第1幕『流れ星の少年』 #1
こちらの空も綺麗だが、そちらの空はどうだろうか。
8月2日
月齢:20.0
天候:曇
流れ星を聞く方法がある、というのは、世間一般にも知られている話なのだろうか。
いつまでも白紙の進路希望調査票を見ているのにも滅入って、気分転換がしたくて散歩に出ていた。歪んだガードレールに腰を下ろして小休止、そのついでに、ラジオの砂嵐をヘッドフォンでぼんやりと聞き流してみる。ザッ、と数瞬だけ砂嵐が途絶えたのに気づいて、ふとあおいだ夜空には分厚い雲。この曇天では、星なんか見えそうにな