アマちゃん

野球について書きます。主戦場はアマチュア野球ですが、プロ野球のチーム編成についてあれこ…

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野球について書きます。主戦場はアマチュア野球ですが、プロ野球のチーム編成についてあれこれ考えております。

最近の記事

蝶のように舞い、蜂のように刺す

 関東でも大阪桐蔭の人気は凄まじかった。たとえ底冷えする晩秋の明治神宮大会であろうと関係ない。朝早くからダウンジャケット、カイロ、マフラー等で寒さ対策をした多くの野球ファンが神宮球場に詰めかけている。そんな中、21世紀の最強軍団から新たな逸材が全国デビューを果たした。 不安からの期待 「いつもと違う……」  毎年選手が入れ替わったとしても、一つの芸術作品のような美しさを誇る大阪桐蔭のシートノックが例年よりも物足りない。捕球ミスだけでなく、送球の高投も散見している。正直なと

    • 紫紺の歴史の継承者へ

      昂揚遂に待ちに待った日が訪れた。ナゴヤドーム改めバンテリンドーム ナゴヤでの最初のオープン戦、しかも相手は田中将大が加入した東北楽天。チケットの売れ行きも好調で、発売当日にはほぼ完売となった。加えて,名称変更のご祝儀として、昨年最多勝に輝いた涌井秀章と田中が登板予定との報道。バンテリンドームに詰めかけたファンは、気持ちの昂ぶりを抑えることができなかっただろう。 師弟田中の登板に注目が集まった試合で、中日の先発を任せられたのは開幕ローテーション入りが濃厚の柳裕也。この試合は柳

      • ONシリーズから20年

        20世紀最後の年の日本シリーズの組み合わせを覚えている方はどれだけいるだろうか。 読売ジャイアンツ対福岡ダイエーホークス 当時を経験した方々は、すぐに思い出した方もいるはずだ。長嶋茂雄と王貞治。日本プロ野球に並び立つ両雄が相まみれる決戦に興奮したことだろう。 結果は4勝2敗で長嶋率いる巨人に軍配が上がった。 敵地・東京ドームで2連勝したダイエーだったが、福岡ドームに場所を移した第3戦に飛び出した仁志敏久の守備でのビッグプレーが流れを変えた。巨人はそこから4連勝を果たし

        • 12球団ドラフト展望⑫~中日編・高橋と五十幡をめぐるせめぎ合い~

          高校生ナンバーワン投手の高橋宏斗(中京大中京・投手・右投)がプロ志望を表明する数日前、文春野球コラムにて、「ドラゴンズ勝手にドラフト予想座談会」の模様が掲載された。 3名の有識者が中日のドラフト展望をする中で、高橋の1位指名とともに、1位指名もあり得る韋駄天の五十幡亮太(中央大・外野手・左打)の2位指名を夢見る内容となっている。 大前提として、五十幡の2位指名は他球団の動向に左右される。1位で他球団に指名されないのは勿論のこと、2位指名においても、セ・リーグ2位(10月1

        蝶のように舞い、蜂のように刺す

          12球団ドラフト展望~阪神編⑪~

          チームの象徴的存在の藤川球児が、今シーズン限りでの引退を表明した。気がついてみると、阪神が最後に優勝したのはJFKが一世を風靡した2005年になってしまった。 2014年にはクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズに進出したものの、近年はセ・リーグの優勝争いに絡むことが少なくなっている。今シーズンも、首位を走る巨人に大きく水をあけられている。永遠のライバルの後塵を拝する歴史に終止符を打つためのドラフトとすべく、戦略を考えていきたい。 1 大山と並ぶスラッガーここ数年

