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12球団ドラフト展望⑤~オリックス編~

2019年シーズンは最下位に終わり、超大物のアダム・ジョーンズを獲得するなど捲土重来を誓った2020年シーズンだったが、結果は5位から大きく離されたリーグ最下位に沈んでいる。西村徳文監督(当時)が辞任に追い込まれ、中島聡監督代行が誕生したが、来期以降に関しては不透明だ。

投打ともに好選手がいる一方で、選手層の薄さが低迷に拍車をかけており、故障者が出てしまうとチームが機能不全に陥ってしまう。得点力不足を解消と選手層の厚みを持たせるためのドラフト会議にしたいところだ。

1 将来の主軸打者

「第1回選択希望選手 佐藤輝明 内野手 近畿大学」

地元・関西地区が生んだ大型スラッガーの指名は、現在のチーム状況を鑑みたら納得の選択となるはずだ(選手としての詳細は、12球団ドラフト展望①~巨人編~を参照願いたい)。

首位打者争いのトップを快走する吉田正尚や、ジョーンズ以外は長打を望めないような打線を組む試合も多くあり、長打不足の打線の立て直しは必須課題だ。ただし、佐藤には巨人を始めとした複数球団の入札が予想され、獲得は一筋縄でいかない。

仮に、1位指名した佐藤の交渉権を獲得できなかったとしても、長打を打てる野手の獲得は不可欠だ。社会人出身者を重宝するチームなだけに、今川優馬(JFE東日本・外野手・右打)は比較的即戦力に近い形でフィットする可能性を秘めている。広角に長打を飛ばす打撃と独特のキャラクターは魅力的だ。

近二年は太田椋、紅林弘太郎と立て続けに高校生内野手を指名していることから、高校生だと来田涼斗(明石商・外野手・左打)西川僚佑(東海大相模・外野手・右打)ら強打の外野手を獲得したい。指名打者制のあるパ・リーグに属しているだけに、西川みたく打撃に特化した選手の指名も面白い。

2 次世代の正捕手候補

若くして正捕手を務める若月健矢がいるものの、打撃面が少々弱いうえに、若月より若い支配下選手登録の捕手が頓宮裕真しかいない。加えて、頓宮は故障のため長期離脱をするなど、今シーズンは一軍出場がない。30代の選手も多いため、捕手を確保しておきたい。

若月とレギュラー争いをする捕手として、強打の古川裕大(上武大・捕手・左打)を指名できるとよい。捕手の強化とともに、打線の充実も図ることができ、一石二鳥の選手だ。ショートをこなすこともあり、ユーティリティー性も他の捕手にはない。

強打の捕手となると、高校生では牧原巧汰(日大藤沢・捕手・左打)が候補となる。広角に長打を放つ魅力はあるものの、守備面で即戦力というのは難しい部分もあるかと思われるため、どのように評価をするか見ものだ。

3 変則派投手

山岡泰輔や山本由伸など、次から次へと若手投手が台頭しているが、アクセントとして変則派が一枚加わると面白い。横手投げの比嘉幹貴もアラフォー世代となっており、フル稼働は難しくなっている。

候補となる面々の中では、下手投げの中川颯(立教大・投手・右投)が一番手だ。184センチの長身からの投球には美しさを感じる。130キロ台前半のストレートとスライダー、シンカーの軌道は他の投手にはないものだ。

1年生時の春のシーズンでは、リリーフで大車輪の活躍を見せただけに、初見では攻略が困難な投手といえる。現在は先発として起用されるようになっており、投球内容を注視したい。先発でも結果を残すことができれば、起用の幅も広がってくる。山田久志や足立光宏といった、阪急黄金期の大エースの系譜に連なる存在になりたい。

他の投手を挙げると、横手投げは川瀬航作(日本製鉄広畑・投手・右投)前川哲(新潟アルビレックスBC・投手・右投)、下手投げだと和田悠佑(日本通運・投手・右投)、あたりか。川瀬は三塁側に大きく踏み出し、横の角度を生かした投球をする。前川は横手投げながら、150キロに迫るスピードボールが持ち味だ。最後に和田は、日本通運の先輩・牧田和久(現・楽天)を彷彿とさせる、毎年のようにドラフト候補に名前が上がる投手だ。年齢との兼ね合いもあるが、チームにいたら重宝される存在だ。

まとめ

最後の日本一から24年が経過し、球団合併後は一度も頂点に立つことができていない。監督交代も相次いでおり、チームの強化も一貫性を欠いているのが現実だ。

今年のドラフト会議では、球団の将来図を描くことができる指名をして、一貫性のあるチーム強化が可能になるきっかけにしたい。

参考


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