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わたしのこころのなか

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心のうちを綴ったエッセイを集めました。
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記事一覧

夕方のコーヒー

夕方のコーヒー

ふと思い立って、時間をかけてコーヒーを淹れてみた。

生粋のめんどくさがりやなので「ていねいな暮らし」に憧れてはいるけれど、いつもドリップバッグを買ってしまっていた。

そんなわたしはいま、ていねいで几帳面な彼といっしょに暮らしている。

「そういえば彼が前にミルとか買っていたような…?」と思い出し、唐突に「豆を挽いてコーヒーを淹れたい!」とリクエストしてみた。

わたしの微かな記憶は間違ってなか

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朝5時に考えること

朝5時。カラスが鳴いて、この季節にはもう明るい時間帯。まだ人間たちと世界はほとんど眠っていて、遠くに車が走る音が聞こえる。

透明感ある空気を吸い込むと、これから眠りにつくとは思えない清々しさを感じる。

今日が何月何日で、何曜日なのかわからないけれど、なんだか穏やかな1日を過ごせそうな気がする。

ベランダに出て、ゆっくり辺りを見渡してみると、ベランダに干してある洗濯物が目に入った。「きっと昨日

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ネガティブになったっていい

ネガティブになったっていい

わたしは正直、スーパーポジティブな人間ではない。常に悲観的ではないけれど、どちらかというとネガティブな感情を抱きやすいと自分では思っている。

昔は、ポジティブオーラ全開の、自分とは反対側にいるような女の子に憧れていたけれど、さいきんはこんな自分も悪くないと思えるようになった。

創作には、ネガティブな感情も必要だ。常にハッピーで満たされていたら、胸のうちを吐き出す必要もない。「こうだったらいいな

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失う「痛み」をはじめて知った

失う「痛み」をはじめて知った

「もっと一緒にいたい」「花嫁姿を見てほしい」「いつかひ孫を抱いてほしい」。そう願っていたけど、わたしの願いは叶わなかった。



実家の母からの突然の呼び出しに急いで帰省して、祖母の病室で書き上げたnote。公開するかどうか迷っていた矢先に、大好きなおばあちゃんは天国へ行ってしまった。

朝一番の便に飛び乗って帰った。祖母が旅立つ前にギリギリ間に合った。でも、意識が混濁してきていた祖母とは、ちゃ

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ぬくもりと明るい未来

ぬくもりと明るい未来

右から左へスワイプして、通知をひとつずつ減らしていく。機械的な連絡を消し、心のこもった連絡だけを残す。大切にしているからこそ適当な返事はしたくないし、だからなんだかいつも迷う。

外出自粛がはじまり4週間が経った。宣言が出されてから、彼とスーパーの店員さん以外とは直接話していない。

わたしやわたしの周りにいる人たちは、ステイホームを徹底しているようだから、それでも日に日に増えていく感染者数がほん

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SNSとの距離感、画面の先にいる人

SNSとの距離感、画面の先にいる人

ネット社会では、毎日のようにどこかしらで炎上が起きている。

「明日は我が身かも」と思うと怖くなって、一時期は自分の意見を発せなくなってしまったこともある。誰も傷つかないことなんてないのでは…と思いはじめたら止まらなくなって、書いては消し、書いては消しを続けていた。

わたしの意見が意図せずどこかで誰かを傷つけてしまっていることがあるかもしれない。でも、意見に対しての違いを主張するのではなく、名前

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