紹介させていただきました。

悩んでいる方、迷っている方の何らかの一助になれば幸いです。

こんなメンバーと一緒に働いてみたいという方、ぜひ採用情報を御覧ください!

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https://antway.co.jp/recruitment

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https://www.tsukurioki.jp/


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