雨谷とうか

わたしはもう一度、表現者になれたかな。 雨谷とうか、もしくは、飴屋です。ひとりぼっち…

雨谷とうか

わたしはもう一度、表現者になれたかな。 雨谷とうか、もしくは、飴屋です。ひとりぼっちサークル『星が降るラボラトリ』の物書き。自分で書いた小説とか、思ったこと、考えたこと、調べたこととか。

マガジン

  • 長編小説『月のあかりと流星と』

    退屈な日々のなかで出会ったきみは、まるで闇を裂く一条の流星のようにまばゆくて、きらきらして、ほんとに綺麗で。 ——この感情に与えるべき名前を、あたしは、見つけられるだろうか。 『流星の声がきこえる』にて語られなかった、もうひとりの物語。 文庫版: https://stardrops-lab.booth.pm/items/3598454

  • 連作短編小説『流星の声がきこえる』

    流れ星を探してふらふら夜のまち。 そこで出会ったのは、自分と同じように星を探して彷徨う、ひとりぼっちの少年でした—— 星が降るラボラトリ、はじまりの物語です。 文庫版: https://stardrops-lab.booth.pm/items/2116121

  • 長編小説『イルカとあおぞら』

    前略、あの日のわたしへ。 消えてしまいたくて、そのくせ見つけてほしくて。 どうしようもなかった、あの日の、わたしへ。 消えたがりの女の子と、彼女をつなぎとめたい少年が、一緒に生きていけるようになるための、おはなし。 2022年3月ごろから文庫本の通販をスタートする予定の作品より、ちょっとだけ先読みのお届けです。 文庫版の詳細はこちらから: https://stardrops-lab.booth.pm/items/4429112

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  • 固定された記事

第1幕『流れ星の少年』 #1

こちらの空も綺麗だが、そちらの空はどうだろうか。 8月2日 月齢:20.0 天候:曇  流れ星を聞く方法がある、というのは、世間一般にも知られている話なのだろうか。  いつまでも白紙の進路希望調査票を見ているのにも滅入って、気分転換がしたくて散歩に出ていた。歪んだガードレールに腰を下ろして小休止、そのついでに、ラジオの砂嵐をヘッドフォンでぼんやりと聞き流してみる。ザッ、と数瞬だけ砂嵐が途絶えたのに気づいて、ふとあおいだ夜空には分厚い雲。この曇天では、星なんか見えそうにな

    • コミッションはじめました&短編ご依頼テンプレート

       こんにちは! 「星が降るラボラトリ」です。  有償での文章制作について、ご依頼の受付をはじめました! https://skeb.jp/@ameya_ayameya  さっそくリクエストくださったかたもいらっしゃって、ありがたいかぎりです。見つけていただけて、嬉しいです。  いまのところ、ほんわか穏やかな日常の一幕を描く短編小説が得意かな、と思ってます。ごはんとか、お菓子とか、食べたり飲んだりしながらのんびりおしゃべりするようなおはなし書きがちかも。  あなたの大切な

      • TRPGの自PC香水で遊びました。

         はい、こんにちは、こんばんは! 雨谷とうかです。  以前、自創作っ子のイメージ香水を頼んだよー、って記事を書いたんですけど。  最近はTRPGをたくさん遊んでいて、思い入れの深いPCたちが増えてきたので、その子たちでも同じ遊びをしてみることにしました!  オーダー先は、前回と同じく「Scently」さん。  ……なーんでいちいち香水のレポ書くかって、そうでもしないと香りでの表現が凄まじすぎておかしくなるんですよね。  ようは、言語化することでかろうじて正気を保っている

        • もちもち体型、開き直ることにした。

           今年のクリスマスプレゼントとして、自分に服を買いました。  ……突然ですが、みなさんはご自分の体型って好きですか?  ちょっと前までのわたしは、「嫌いでもないけど、正直べつに好きでもない」って感じでした。  というのも、まあ言ってしまえば肥満体型なのですよね、わたし。……はい、白状すれば、この体型がすーっごく嫌いだった時期もあります。  詳細は省きますが、生涯をかけてつきあっていく必要がある病気、といいますか、先天的な機能障害を持っていまして。  わたしの場合、症状の

