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社員一人ひとりが自律的にキャリアを描き、成長し続ける。旭化成のキャリア自律支援と人事の向き合い方とは【横浜人事カレッジ#5】

こんにちは🌸
ダイバーシティ&インクルージョン推進を組織と人の側面から支援するAn-Nahal(アンナハル)です。

2024年2月に、An-Nahalが企画運営する横浜人事カレッジの第5回を開催しました🎉

📝横浜人事カレッジとは?
イノベーション推進が加速する企業において、「人事」としての役割・視点・知識をゲストや企業の垣根を超えた参加者との越境体験のなかで共に学びあう、横浜未来機構主催のコミュニティです。

毎回異なるテーマに関連するゲストの経験やリアルな事例を学べるイベント、様々な企業の人事担当者との交流や情報交換ができるオンラインコミュニティに参加できます。

前回はトヨタ自動車千々岩さんをゲストにお招きし、アルムナイコミュニティの取り組みと経験をお話しいただきました。

詳しい内容はこちら👇

今回のテーマは最近よく耳にするようになった「キャリア自律」
そもそもキャリア自律とは?なぜ今注目されているのか?人事としてどう支援する?など、様々な疑問や議論が出てくると思います。

そこで、ゲストに旭化成株式会社 人財組織開発室 三橋 明弘さん、人事部 人事室 大山 萌さんをお招きし、旭化成で取り組んでいる「終身成長」と「共創力」の2つを高める人財戦略施策について、実践者だからこそ語れる経験をお話しいただきました。

様々なキャリアパスがある社内で、どのようにキャリア自律支援施策を仕組み化し、社員への浸透を進める施策を展開しているのか。そのヒントを探った当日の様子をお届けします🎤


ゲストスピーカーの紹介

旭化成株式会社 人財組織開発室 リードエキスパート 三橋 明弘さん

1988年、旭化成工業㈱(現・旭化成㈱)入社。住宅事業部門営業、人事部人事制度企画、関係会社事業企画、事業部門人事(HRBP)などを経て、2023年10月から組織開発・キャリア開発分野の高度専門職に就任。キャリアコンサルタントとしても社内外で活動中。

旭化成株式会社 人事部 人事室(生産技術・製造・環境安全・品質保証)大山 萌さん

2007年に旭化成株式会社に新卒入社。工場勤労、本社人事労務企画、海外人事(欧州駐在)を経て、2019年より製造・環境安全・品質保証部門のHR Business Partnerを担当。現職では、製造関連職における幹部候補のサクセッションプラン、専門人材の配置育成、DE&I(女性活躍推進)等を担当している。

若手社員のキャリア観と、会社が目指すキャリア育成…人材育成のジレンマと向き合う

旭化成がキャリア自律に力を入れるようになったのは、社員の価値観の変化と人材流動化がきっかけ

これまで技術系人材は、製造職種内でローテーションしながら専門性の高いスキルを獲得していくというのがキャリアを形成するよくある流れでした。

近年は若手社員の間で、部署を超えたジョブチェンジなど、キャリアの選択肢を広げる意識が高まっているそうです。
会社の外で応用しづらいスキルを身につけることが、「自分のキャリアにとってベストな選択なのか」「客観的にどのように成長できているのか」という悩みを聞くこともあるといいます。

一方、会社としては専門性のある人材を確保すること、そして工場内で手厚く育成し、定着してもらうことが必要不可欠です。

このように若手社員のキャリア形成に対する考え方と、会社が望む社員のキャリア形成方針とのギャップをどのように橋渡しするかが課題とお話しされていました。

ディスカッションパートでは、参加者同士で抱える課題を共有しました。

旭化成が考えるキャリア育成とは

三橋さんはキャリアコンサルタントとして社内外で活動されており、組織の人材開発担当とキャリアコンサルタントの2つの視点からお話しいただきました。

自律的なキャリア形成には、社員が主体的に自分らしいキャリアを築き、専門性を高めることが大切です。

旭化成では中期経営計画の中でも、人材方針として「終身成長」を掲げています。これは旭化成で働いている期間だけでなく、人生を通し成長し続けることを目指す考え方です。

  • タレントマネジメントシステムを導入し、社員の能力やスキルの可視化と適切な配置育成計画への反映

  • 上司との面談を通じた部下のキャリア開発計画作り

  • 越境学習の機会提供
    など、さまざまな方向性から社員のキャリア自律をサポートする施策に取り組んでいます。

足りなかったのは「目線のすり合わせ」仕事の魅力を客観的に伝えることが重要

中でも印象的だったのが、社員の仕事に対する解像度向上を目指した施策について
社内ヒアリングを通じ、マネジメント職の社員は仕事へのやりがいを感じている一方、若手社員にはマネジメント職の魅力が伝わっておらず将来像として前向きに捉えていないことが判明しました。

認識違いをそのままにするのではなく、マネジメントの面白さや、工場・製造職の魅力や特徴、活躍できる範囲を言葉で伝えていくことも、キャリア自律施策として効果的という学びがありました。

この経験から今後の施策として、若手社員が育成ラインではない先輩社員にインタビューをして、仕事の喜びや楽しみ、やりがいを聞くキャリアインタビューを企画しているとのこと。

同期でもなく、上司でもない「斜めの関係である先輩」というのがポイントですね!

キャリアをできるだけ動かせるような仕掛けを進めていく

社内でのキャリア面談については、本人が考える内的キャリア(仕事に対する価値観や動機づけなど)と外的キャリア(昇進や転職など)、そして会社の意向という3つの視点が重なる範囲を広げるような対話の機会を作っていきたいとのこと。

本人の希望や育成に向けた配置について対話しやすい環境・関係作りが大事という言葉が印象的でした。

「キャリア開発のもやもやを共有できた」「キャリアにおける重要性を深く再認識できた」

当日参加いただいた方からのコメントを紹介します!

  • 各現場が抱えるキャリアの悩みをわかりやすく共有いただき、勉強になった

  • 自分ごとに内容を置き換えながら話を聞くことができた

  • 各社の取り組みを知ることができ、自社の取り組みに活かせそうな事例があった

まとめ✍🏻

キャリア自律は会社がリードして終わりではなく、社員一人一人の主体性やキャリアオーナーシップが欠かせないもの。

どこまで会社が支援するのか、そして個人のキャリアと会社として必要な人材の獲得をどのようにバランスをとっていくのか、、正解がなく試行錯誤する人事の方も多いと思います。

当日実施したグループディスカッションでも、各社の課題を共有し「わかる!」「うちでも悩んでいる」など共感の声が上がりました。

またキャリア自律の話は、配属や仕事内容の話になりがちですが、仕事の設計や意味付け、ネットワーキングなども含まれます。まさに「終身成長」はこれからの時代に生きる一人一人が向き合うテーマ。

だからこそ、「自分の理想とするキャリアとは?」を考えていきたいですね。


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