『パンソロジー』 池田浩明 編
こんにちは、天音です。
今回の読書感想は池田浩明さんの『パンソロジー』(平凡社)です。
この本で一番最初に注目するのはタイトルでしょう。
思わず、「何これ?!」ってなりませんか?
パン+アンソロジーで『パンソロジー』。
秀逸ですね。唸ってしまいます。
内容はタイトル通り、パンをめぐるお話を集めたパンのアンソロジーです。
安心してください。そのままです。
本当に形式の垣根を超えてたくさんの作品が集められています。
小説、昔話、童話や絵本、エッセイまで。
それはもうなんでもござれ。
どういうふうに紹介しようかと頭を悩ませたのですが、今回はあえて特定の作品をあげずにこの作品の楽しさを伝えようと挑戦してみます。
では、想像してください。
あなたは紙袋を持っています。
さっきパン屋さんで買ってきたのです。
中にはたくさんのパンが入っていますが、どんな種類が選ばれているのかはわかりません。
店長は教えてくれませんでした。
焼きたてのパンを早く味わおうとあなたは袋に手を入れます。
手に触れて、袋から取り出されたパンは、焼きたての……。
……焼きたての、なんのパンを想像しましたか?
クロワッサン、食パン、フランスパン。
もしかしたらサンドイッチかも。
ドーナツなんていうのも大いにありですね。
パン屋のドーナツは美味しいものです。
最近流行ってるパンはマリトッツォですか。
……あれ。もうブームは終わりました?
この袋の中には、本当にたくさんの種類のパンが入っています。
たとえ想像した通りのパンが入っていなくとも、必ずあなたを満足させるパンがあるはずです。
ふかふかなもの、硬いもの。
辛いパンに甘いパン。
ちょっと苦いものも……。
わたしも心ゆくまで味わいましたよ。
どれもとっても美味しいお話でした。
中には、あの話にパンについての記述があったのかと驚くようなお話まで収録されています。
なるほどと新しい知識に驚くような話すら!
楽しいだけではなく、勉強にもなりました。
読書の秋。
そして食欲の秋も同時に楽しめる本です。
パン好きな人におすすめします。
お米派の方も、この本を機にぜひパンの良さに気づいていただけるとうれしいですね。
ですが読む時間には十分ご注意ください。
あまりにも美味しそうなお話に、読んでいるととってもお腹が空いてしまうのです。
夜中に読んで仕舞えば大変です。
「明日の朝ごはんはパン」「そうだパン屋行こう」
これしか考えられなくなります。
大きなパンに齧り付く夢を見てしまうかもしれませんよ。
……わたしみたいに!
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