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機動戦士ガンダムSoul 最終話「かけがえの無い日常」
どのくらい眠っていたのだろう。
目が覚めた僕はソウルエッジの病室にいた。
―――どうして、僕は生きて...
ベッドの上で寝ていた僕は、少しずつ身体を起き上がらせた。まだ少し頭が痛い。僕が病室で呆然としているとメグミとユイちゃんが病室に入ってきた。
「マサキ!意識が戻ったのね。」
「おにいちゃん...良かった。」
そう言いながら、ユイちゃんが涙ぐむ。二人は顔を見合わせると、僕の方へゆっく
機動戦士ガンダムSoul 第17話「命」
烈火と紅蓮の戦闘は、剣による斬り合いが5分以上続いていた。お互いに相手の強さがわかっているだけに、なかなか懐に入り込めない。
しかし、この状況に嫌気が差した片桐が「死ね!」と言うと同時に、無数の炎が烈火を襲ってきた。
さっきの倍以上の数だったが、僕は炎の壁を作り、矢のように降り注ぐ炎を防いだ。
紅蓮の激しい猛攻に、僕は耐える事しか出来ない。みるみる内に烈火の装甲が剥がされボロボロになってゆく
機動戦士ガンダムSoul 追憶編「絶望に咲く花」
一一いつの時代も人は自分より弱い立場の人間を見つけ、虐げてきた。それが人の本質。だから変わらないし、変えられない。
炎が広がってゆく………かつての栄光と共に、少しずつ崩れてゆく屋敷。
狂気を帯びた暗い眼をした男は、その光景を見つめながら強く思った。
こんな狂った世界なら、何もかも壊してやる!
時は、数週間前に遡る。
「ハルキ、私の事好き?」「……好きだよ。」
恋人の急な問いかけに、戸惑い
機動戦士ガンダムSoul 第16話「狂った世界」
どこまでも広がる太平洋。
―――僕達は再び紅蓮と対峙した。
突然、紅蓮が右手を上げたかと思うと、無数の炎が烈火と水月に降り注ぐ。
僕は、とっさに炎のソウルで盾を作り出し、その攻撃を防いだ。しかし...
「きゃああ!」「メグミ!?」
その炎に被弾した水月は、遥か後方に吹き飛ばされてしまった。
「ククク、いい反応だ。流石だね。マサキ君。君とは心ゆくまで戦いたいな。」
片桐がそう言うと、炎
機動戦士ガンダムSoul 第15話「約束」
数時間後の早朝...ソウルエッジ内にけたたましいサイレンが鳴り響く。
あの言葉通り、片桐の乗った紅蓮は太平洋上に現れた。
「マサキ、行くわよ!」
メグミと共に、僕は格納庫へと急いだ。ブラッドフレーム烈火に乗り込もうとした僕に何処からか「おにいちゃん...」と呼ぶ声が聞こえた。
声のした方へ振り向くと、ユイちゃんが立っていた。
「昨日は...ごめん。」
「昨日?あんな事 、全然気にしてな
機動戦士ガンダムSoul 第14話「選択の時」
――あれから二日間、雨が降り続いていた。
それは、まるで...涙が枯れてしまった僕の代わりに空が泣いているかのようだった。
リュウが死んだと言うのに、ソウルエッジの一般職員は何も変わらず、平然と与えられた任務をこなしている。
やっぱり、適性者は一般人から見れば、ただの化け物で『戦いの道具』でしかないんだ。
僕とメグミが食堂にいると、ユイちゃんが息を切らしながら走ってきた。彼女の姿を見たのは
機動戦士ガンダムSoul 追憶編「始まりの日」
―――どうやら俺は、この世界から見放されたらしい...
虚空を仰ぎながら、少年はそう呟いた。
西暦2039年、国民の圧倒的支持を受け、ある法案が国会で承認された。後に『精神疾患者 特別保護法』と呼ばれるこの法は表向きには、精神疾患者を保護し、その家族の負担を軽減すると言う目的で作られたものとされていた。だが実際は希少な適正者をソウルエッジと言う名の檻に入れ、ブラッドフレームのパイロットを確保す
機動戦士ガンダムSoul 第13話「紅蓮、再び」
「三機のブラッドフレームの反応。この反応は、おそらく紅蓮です!」
いつも以上に緊張したユイちゃんの声が施設内に鳴り響く。いよいよ紅蓮との決戦だ。そう思うと僕の脚は小刻みに震えた。
「もしかしたら、これが最後かもしれない...だから、二人に言っておきたいんだ。」
格納庫まで来た僕は、リュウとメグミに後ろから話し掛けた。
「ありがとう。今まで生きてこれたのは二人のおかげだ。」
「なによ、急に
機動戦士ガンダムSoul 第12話「僅かな勝算」
ここはソウルエッジのシミュレーター室。
僕達は紅蓮ともう一度戦うための作戦を練っていた。
「もう一度、戦うのか...」と言いながら、僕はうつむいた。
リュウは、眉をひそめると
「あぁ、紅蓮は危険すぎる。野放しには出来ない。」と鋭い口調で言った。
「勝てるのかしら?」
メグミが不安そうな顔をしながら、リュウに訊いた。
「一度負けたからと言って、また負けるとは限らない。それに今は『ソウル
機動戦士ガンダムSoul 第11話「新たな力」
ここは何処だ...
薄暗い部屋で目覚めた僕は、白い天井を見上げていた。
また、この病室か...と僕は呟いた。
「目が覚めたか。気分はどうだ?」
ゆっくりと体を起こし、声が聞こえた方を見ると、リュウとメグミが病室の隅に座っていた。二人とも、少しやつれた様に見える。
「あぁ、大丈夫だ。気分は悪く...」
と僕が言い終わる前に
「このバカヤロウ!あれから一週間も意識が無かったんだぞ!」
機動戦士ガンダムSoul 第9話「紅蓮の炎」
「3機のソウル反応。パイロットは出撃準備をして下さい!」
また、ユイちゃんの声が聞こえた。これで何度目だろう...
あれから、数度の実戦を経てブラッドフレーム烈火の操縦には慣れてきた。
でも、僕はどうしても『人殺し』にはなれなかった。
市街地に出撃すると重厚な装甲と異様な雰囲気を持つ漆黒のブラッドフレームが一機。隠れもせず、僕達を待ち構えていた。
―――他のブラッドフレームとは違う。