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あなたの呟きは3度くらい温度が低い。
雑然としたタイムラインの中、凍えてしまいそうなあなたの吐く息は特段青白く見える。
その温度が目印となって、私はあなたをすぐに見つけることができた。
【散文】八百屋のまりちゃん
ふと、前方できらりと光る何かに目を奪われる。
多くの人が行き交う歩道に面した八百屋の店前、腰をいわせてしまいそうな前傾姿勢で黙々と大根を並べている女性がいた。
彼女の首元にはネックレスが、今も眩しい陽の光を受け止めている。
彼女は深々と黒色のキャップを被っていたが、後頭部で揺れるポニーテールは明るい色をしていた。
まだ初夏とも呼べない季節なのにゆるりとしたTシャツを着、健康的な小麦肌をさらしている
【散文】ヤマブドウを手に入れるためには
ヤマブドウは奥山に多く自生する。
急斜面の、さらに雑木に囲まれた場所に生えるので人が分け入ることは困難である。
ヤマブドウと訊いて初めに想像されるものは実だろう。
葡萄と名が付くのだからごく自然な発想だ。
しかし野生において、ヤマブドウの木を見つけだし、その実を手に入れることは非常に困難である。
ヤマブドウは雌雄異株の樹木であり雌木のみが実をつける。
雌木であっても必ず実をつけるとは限らないので、
【散文】駄菓子ほど色鮮やか
わたしは目の前の人に、箱入りのキャラメルと鈴カステラの袋と数枚の硬貨を差し出した。
あの人と喋るときはポン菓子の弾けるような声を出すのに、あの人と喋るときは水あめの絡まったじれったい声を出している。
あの人の隣では金平糖みたいなお利口さんでいられるのに、あの人の隣ではチョコレートみたいに表面からとろけだしてしまう。
ウソはつきたくないけれど、ホントの自分がどれかわからない。
多少大人ぶって二面性
久方振りのご挨拶+思考メモ
お久し振りです。
三日坊主を自称するも3日間続けられなかった麸と申します。
箸にも棒にもかからない言葉でも投稿しようかな、そういえばnoteやってたな、と思い立ち戻って参りました。
とりとめのない思考のメモですが。
消費されていく儚い存在について
人面魚のような 外見と内面の違和
人を惹きつける為の端正な顔立ちに人々は狂わされ、そうして虜になった人々にすべて喰らい尽くされる。
そうやって消費