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読書まとめ『13歳からのデータ活用大全』→データ活用は、人間の幸福への手がかり

『いますぐ問題解決したくなる 13歳からのデータ活用大全』中野 崇



一言で言うと

データ活用は、人間の幸福への手がかり



概要

昨年から学んでいる
データサイエンスに関する本です。

ビジネス数学教育者の深沢真太郎さんが
紹介していて興味を持ち、読んでみました。

中学生の娘とその父親と、
突如現れたリス先生との対話形式
で、
データ活用について学ぶ構成です。

13歳=中学生にもわかるような
かみ砕いた説明をしつつ、
ビジネスパーソンの業務にも
役立つ内容となっています。


教材として、小中学校の教科書を
引用している
ところが特徴。

◯◯歳から学ぶ✕✕、みたいな
タイトルの本をよく見かけますが、
図解をたくさん入れました!
やさしい言葉で書きました!
程度の意味でしかない印象です。

一方でこの本は、実際の学校教育で
使われる教科書をベースにしており、
信憑性を裏付けています。


教科書の内容によれば、今どきの13歳は
それなりのレベルのデータ活用方法を
すでに学んでいる
ことになります。

彼らはスマホネイティブであると同時に、
データ活用ネイティブでもあるわけです。

学生時代にスマホがなかったからといって、
今もスマホを持たずに生活するのは大変でしょう。

同じように、13歳が学んでいるデータ活用について、
オトナも学ばなければですね。



データサイエンスの教材として見ると、
本書は入門レベル
です。

受験用の参考書ではなく、
学校で使う教科書がベースですからね。

昨年勉強したデータサイエンティスト検定の
範囲のごく一部だと思います。



限られた内容ながら、問題解決への活かし方に
フォーカスしている
ところが特徴です。

たとえば、文化祭の準備が遅れていることを
数値化して説明するなど、
「使いどころ」が例示されています。

ビジネスシーンだけでなく、
日常的な問題解決にもデータを活用できる、
ということですね。



また、データ活用の課外授業として、
自分の人生を数値化すること
オススメされていました。

具体的には、各メディアとの接触時間の洗い出しや、
1週間の行動が大切な価値観(著者の場合は、楽しいか)に
沿っているか分類する、
といったワークが紹介されています。

私が推進している「時間の家計簿」と
かなり近い概念だと感じました。

データ活用は人間に幸福をもたらすもの、
という著者の主張には、
「時間の家計簿」の運用経験を実例に、
私は大いに賛同します。


本稿では、本書からの学びを 3点共有します。



① 小学5年生でPPDACサイクルを学ぶ時代

PPDACサイクルとは、
データ利活用に適したフレームワーク
のことです。

私は、昨年受験したデータサイエンティスト検定で
初めて学習しました。

https://www.stat.go.jp/dstart/point/seminar1/01.html

PPDACサイクルは、小学5年生の算数の教科書に
載っている
と知って衝撃を受けました。

私が30代半ばで学んだことが、
小5の教科書に載っているレベルに
なっているわけですからね。


PPDACサイクルは、データ分析に限らず、
様々な問題解決の進め方としても有用
だと感じます。

普段意識していないだけで、
私たちは経験や過去事例などのデータをもとに
問題解決を図ることがほとんどです。

自分にとって未知の事例で、
有識者に意見を求めたとしても、
それは有識者が持つ豊富なデータと洞察に
アクセスしているに過ぎません。


社会人としてこれから組織にジョインしてくるのは、
こういった知識を小学生のころから学んできた人たち
です。

立場的に上に立つ側も、
彼らと同じ知識レベルを持っていないと、
時代の変化に取り残されかねない、と感じました。



② 企画時に、解釈やアクションの仮説を立てる

仮説構築力の重要性は、
本書でも強調されています。

PPDACサイクルでいうと、
2つ目のP:Plan にあたる部分ですね。


データを集めてから仮説を考えるよりも、
データを集めるために仮説を立てる

と考える方がよいそうです。

ちょっと意外に感じました。

データありきでデータ収集をすると、
多くの項目のデータを集めることになり、
コストや期間がかかりがちになります。

また、変数が多くなるので、
分析も簡単ではありません。

仮説ありきであれば、
仮説の検証に必要なデータが絞り込めるので、
データ収集のコストや期間を抑えられます。


仮説を立てるのは、
ビジネスユーザーが担当する工程
です。

データサイエンティストの担当は仮説構築ではなく、
ビジネスユーザーが立てた仮説を
データ化・可視化することです。

ビジネスユーザーとして他部署・社外の
データサイエンティストと協力する場合も、
役割の分担を意識しておきたいですね。



③ 信頼できるか、情報の5W1Hを確認する 

データを正しく扱うには、
データの真偽を見極めるメディアリテラシーが必要です。

間違ったデータをもとに分析をしても、
効果的な結論は出てきません。


本書からの学びとして、
情報の5W1H、特にWhyを確認すること
意識したいと考えました。


二次情報には、
必ず発信者の意図=Whyが含まれています

インターネットの普及によって発信のプラットフォームが増え、
従来は限定的だった発信者が多様化しました。

それに伴って情報の質のバラつきも
大きくなったと言えるでしょう。

善意の投稿だけでなく、売上・ビュー数稼ぎや
ポジショントークなども増えているのが現状です。


発信者の意図を推測することで、
信用できる情報なのかを判断する材料
になります。

意図を推測する手がかりは、
発信者と情報源の関係性、
論調や情報の切り取り方などですね。

漫然と情報に触れるのではなく、
発信者が手間や時間をかけた
「Why」を考えてみるようにしてみます。


また、信頼できる資料として、
業界トップ企業の決算資料や
アニュアルレポート
が挙げられていました。

こういった資料の「Why」としては、
法律で情報公開が義務付けられていたり、
株主との信頼構築だったりですね。

つまり、IR情報には高い精度が求められるので、
信頼性の高い資料だと考えられます。

同様に、非営利の社団法人のレポートや、
証券会社の分析なども信頼できる資料と言えます。

業界や市場の動向を正しく理解するために、
信頼できる資料を見極めて活用していきたいと思いました。



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