機動戦士ガンダムSoul 第14話「選択の時」
――あれから二日間、雨が降り続いていた。
それは、まるで...涙が枯れてしまった僕の代わりに空が泣いているかのようだった。
リュウが死んだと言うのに、ソウルエッジの一般職員は何も変わらず、平然と与えられた任務をこなしている。
やっぱり、適性者は一般人から見れば、ただの化け物で『戦いの道具』でしかないんだ。
僕とメグミが食堂にいると、ユイちゃんが息を切らしながら走ってきた。彼女の姿を見たのは久しぶりな気がする。
僕の目の前まで来た彼女は、唐突に
「リュウが死んだのは、お兄ちゃんのせいだって聞いた。本当なの!?」と言った。
「・・・・・」
僕は何も答えられなかった。
パンッ!!と乾いた音が食堂に響く。ユイちゃんの小さな手が僕の頬をぶったんだ。
「なんで...なんでリュウが死ななきゃいけないの?」
大粒の涙を流しながら、ユイちゃんは僕に訊いた。
「やめて、ユイちゃん。誰から何を聞いたのか知らないけど、リュウが死んだのが、マサキのせいだと言うのなら、一緒にいた私も同罪なのよ。」
とメグミは厳しい口調で言った。
「だって...だって...」
下を向いたユイちゃんは、走って何処かに行ってしまった。
「ごめんね。マサキ。彼女は幼すぎて、リュウの死が受け入れられないのよ。」
「あぁ...分かってる。」
ぶたれた頬は痛かったけど、僕は嬉しかった。少なくとも、ユイちゃんはリュウの事を人間として、大切に思っていた事がわかったから。
その日の夜、僕は自分の部屋で今まで起こった事を思い出していた。
適正者としての覚醒。
東京駅での母さんとの離別。
紅蓮との激戦と片桐博士の裏切り。
そして……リュウの死。
―――眠れないな。
時刻は既に、夜中の2時を回っていた。しかし、ベットで横になっても、少しも眠くならなかった。
コンコン。
誰かが、部屋の扉をノックする。僕が扉を開けると
「大事な話があるの。」
そう言いながら、真剣な顔をしたメグミは 僕の部屋に入ってきた。
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子供の頃からアニメが好きで、そのまま大きくなった40代です。(*´∀`)♪懐かしいアニメから最新のアニメまで、何でも見てます。