        • 固定された記事

        第1幕『流れ星の少年』 #1

        マガジン

        • 長編小説『月のあかりと流星と』
          2本
        • 連作短編小説『流星の声がきこえる』
          6本
        • 長編小説『イルカとあおぞら』
          9本

        記事

          ハッフルパフの生徒になってきた。

           つまりはUSJいってきた日記です。  というわけで、魔法界! 堪能してきました!!  で、ほとばしるパッションと湧き上がる思い出のままに書き連ねました。ユニバありがとう。 ・ハッフルパフの「黄色×黒」でコーデ組んでったから、ハッフルパフ所属のお兄さんお姉さんたちに「Hufflepuff!!」ってひたすら可愛がられた……楽しかったです…… ・というか、ハリポタエリアの外までひっくるめて、とことん「ハッフルパフの魔法使い」として可愛がってもらったおかげで、もともと好きだっ

          ハッフルパフの生徒になってきた。

          創作っ子のイメージ香水をオーダーしたはなし。

           はい、こんにちは。雨谷とうかです。  今回の記事はもう、タイトルそのまんま。自創作を拗らせまくった果てに、イメージ香水のオーダーをしてしまいました。  イメージ香水をお願いしたい、ってなった場合、いくつか選択肢があるみたいなんですが、今回わたしは「Scently」さんでオーダーしました。  ガイドラインなどを拝読してみて、透明性を重視なさっている姿勢が気に入ったので……! (リンクはこちら。) 「このひとってどう説明したらいいんだ……?」と悩みつつ書いたオーダーシート

          創作っ子のイメージ香水をオーダーしたはなし。

          文庫作品を非公開にする理由について。

           こんにちは。星が降るラボラトリです。  今回は、昨晩のおしらせについて、「どうして作品を非公開にするのか」というあたりを詳しくお話しできたらと思います。  Web版の公開終了を決めた理由なのですが、いちばん大きいのは、「やっぱり自分の作品を守りたい」と思ったから、です。  AI技術の隆盛だとか、SNSを取り巻く環境とか。いろんなことが目まぐるしく変化していくなか、このままでは自分の作品を守れないかもしれない、って思うことが増えているんですよね。不安がひたひたと足元に迫

          文庫作品を非公開にする理由について。

          文庫作品のWeb版を、非公開に切り替えます。

           こんばんは。星が降るラボラトリです。  いつも応援してくださって、ほんとうに、ありがとうございます。  さて、きょうの本題です。 『流星の声がきこえる』および『月のあかりと流星と』について、現在pixiv、Notion、noteにて公開している本文を非公開に切り替えたいと思います。 『流星の声がきこえる』より第一幕『流れ星の少年』と、『月のあかりと流星と』試し読みについては、文庫版の検討材料としていただけるよう残す予定ですが、本編全体の公開はいったん終了とさせてください

          文庫作品のWeb版を、非公開に切り替えます。

          短編『魔法使いの祝福』

          現在制作中の長編から、中心人物のふたりにちらっと出てきてもらいました。 持って生まれた琥珀色の目がすきになれずにいた女の子と、彼女のことをだいじに想っている男の子の、呪いと祝福と、恋のおはなし。 (1年ほど前、Twitterに投稿済みの作品です。)      変なの。    ぼくの目を勝手に覗いたやつらは、ほとんどがそうやって勝手なことを言う。光の加減によっては、はっきりと金色に光ってる、みたいに見える、らしくて。そういうタイミングで見られてしまったときには、ヒトじゃない

          短編『魔法使いの祝福』

          紙の本と、世界のはなし。

           不安、ってほどはっきりとしたものじゃないけど、時折思います。  文字、というものに、いったいなにができるんだろう。  きっと、わたしの表現に、さしたる力はない、んですよね。  社会のありかたがガラリと変わる、とか、どこかで起きている争いをただちに止める、とか、そんな大それた力はない。もっとも力を入れている表現媒体の小説でもそうだろうし、歌や曲、アクセサリーなんかもそう。  わたしの力で動かしうるのって、すごく、小さな世界のものごと、だと思う。  でも、それでいいんだ、

