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12球団ドラフト展望⑨~北海道日本ハム編~

大谷翔平や清宮幸太郎といった超大物の獲得に成功している日本ハムのドラフトではあるが、ここ数年はチームの成長に若手の成長が追い付かず、苦しいシーズンを過ごしている。

更に投打の中心選手である有原航平と西川遥輝にMLB行きの話もあり、今後益々苦戦を強いられることになることが予想される。

今年のドラフトでは、来年に向けてのチームの立て直しと、5年後10年後に向けた適切な投資の両立を図りたいところだ。特にセンターラインの強化は、今年の最重要項目になってくる。

1 ナンバーワン選手

日本ハムのドラフトの特徴としては、その年のナンバーワンの評価をした選手に必ず入札することを徹底している点だ。球団の方針を踏まえると、今年は2名の投手のどちらかになる。

・早川隆久(早稲田大学・投手・左投)

・伊藤大海(苫小牧駒澤大・投手・右投)

エースの有原がMLB挑戦を希望しており、近い将来、先発ローテーションの中心を担う投手が必要になってくるチーム事情もあり、最初の入札はこの両投手を中心に考えるのがベターだ。

左のナンバーワン投手・早川は、今秋の東京六大学野球リーグで2試合に登板、18回の投球回に対して30奪三振と異次元の投球を見せている。

コンスタントに140キロ台後半から150キロ前半を記録するストレートは勿論、スライダーやツーシームといった変化球をコースに投げ分けるテクニックも光る。

一方の右のナンバーワン投手・伊藤の武器は、球種の多さだ。スライダー、カーブ、カットボール、フォーク、チェンジアップと多彩な変化球を投げ分ける。NPBの先発投手として活躍できるだけの引き出しの多さは勿論、変化球の一つ一つがハイレベルなだけに、抑えとしての適性を感じさせる。マウンド上での周囲を寄せ付けない佇まいも、ベンチが「心中」したくなる雰囲気を漂わせている。

2 捕手とポスト・西川

早川もしくは伊藤のいずれかを指名した次は、投手以外のセンターラインを強化したい。特にレギュラー不在の捕手と、西川の後釜が不可欠なセンターの補強は必須だ。

上記2投手のうちのいずれかの交渉権を獲得できた場合は2位で、抽選に敗れてしまった場合は1位に繰り上げて、捕手もしくはセンターが可能な外野手を獲得したい。候補となるのは、古川裕大(上武大・捕手・左打)五十幡亮太(中央大・外野手・左打)だ。

強打の捕手である古川には、ポジション別OPSがリーグ最低の日本ハム捕手陣に風穴を開ける存在になることを期待したい。持ち味の打撃を生かしつつ、守備面でもアピールができればおのずと出場機会は増えてくる。

古川以外の捕手だと、萩原哲(創価大・捕手・左打)榮枝裕貴(立命館大・捕手・右打)あたりを指名し、選手層に厚みを持たせたい。ドラフト1位で早川もしくは伊藤の交渉権を獲得できた場合は、古川ではない捕手の指名が濃厚だ。言い換えれば、2位で古川を獲得できれば、大変お買い得な指名になる。

MLB移籍を見据えている西川の後継者となりうるのが五十幡だ。「サニブラウンに勝った男」として名を馳せる脚力は、滅多にお目にかかることができないものだ。快速に加えて肩の強さも期待でき、打撃も学年を重ねるごとに力強さを増した。

西川のMLBが実現しなかったとしても、センターの補強は不可欠だ。西川のUZRは規定守備イニング到達者の中で最低の値を記録している。広い札幌ドームからの本拠地移転が迫っているものの、現在のままだとチームの穴になりかねない。

五十幡の次の候補となると、来田涼斗(明石商・外野手・左打)山本大斗(開星・外野手・右打)といった強打の高校生外野手のスケールの大きさと将来性に賭けるのも手だ。スピードを生かした五十幡に近いタイプだと、奥野翔流(明徳義塾・外野手・左打)も候補になってくる

まとめ

2016年の日本一を経験した選手の多くがベテランの域に突入し、チームも再建期に入っていることから、ドラスティックな指名をすることも頭に入れておきたいところだ。

また、一昨年からは育成選手も指名するようになっており、少数精鋭のチーム方針から変化していることも窺うことができるだけに、支配下選手の指名だけではなく、育成選手の指名まで注視しておく必要がある。

今年の指名選手の中に、新球場の顔となる選手がいる可能性は大いにある。

参考


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