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「先生は必ず大事なことを話している。自分が聞いていないだけ」(全文無料)

 今日も今日とて柔術は楽しい。今日は心構えの話。柔術哲学っぽい記事が書けそうです。

 タイトルの「先生は必ず大事なことを話している。自分が聞いていないだけ」 が本記事で伝えたいことのすべてであり、それ以上でもそれ以下でもないのです。「ちゃんと聞く」というだけの話なのですが、自分の考えをまとめるためにも書いてみました。


1.絵を描くコツ「ちゃんと見る」

 絵を描くコツで「ちゃんと見る」というものがあります。SNSか何かで絵の先生が言ってました。探したのですが、元ツイートが見つからず。

 知り合いに元美術部の人がいたので聞いてみたら「確かにそう、よく見るのは大事」って言っていたのでおそらく正しいのだと思います。

 「ちゃんと見る」ってんなもん当たり前だろって感じなんですが。でも我々は本当にちゃんと見ているのでしょうか?例えば林檎を書くとき、その林檎の輪郭のカーブ、赤の色の深さ、影、枝の細さや色を目をつぶっても浮かべられられるくらい「ちゃんと見て」いますか? 顔ならその人の鼻、目、口、耳の形、髪形、輪郭、肌の色を目をつぶっても浮かべられるくらい「ちゃんと見て」いますか?職場の建物を今書いてみろ、と言われてかけますか?たぶんかけないです。毎日視界には入れていても「ちゃんと見て」いないからです。

 ほとんどの人は見ているつもりで「ちゃんと見てない」のだそうです。これは柔術でも同じです。

2.そのテクニック、「ちゃんと見ているか?(聞いているか?)」

 例えばだれもが知っている、下からの腕十字。これをクラスで先生が説明する時「ちゃんと見て(聞いて)」いますか?

 目をつぶって脳内で思い浮かべても先生の動きが脳内で再生できますか?エアで手を動かしても見えない相手を思い描いて技がイメージできますか?崩しの方向や手の持つ位置、足をかける位置、極めのポイント、力の入れ具合、そういった細かい部分までちゃんと理解できていますか?

 「ちゃんと見て(聞いて)」いますか?

3.アンディの経験

ちゃんと聞いている”つもり”になっていた

 かくいう自分も白帯のころ、知ってる技をクラスでやるとなんとなく「知ってる知ってる」と思って聞いてた時期がありました。もちろん先生に失礼ないようちゃんと聞いたつもりでしたが、”つもり”になっていました。もっと集中して「ちゃんと見て(聞いて)」いたらもっと成長できていたかもしれません。まあ、それはおいといて

 最近、昔の教則DVDを見直しました。そしたら一度見て知っているはずのテクニックが全く違うものに見えて内容が自分の中にスムーズに入って理解できました。自分がちゃんと見たつもりになっていたテクニックは全く見えてなかったのです。教則の中で大事なポイントを先生は説明していたのに自分が見て(聞いて)いなかったのです。

4.具体的な「ちゃんと聞く(見る)」方法

4-1 とにかく集中して聞く

 教則でもクラスでもなんでも、集中して聞くようにしましょう。とにかく「ちゃんと聞くぞ!」と意識するだけでも違います。先生の手足の位置や体重のかけ方や動きなど、細かいところよく見る。話す言葉を一言も聞き逃さないように。

4-2 クラスやセミナーなら見やすい角度で

 移動しましょう。意外とやっている人が少ないです。しっかり聞いてる人はだいたい見やすい角度に移動します。教則と比較したとき、クラスやセミナーの一番のメリットがここです。みやすい角度でしっかり集中して見ましょう。

 「もう説明はいいから早くやってみたい」の気持ちは分かります。でもそこで踏みとどまって集中して先生のインストラクションをちゃんと聞いてみましょう。

 クラスやセミナーはライブです。一発勝負。そこでしか聞けない貴重なもの、という気持ちで参加すると収穫が増えます。

余談。先生にちゃんと聞く姿勢を見せる。マナー

 聞いているときにうなずいたり、軽くエアでその動作を真似したりすることで先生へしっかり聞いている姿勢が伝わります。別に先生にアピールする必要はないし、先生に気に入ってもらうために柔術をやっているわけでもないのですが、まじめに聞いている姿勢を見せるのは一種のマナーというか、せっかく指導してくれる先生への礼儀のような部分があると思います。
 そういう態度で参加した方が自分にとっても先生にとってもいいと思います。個人的に先生が説明中に体育座りやあぐらで遠くから見てる態度は好きではありません。失礼に感じます。その道場の雰囲気もあるので一概にダメだと私に断罪する権利はないですが、私の価値観として好きではないです。

4-3 サラッとボソッということを聞き逃さない

 技の手順の説明をちゃんと聞くのはもちろんですが、説明の最初や最後に先生がボソッということが実はとても大事だったりします。

「デラヒーバはね、膝が下がるとよくないので~」
「トップは基本的に足を触らせるとよくないので~」
「足を越えてないのにマクラ取ると腕固めされるので~」

 サラッと言ってるけど実はその技の一番大事なコンセプトで土台になる部分だったりします。「これができないとそもそも技に入れないしやっても技が機能しない」といった大事な要素をサラッと言っていたりします。これを聞き逃さないように。

 けっこう説明の一番最初に技の前提条件やコンセプトをサラッということが多いので、技に入る前の説明をちゃんと聞きましょう。

4-4 教則動画なら何度も見る

 クラスやセミナーと比較しての動画のメリットはここです。見直せること。何度も見ましょう。一度見ただけで理解できて再現できるなら天才です。天才でないとしたら何度も見ましょう。

 おすすめは
・1周目はとりあえず流し見でいいので教則の全体像とイメージをつかむ
→最初からすべて理解しようと見ると難しくてしんどくて、見るのが嫌になって挫折してしまうことが多い(かつての俺だ!)
・2周目はメモしたり、自分の気になるテクニックを打ち込みしてしっかり見る
・3週目は、流しで見て気になるところやできないところだけ重点的に見る

です。何度も見ましょう。

 何周しても理解できないとしたらもしかしたらその教則は自分のレベルに合っていないのかもしれません。いったん置いて、時期が来たらまた見直すのもアリです

4-5 アウトプットする、ちゃんと聞けているかのチェック

 クラスや教則のテクニックはスパーや打ち込みで試しましょう。また、仲間に教えるのもいいアウトプットです。そこでうまくできていないなら、自分に何が足りないのか考えましょう。教則であればもう一度できない技をちゃんと見ましょう。

 「ちゃんと見て」いればアウトプットもできるはずです。(自分の能力が足りなくてできないこともありますが。

4-6 先生の言葉を覚えておく

 言葉は待ってくれています。その時は理解できなくても先生の言葉を覚えていきましょう。数か月後、もしくは数年後にその言葉の真の意図が分かるときが来るかもしれません。

 「あの時先生が言っていたのはこのことだったのか」の瞬間は柔術の体験の中でもトップクラスに楽しいです。

5.まとめ

・とにかく集中して聞く
・サラッという言葉を聞き逃さない
・教則は何度も見直す
・クラスやセミナーは一発勝負の貴重な場。見やすい角度で集中して聞く
・アウトプットして自分の理解度(自分が「ちゃんと見て」いたか)をチェック。

 先生は必ず大事なことを伝えています。自分が聞いていないだけ、見ていないだけ、理解できていないだけです。

 集中してクラスや動画を見てみましょう。「先生は必ず大事なことを言っている」という意識で聞くと、毎日のクラスや動画がいつもと違うものに感じるかもしれません。

 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2024/6/5 アンディ

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