【書籍紹介】異国のことわざ111
他人のものを利用したり、手柄に便乗して利益を得ることを「人の褌で相撲をとる」と言いますよね。
他の国ではどのように表すか知っていますか?
日本では聞いたこともないような世界中の諺を紹介している本、
時田昌著『異国のことわざ111』。
タイトル通り111個のユニークなことわざが収録されています。
また、項目になっていなくとも類似のものが紹介されていたので、111よりもたくさんの諺がのっていると思います。
比較的軽めの本で、とても楽しみながら読むことができました。
笑いながらも、地域性や歴史などその他小ネタも満載で、ことわざの面白さをたっぷり味わえるでしょう。
ちょっとずつ読んでいくのもおすすめです。
ちなみに冒頭で問いかけた「人の褌で相撲をとる」のラオス版は「人の鼻で息をする」。
無理じゃないかなと思います。
他にも「他人の帽子を使ってお辞儀をする(ポルトガル)」や「人の薪で盛んに火を燃やす(フランス)」など似たような意味でも多彩な表現がありました。
せっかくなので、中でも良かったと思う諺を紹介します。
わたしの解釈で言うとネパール版の「ごんぎつね」ぽい感じでした。
赤ん坊を助けてくれたマングースを、勘違いから殺してしまったというインドの逸話をもとにしたことわざだそうです。
意味は「後悔先に立たず」。
基本的に意味はそのままです。
諺が生まれた環境を、力強くも悲しく表現しているなと。
説明がいらないくらい正直。
読んでてちょっと笑いました。
最後に一番好きだったのはこのことわざ。
「余計な心配はしないで気を大きく持っていよ」という意味だそう。
とてつもなく楽観的な考えを、素敵なジョークにしているなと思いました。
日本でも「杞憂」という言葉がありますが、こちらはそれとは真逆。
取り越し苦労の古事成語ですね。
空が落ちてきたらどうしようと悩んでご飯を食べられなくなるよりも、「青い帽子だあっはっは」くらいの気持ちでわたしも過ごすことにします。
紹介したのは本に載っていたごく一部のことわざです。
もし興味を持たれたら、ぜひ読んで見てくださいね。
言葉は文化に根ざしたもの。
生活習慣や地域性が表れていてとても面白かったです。
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