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#詩

全ては仕組まれている

全ては仕組まれている

体はもう仕組まれていた。

生まれる前に私の体の仕組みは殆ど揃い、そこへ私の心が生まれた。体へ私の心は落ちて、もう拾えない。引き返せない。

生まれたいと願った訳でなかった。

せめて愛の結晶で生まれたかった。雪の結晶のようなキラキラと輝く愛の形の子供として…。



命が性欲使い、地位や名誉、体裁欲を餌に、男女に子を作らせ笑っている。

世間の体裁で出来た表面的な人形たちを笑ってる。

子供、

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自己中心的

自己中心的

自分中心に、感情的にもの見るなと言われました。
しかし、自分からはどうやっても逃げられないのです。

窒息 苦しく 死にそうに
それでも 自らが殺せず 逃げられず
雲掴む様に 助け叫ぶ
それを感情 と突き放され
ゼロから 無を知らされ
空(から)になった
感情 空(そら)に帰して
真っ赤になり海に堕ちた

それは月の話。宇宙で月は窒息しそうな位走って周っていた。止まりたいのに止まれずに、助けを呼ぶ

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快楽の海

快楽の海

溺れていれば

悩みがなくなり

だから快楽に溺れました

揺られていると

夢心地きもちいいから

快楽に子守して貰いました

快楽の波の中、溺れて死ぬつもりが

海に解き放たれ命が生まれて

快楽に溺れているので

生まれた子を捨てました

悩みたくないから

また快楽に溺れました

ひきこもりの煩悩

ひきこもりの煩悩

 子供部屋に引きこもり、19年後の冬旅にでた。
 部屋に無かった感性や言葉を雑多に拾い、部屋へと繋ぎ羽化を試みると浮かびあがる輪郭。
 その影に怯えた恐怖が吐き気になり、必死に食いしばり飲み込む。
 今飲んだ酸っぱい感性は毒になるか薬になるのか…
 不安が吐き気を戻すから、いっそ吐き捨てて排除しようと罵倒されながら一人と相談する。
 いつの間にかふと、足元に咲く花に綺麗が付いている事に感情が止まる

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私物とは

私物とは

それは私物に成り変わる前の物。私は、それらを私物にする。

ある日、地球が生まれた。そして時間が過ぎ、この世界の物は皆、地球の持ち主を知らないと言いました。万物の共通の言葉のようです。太陽に聞いても、誰に聞いても持ち主が解らないのです。皆んなで其々の情報を出しあい探してる所ですから、私は地球を私物として、傲慢になって持たずに待ってて下さい。

時間の中に生きれば、持たねばならず。作るのは私、持つの

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メダカ

メダカ

小学生の頃

飼っていたメダカを死なせてしまい

余った悲しさが手放なさず

埋めずに手に持ちました

成長する程にメダカは干からび

大学生になり猫を飼いました

猫は、手のメダカを食べ

私は泣きました

あの時の悲しみがさよならと言い

愛していた。と猫抱きながら謝り

猫の温もり、手に残りました

優しい子供は悲しみを抱えながら生きました。

救ったのは同じ命。

老いる春

老いる春

よっこいしょ!

ばぁちゃん 煩い

じゃあ、応援してよ

応援 ?

よっこいしょーって

自分を励ます声援

春に虫が出るように、年をとって言葉が出る。

蛇の穴からはオナラも出て

乙女の恥じらいは残った

荒ぶる形つくった物 ぼやけ朝に焼け 

老いし 返す物多く

剥ぎ取られ 落ちていく

若き日に獲得した幻影 さよなら

啓蟄の後に土に 残るは

誰とした約束か 知らず 心細くなり

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