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結界師の一輪華シリーズが面白い

クレハさんのライト文芸シリーズ『結界師の一輪華』(角川文庫)がなかなかに面白いです。最近2巻を読了したので、この機会にアウトプットも兼ねて、シリーズへの思いを書いてみようと思います。

双子の姉と比べられ、「落ちこぼれ」扱いされている主人公・華。実は、華には周りに隠している凄い力があり、その力を強力な術師であるさくに認めてもらったこと(そして彼から猛烈に愛されたこと)によって成長していく…といったシリーズです。

はじめは「最近よく見かけるタイプの話だな…」となんとなく読んでいたのですが、読んでいくと式神同士のバトルありラブコメもありで、1巻を読了した時には華と朔の活躍がもっと見たい!とすっかり作品のファンになっていました。

また華&朔の他にも、2人の家族とか友達、作中に出てくる式神にも魅力的なキャラクターが多く、読めばきっと誰もが推しに出会えるところも良きです。私は朔の式神の椿(メイド服&ケモ耳は強力すぎて文章だけでも可愛さがわかる…)と、ブラコン&ツンデレキャラな望が特に好きです。あと2巻で出てきた華の新しい友達の桔梗ちゃんも気になりますね。

1巻は朔の家族と読者に華が持つ能力の凄さを伝える話、2巻は華が通う学校の人々に彼女の凄さを広めていく話といった感じでしょうか。

1巻で描かれた犬の大量死を巡る事件はとても酷かったけど、朔からの愛情も受けながら、恐ろしい事件に立ち向かっていく華の活躍が何よりもかっこよくて爽快感がありました。また華は、相手が誰でも自分の考えをはっきりと言うキャラクターなので、彼女のそういったところをとても尊敬したい!と読んでいて思いました。

また先日読んだ2巻は、学園もの・ラブコメ色がより濃くなっていて、よりシリーズが好きになるエピソードでした。

華は現在Cクラスという1番ランクの低い術者のクラスにいますが、2巻で描かれた事件によって、彼女の本当の力が学校中にも知れ渡ります。その際に学校側から1番上のランクであるAクラスへの編入を検討されますが、現状で満足している華はきっぱりと断りました。

華の活躍を見ていると、能力の強さでクラスを分ける学校の風潮には私も疑問を感じたところがありました。華も現状への疑問を学校には伝えたものの、現時点では届きませんでした。でもいつかは、華の思いがきっかけで学校側も変わっていく時が訪れると私は信じたいですね。

それから1巻を読んだ時から気になっていた姉・葉月との関係。1巻では華とバチバチしていた葉月ですが、周りから期待されて育ってきた葉月の苦悩が2巻にて深く描かれていきました。周りと自分を比べてしまい、家族の言いなりにもなってしまう葉月の思いを知ると、彼女も華と同じようにいろいろと苦労していたことが判明しました。

正直、葉月に関してはこれからも華を苦しめる悪者のように描かれ続けていたら嫌だな…と個人的には思っていたのですが、華の率直な意見をきっかけに気持ちよく姉妹の絆を取り戻す展開となって良かったです。自分を苦しめていた家族から葉月を切り離すという選択は、葉月としても華としても正解だったと思います。

葉月とも和解し、また一歩成長した華。華の物語はきっとこれからが本番なんだと思います。まだまだ謎の多い術師のこと、華の学校生活、朔との関係の行方と、これからも見てみたいシーンがたくさんありそうです。

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