          12球団ドラフト展望~阪神編⑪~

          12球団ドラフト展望⑩~広島東洋編~

          リーグ4連覇を目指したものの、4位に沈んだ昨シーズンから巻き返すどころか最下位争いを余儀なくされている。3連覇に貢献した多くの選手がピークを過ぎていることに加え、近い将来、看板選手の大瀬良大地と鈴木誠也が流出という特大の爆弾を抱えている。 上記のことにだけではなく、ベテラン勢の年俸の高騰も相まって苦しい球団運営が予想される。ここ数年は、チーム再建のためのドラフトを送ることになりそうだ。苦しい状況を鑑みて、今年のドラフトを占っていきたい。 1 先発投手森下暢仁が早くも大黒柱

          12球団ドラフト展望⑩~広島東洋編~

          12球団ドラフト展望⑨~北海道日本ハム編~

          大谷翔平や清宮幸太郎といった超大物の獲得に成功している日本ハムのドラフトではあるが、ここ数年はチームの成長に若手の成長が追い付かず、苦しいシーズンを過ごしている。 更に投打の中心選手である有原航平と西川遥輝にMLB行きの話もあり、今後益々苦戦を強いられることになることが予想される。 今年のドラフトでは、来年に向けてのチームの立て直しと、5年後10年後に向けた適切な投資の両立を図りたいところだ。特にセンターラインの強化は、今年の最重要項目になってくる。 1 ナンバーワン選

          12球団ドラフト展望⑨~北海道日本ハム編~

          12球団ドラフト展望⑧~東北楽天編~

          ここ数年はトレードやFA市場を賑わせている甲斐もあって、今シーズンも昨シーズンに続き、Aクラスを期待できる戦いをしている東北楽天。とはいえ、あくまでも球団としての悲願は2013年以来の日本一だろう。 浅村栄斗らの加入によって、チームは劇的なレベルアップを遂げたものの、レギュラーと控えの差は広がっている感はある。藤平尚真やオコエ瑠偉は足踏みが続いており、ベテランに差し掛かる主力の後継者を作るとともに、歯痒さの残る若手の競争相手を指名したい。 1 先発投手則本昂大、岸孝之に加

          12球団ドラフト展望⑧~東北楽天編~

          12球団ドラフト展望⑦~埼玉西武編~

          山賊打線でパ・リーグを2年連続で制した埼玉西武だが、今シーズンは浅村栄斗(現・楽天)に続き、秋山翔吾(現・レッズ)が抜けた打線の勢いに陰りが見え、Bクラスに低迷している。鈴木将平や高木渉といった新顔が一軍経験を積んだものの、秋山の穴は大きく、次世代の野手陣のコアとなる選手の必要性を痛感する1年となった。 弱点の投手陣強化のために、2013年の森友哉以降、投手を1位指名し続けた反動が出たともいえるだけに、今年のドラフト会議では、久々に野手の1位指名を検討したい。 主力野手の

          12球団ドラフト展望⑦~埼玉西武編~

          12球団ドラフト展望⑥~千葉ロッテ編~

          ここ2年のドラフト会議では、佐々木朗希と藤原恭大を連続で引き当てた。加えて、3年目にして4番に座る安田尚憲を筆頭に、藤岡裕大、小島和哉、種市篤暉と近年ドラフト指名した選手が次々と主力になり、2020年シーズンは、ソフトバンクと優勝争いの真っ只中だ。 とはいえ、元々分厚い選手層があるチームではなく、優勝争いの常連でもなかった。今シーズンの快進撃が「マグレ」と言われないためにも、今年のドラフト会議でも佐々木朗に次ぐ逸材を獲得したいところだ。そのなかでも、シーズン中に緊急補強をし

          12球団ドラフト展望⑥~千葉ロッテ編~

          12球団ドラフト展望⑤~オリックス編~

          2019年シーズンは最下位に終わり、超大物のアダム・ジョーンズを獲得するなど捲土重来を誓った2020年シーズンだったが、結果は5位から大きく離されたリーグ最下位に沈んでいる。西村徳文監督(当時)が辞任に追い込まれ、中島聡監督代行が誕生したが、来期以降に関しては不透明だ。 投打ともに好選手がいる一方で、選手層の薄さが低迷に拍車をかけており、故障者が出てしまうとチームが機能不全に陥ってしまう。得点力不足を解消と選手層の厚みを持たせるためのドラフト会議にしたいところだ。 1 将