          紙の本と、世界のはなし。

          ノイズキャンセリングヘッドフォンが魔法みたいだった話。

           こんばんは! 星が降るラボラトリの物書き、雨谷とうかです。  今回は、物書きとして、っていうよりは、「音」で困ってる聴覚過敏当事者のひとりとしての記事です。  このたび、SONY製のノイズキャンセリングヘッドフォン、WH-1000XM5をお迎えしました!  めっちゃめちゃ高かった……けど、お値段以上の価値がある買いものをしたなあ、と思って。  せっかくなので、この感動を書きとめておくことにしました。  聴覚過敏を含め、日常の音でなにか困ってることがあるひとには、お財布

          ノイズキャンセリングヘッドフォンが魔法みたいだった話。

          『イルカとあおぞら』#9

          3月12日 金曜日      きのうが、わたしの卒業式だった、らしい。  事前に話したとおり、卒業証書と記念品が郵送で届いた。卒業おめでとう、って、湊と橙子さんが祝ってくれた。ひーちゃんからも、おつかれさま、ってメッセージが来てた。    おかあさんがいたら。おとうさんがいたら。なんて、言っただろうか。  卒業おめでとう、って。そう、言ってくれたんだろうか。      なんでなんだろう。  なんで、わたしは。        ふわっ、と。身体が浮いた、ような気がして。なんだろ、

          『イルカとあおぞら』#9

          ガタガタIQあめやんの現代社会サバイバル

           ギフテッド、って言葉を目にする機会が、ずいぶん増えました。  いろんな子たちに、いろんな選択肢が増えたらいいなあ、って、心底思っています。  そしたら、かつての自分も、あんなふうに泣かずに済んだのかもしれないなあ、なんて。  わたしは、というと。  いわゆる「高IQ」と言えなくはない、みたいな、なんとも宙ぶらりんな立ち位置の人間です。  IQ、知能指数、ってひとくちに言っても、いま世に普及している検査だと、いくつかの分野に分けて算出されるんですが。  わたしの場合、

          ガタガタIQあめやんの現代社会サバイバル

          短編『いばらの森の赤き魔女』

           昔々の、そのまた昔。      森に隠れた小さな村に、  ひとりの少女がおりました。    真っ赤な髪に、真っ赤な瞳の、  紅蓮のような女の子。      少女が灯す炎には、  不思議なちからがありました。    死の淵にいるひとでさえ、  呼び戻すほどの不思議なちから。    ゆえにひとびとは彼女を恐れ、  塔に封じてしまいます。      少女の涙は炎へ転じ、  森ごと塔を焼き払い、    灰燼に帰したその土地に、  やがて深紅の薔薇が咲き、    いつしかいばらに覆わ

          短編『いばらの森の赤き魔女』

          『イルカとあおぞら』#8

          3月3日 水曜日      きょう、おかあさんの誕生日だ。  おめでと。      アロマオイル、買ってみた。おかあさん、ラベンダーの香り、気に入ってたから。  おかあさんの匂いに、すごく、よく似てて。なんでか、ぽろぽろ泣いてしまった。        工房、行こうかなって、思ったんだけど。水曜日の夕方は、教室、やってるから。  あした、かな。      そしたら、きょうのうちに。  デザイン画、描いておこう。             3月4日 木曜日      お昼ごはんを食

          『イルカとあおぞら』#8

          『イルカとあおぞら』#7

          3月1日 月曜日      わたし、忘れたい。忘れられたい、な。  忘れてほしい。だから、こんなことは。    書き残さないほうが、よかったのかな。        中学校の担任から、連絡があった。会って話がしたい、って。      ほんとは、行きたくなんかなかった。けど、呼ばれてしまったので、しょうがない。橙子さんか湊にも来てほしかったけど、そうもいかなくて。  放課後、夕焼け色の教室に、先生と、わたしと。話って、なんだろ、と思ったら。 「卒業式のことで、確認があって」  そ

          『イルカとあおぞら』#7