機動戦士ガンダムSoul 第12話「僅かな勝算」
ここはソウルエッジのシミュレーター室。
僕達は紅蓮ともう一度戦うための作戦を練っていた。
「もう一度、戦うのか...」と言いながら、僕はうつむいた。
リュウは、眉をひそめると
「あぁ、紅蓮は危険すぎる。野放しには出来ない。」と鋭い口調で言った。
「勝てるのかしら?」
メグミが不安そうな顔をしながら、リュウに訊いた。
「一度負けたからと言って、また負けるとは限らない。それに今は『ソウルの具現化』が出来るようになったマサキもいる。」
「ソウルの具現化?」
僕は少し驚きながら、リュウの顔を見た。
「まだ言ってなかったか?ブラッドフレームのソウルで武器や防具を作る技術。それがソウルの具現化だ。」
「じゃあ、リュウやメグミが使っていた武器は...」
「あぁ、そうだ。あれはソウルで造られている。但し、具現化してる間はソウルを大量に消費するからな。俺達が必要な時しか具現化しないのは、その為だ。」
僕が頷くのを確認すると、リュウは説明を続けた。
「更に言えば、ブラッドフレームにはそれぞれ属性がある。例えば、俺の疾風は風のソウルを操る。今までの戦闘で使っていた、あの刃は風のソウルを圧縮し、研ぎ澄ませた物だ。そして...」
「私の水月が使っていた鞭は、水のソウルを具現化した物なの。」とメグミが答えた。
リュウは僕とメグミを交互に見ながら
「まともにやったら紅蓮には絶対に勝てない。だから、俺の考えた作戦で奴を倒すんだ。」と言った。
「作戦?」僕とメグミは顔を見合わせた。
「...と言うわけだ。」
リュウは長い説明を終えた。
「これなら行けるかもしれない。」と僕は力強く言った。
「これは俺達にしか出来ない作戦だ。そして、この作戦の鍵を握るのはお前だ。マサキ、頼りにしてるぞ。」
リュウの言葉を聞いた僕は、少し戸惑いながらも「あぁ、分かった。」と答えた。
―――この作戦の失敗は死を意味する。
僕は逃げ出したい気持ちを抑え、戦う覚悟を決めた。
(第13話 『紅蓮、再び』 に続く)
子供の頃からアニメが好きで、そのまま大きくなった40代です。(*´∀`)♪懐かしいアニメから最新のアニメまで、何でも見てます。