          12球団ドラフト展望⑤~オリックス編~

          12球団ドラフト展望④~福岡ソフトバンク編~

          「3年連続日本一」、「6年で5度の日本一」 これだけだと、黄金時代を謳歌しているようにみえるが、2018年・2019年と連続して西武にリーグ王者の座を明け渡している。結果的に日本一を掴んではいるものの、ペナントレースでは苦しんでいる。 今シーズンは、かつての守護神を務めたサファテの引退騒動や、ベテランの内川聖一が一軍出場を果たせていないなど、現在はチームの過渡期にある。このことを踏まえて、今年のドラフト会議における指名ポイントを挙げていきたい。 ① 主力野手の高齢化長年

          12球団ドラフト展望④~福岡ソフトバンク編~

          東海道中膝栗林

          まえがき9月16日(木)、午前8時過ぎの東岡崎駅は、通勤のサラリーマンや制服姿の高校生など、電車やバスの利用客であふれていた。 そんな中、バス停とタクシー乗り場の付近に多くのワイシャツ姿の人だかり。通勤で毎日駅を利用しているならば、駅の勝手やバスの運行状況はわかっているはずだけに、一様にキョロキョロしている様子は、違和感を感じる光景だった。 それもそのはず、ワイシャツ姿の方々はプロ野球のスカウトの方々だからだ。岡崎市民球場で開催中の都市対抗野球の東海地区2次予選が目当てで

          東海道中膝栗林

          12球団ドラフト展望③~横浜DeNA編~

          2000年代初頭から2010年代前半までの低迷期を乗り越え,Aクラス常連となろうとしている横浜DeNAだが、1998年以来の優勝には手が届かずにいる。今年も9月9日終了時点で、2位と健闘しているが首位の巨人から8.5ゲーム差をつけられており、優勝に向けては厳しい状況だ。 昨年までの主砲・筒香嘉智が太平洋を渡ったことを考えると、十分健闘しているともいえるが、優勝を意識できるチームに成長しているだけに物足りなさもある。来年以降優勝を果たすためのポイントを3点に絞り、ドラフト会議

          12球団ドラフト展望③~横浜DeNA編~

          12球団ドラフト展望②~東京ヤクルト編~

          昨年のドラフト会議で目玉候補の奥川恭伸をクジで引き当てるなど、ドラフト会議における主役となったのがヤクルトだ。とはいうものの、今シーズンも苦戦が続いている。村上宗隆が主砲として一本立ちした反面、チームは多くの課題を抱えている。3つの気がかりな点から、今年のヤクルトのドラフト戦略を考えたい。 ① 山田哲人の去就今オフ最大のトピックは、国内FA権を取得した山田哲人の去就だ。今シーズンは故障の影響で本来の成績ではないが、権利を行使した場合は、大型契約が成立するような争奪戦は濃厚だ

          12球団ドラフト展望②~東京ヤクルト編~

          12球団ドラフト展望①~巨人編~

          先月末に行われた巨人のスカウト会議で、1位指名の最有力が佐藤輝明(近畿大・左打)と各メディアで報道された。抜群の長打力を誇る佐藤が、長打力のある野手を欲する巨人のお眼鏡にかなったといえる。 事実として、主力選手の年齢が30歳を超えはじめ、岡本和真以下の主力級の野手は皆無に等しく、年齢構成にギャップが生じている。加えて、打者有利の東京ドームを本拠地とするため、打力のある野手を積極的に指名する意図も合点がいく。 とはいうものの、他にも巨人が抱える問題点はある。ここでは3つのテ

          12球団ドラフト展望①~巨人編~